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球がつかまらないのはシャフトが硬いから? 軟らかいから? 症状からわかる最適シャフトの見つけ方

吉本巧のゴルフギア教室 第87回

2025/10/04 ゴルフサプリ編集部

ドライバーのシャフトは、硬さ・重量・キックポイントによって球筋や飛距離、打ち出しの高さに大きな影響を与える。合っていないシャフトを使っていると、結果が安定せず、自分に合っているのか判断が難しいもの。シャフトが合わないときに現れる典型的な症状を整理し、診断の目安をプロコーチ・吉本巧が解説する。

シャフトが合わないと、感じ方、球筋、飛距離、打球の高さはどうなるのか

いま使っているドライバーのシャフトが自分に合っているか判断するのは難しいもの。飛ぶこともあれば飛ばないこともあり、曲がることもあれば真っすぐいくことも…。これらが半々くらいの確率だったら、合っているのかいないのか皆目わかりません。そこで今回は、合っていないシャフトを使っている場合にどんな症状が出るのかを紹介します。なお、この内容はヘッドやスイングは度外視し、シャフトに特化した症状です。ドライバーショットを思い浮かべて心当たりがあったら黄信号です。

シャフトの性格を決定づける要素は以下の3つです。

1 硬さ(振動数)
2 重さ
3 キックポイント


これらの要素のそれぞれで、合っていない場合に「本人がどう感じるか」「球筋」「飛距離」「打球の高さ」の4点を紹介していきます。

1 シャフトの硬さ(振動数)

●硬すぎる場合
本人の感じ方
振っている本人としてはシャフトのしなりを感じられません。まるで硬い金属の棒を振っているような感じ。クラブが仕事をしてくれないので、何もかも自分でやらないといけません。

球筋
ボールがつかまりにくい。弱い球が出て右に曲がりやすいので、フェードやスライス系の球が多くなる傾向があります。打感も硬め。芯を喰ってもボールが潰れる感じが得られず、弾き飛ぶ感じがします。

飛距離
全体的に飛びません。飛ばないので無意識に力んだスイングになりやすい。そのためラウンドや練習で疲れたり、変なところに筋肉痛が出たりもします。オーバースペックであることがほとんどなのでスイングはぎこちなくなる一方。無理をするとケガにもつながりかねません。

打球の高さ
シャフトがしならないため、インパクトでロフトが立ちやすくなってスピン量が不足します。打ち出しが低くてボールが上がらないことも飛ばない原因の一つです。

●軟らかすぎる場合
本人の感じ方
シャフトがやたらとしなる感じがします。結果、シャフトやヘッドが暴れる印象になってクラブの挙動が一定しません。クラブが仕事をしすぎる、というか余計に動きすぎて打点やスイング軌道の不安定になりミート率がダウンします。楽に振ることはできますが手打ちになりやすいのでスイングにはよくありません。

球筋
ボールがつかまりやすく左に飛びやすい。その傾向が強すぎるとドロンとした着弾の早い球筋になります。打感は軟らかめ。同じ硬さのボールを打っても軟らかく感じます。

飛距離
飛んだり飛ばなかったりとタテ距離のブレ幅が大きい。ロフトが立って当たれば飛びますが、寝ると途端に飛ばなくなります。また、打球のヨコブレも大きく方向性が悪い。これらは軟らかくて振りやすいため手打ちになりやすいことも一因です。確率は高くありませんが手打ちでも飛ぶことがあります。

打球の高さ
インパクトロフトが大きくなりやすいためスピン量が過多になって高い打球になります。

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2 シャフトの重量

●重すぎる場合
本人の感じ方
数発打つと振るのをキツく感じてシンドくなります。ラウンドの後半で振れなくなったり、練習もたくさんできません。力みやすくもなるので筋肉痛や関節痛になることも。通常、筋肉痛は慣れて気にならなくなりますが、いつまでもなくならないようなら重すぎです。

球筋
タテ距離、ヨコ方向ともにバラつきが大きくなります。当たればいい球が出ますが、クラブに振られるようなスイングになるためスイング軌道が不安定になります。基本的に打点やインパクト時のフェース面の向きが安定しないのでミート率が下がります。

飛距離
当たれば飛びますが、当たらないと全然飛ばない、というように落差が激しい。重いぶん無理して振りますから全体的に飛距離が伸びる傾向になりますが長くは続かず、急に飛ばなくなります。

打球の高さ
高い時もあれば低い時もある。ナイスショットならば上がりますが、打点が安定しないのでトータル的には上がりづらくなります。

●軽すぎる場合
本人の感じ方
楽にスイングできますが、見方によっては手打ちも可能。そのまま使い続けると、いつの間にか手打ちになるかもしれません。基本的にシャフトが暴れますからタイミングがとりづらくなります。

球筋
タテ距離、ヨコ方向ともにバラつきが多くなります。手打ちになって打点がバラつくと、たとえ振りやすくてもダフり、トップまで出るようになります。

飛距離
芯を喰っても生まれる力が小さいので飛びません。本人的には当たった感じがあっても、ボールのところに行ってみたらそれほど飛んでいない。そんな傾向がある人は軽すぎを疑った方がいいかもしれません。

打球の高さ
高い打球も出れば、低い打球も出て不安定です。芯を喰った場合でも吹き上がって高く上がることが多い。大体は手打ちからくるすくいうちになってインパクトでロフトが寝ています。

3 シャフトのキックポイント

●先調子が合っていない場合
本人の感じ方
シャフトが軟らかく感じます。しなりが多くヘッドが暴れる感じがあるのでクラブの挙動が安定しません。

球筋
トルクが大きいのでボールがつかまりすぎて左に飛びやすい。ひどい時にはドロップすることも。逆にヘッドが戻りきらずにフェースが開いてインパクトすると上がりすぎて右に飛ぶこともあります。

飛距離
吹き上がる球が多くなって飛びません。インパクトロフトが寝やすいのでスピン量が多くなり弱い球になった結果です。それを嫌ってつかまえにいくと、つかまりすぎて左に飛ぶことも。この場合は飛距離が出ますが、いい結果は望めません。

打球の高さ
インパクトロフトが寝やすいので、打ち出しから高い打球になりやすい傾向が出ます。また、タイミングによってロフトが立って当たった場合は球が上がりません。

●元調子が合っていない場合
本人の感じ方
硬い金属の棒を振っているようにシャフトが硬く感じます。しなりを感じられないので、ややハードな感じがあります。

球筋
球がつかまりにくいため、打球が右に飛びやすい。勢いのない弱々しい球が出ます。滞空時間が短くすぐ地面に落ちてしまうイメージの球になります。

飛距離
全体的に飛びません。弱い球が出るので力んで振りやすくなることもあり、飛ばそうとするほど疲れます。手元調子で硬すぎるとこの症状が顕著に出ます。

打球の高さ
球が上がりません。打ち出しから低いので非常にわかりやすい。上げようとするとさらにスイングを崩すことになります。

硬さと重さについて紹介した症状があるなら、軟らかめや軽めにしてみる。キックポイントについては、先調子が合っていない人、元調子が合っていない人、ともに中調子に移行してみて、それでも先調子の症状が出たら元調子に、逆に元調子の症状が出たら先調子にするといいでしょう。先寄りの中調子、元寄りの中調子もあるので、フィットするキックポイントが見つかるはずです。


吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

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