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次打はどこから打てばいい? 間違えやすい黄杭と赤杭の処置の違い

ゴルフのルール&マナー

2025/10/08 ゴルフサプリ編集部 真鍋雅彦

先日の国内女子メジャー第3戦「日本女子オープン」で、同組で回っていた2人の選手がルールの勘違いから失格になりました。彼女たちが犯した間違いは、イエローペナルティーエリア(黄杭)だったのに、それに適した処置を取らず、ボールを打ってしまったというものです。プロでも間違ってしまうイエロー(黄杭)とレッド(赤杭)の違い。改めて整理しておきましょう。

イエローとレッドでは処置方法が異なる

違反があったのは「日本女子オープン」1日目の17番パー3。同組で回っていた水木春花とアマチュアの菊田ひなのティショットが池につかまってしまいました。池の周囲はイエローペナルティーエリアだったので、2人は、ボールが池に落ちる際にラインを横切った場所を起点とし、ピンに近づかない2クラブレングス内にボールをドロップし、そこからボールを打って17番をホールアウト。そのまま18番もホールアウトしてスコアを提出していたのです。

なぜこの処置が間違っていたのか? その前にイエローペナルティーエリア(黄杭)とレッドペナルティーエリア(赤杭)の違いについて整理しておきましょう。

まず黄杭で示されるイエローペナルティーエリアについて。これは、2019年のルール改正が行われる前は、「ウォーターハザード」と呼ばれていたものです。ルール改正後は、池やクリークだけでなく、ブッシュや崖、岩場、密集した森などボールを探すのが困難であり、もし見つかったとしてもプレーを続けることができないエリア(これに関してはレッドペナルティーエリアも同じです)も含まれるようになりました。

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このイエローペナルティーエリアに入ったときの処置法は3つあります。

1つ目は、そのまま打つ。これは無罰です。「水の中にあろうが、ぬかるんだ地面に埋もれていようが、打てるなら打ってもいいよ」というもので、新ルールでは、以前は禁止されていたソール(クラブを地面につける行為)もOKになりました。

2つ目は、元の位置に戻って打ち直す。これは1打罰なので、ティショットがイエローペナルティーエリアに入って打ち直しをする場合は、次のショットは3打目になります。

そして3つ目は、ボールがペナルティーエリアを横切った地点とピン(ホール)を結んだ後方線上のペナルティーエリア外にドロップする方法。簡単にいえば、後ろに下がって打つ方法で、トーナメントではこの救済処置を利用する選手が多いようです。これに関しても1打罰になります。

イエローペナルティーエリアに関しては、この3つのどれかを選べばいいのです。

なお、日本女子オープンではローカルルールとして、予め定めてあった「ドロップゾーン」から打つという選択肢もありました。

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つまり、イエローペナルティーエリアの3つ目(後方にドロップ)が使いにくいということ。そこで、イエローの救済処置3つのほかにもう1つ、レッドペナルティーエリアだけで使える救済処置が設けられています。

その救済処置とは、赤杭(赤線)を横切ったところからホールに近づかない2クラブレングス以内の箇所に1打罰でドロップできるというものです。例えば、コースの左サイドに池があり、フックしたボールが池に入った場合、ペナルティーエリアを横切ったところから2クラブレングス以内にドロップできるということです。

ここまで読まれた方はもうお分かりだと思いますが、2選手は、イエローペナルティーエリアであるにも関わらず、レッドペナルティーエリアの処置をしてしまい、結果的に「誤所からのプレー」をしてしまったことになります。

このように、誤所からのプレーによって明らかに有利な状況が生まれる場合は、“重大な違反”とみなされ、その場で気が付いて正しい処置を取って打ち直せば2罰打ですみますが、そのままホールアウトしてしまうと失格になるのです。

皆さんも間違えないように、2つの違いをしっかり頭に入れておいてくださいね。

文・真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。

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