パー4で迷わずワンオン狙い
この日の松山は午前7時半からインの9ホールを練習ラウンドしました。
4ホール目の13番は337ヤードのパー4。
ここではドライバーを1球だけ打つと2打目地点へと進みます。
この距離だとティショットを刻んでウェッジのフルショットを残す、という攻め方もありそうですが、その練習はしませんでした。
その代わりにグリーン周りからのアプローチやバンカーショットにたっぷり時間をかけて入念に。
その様子からして3(バーディ)か、あわよくば2(イーグル)を狙うことしか頭になさそうです。
実はこのホールは「グリーンの傾斜がキツいから、2打目をウェッジでフルショットするとすごく戻ってきてしまうことがあるんです」と、普段から横浜CCを練習拠点にしている河本力が解説してくれました。
パー4の2打目でグリーンをキャッチできないとなると、バーディの可能性はかなり低くなります。それならば迷わずドライバーでワンオン狙い。あるいはグリーン近くまで運ぶ。
「週末にいい位置で回れるように」と、2021年の「ZOZOチャンピオンシップ」以来となる、日本で開催されるPGAツアーの優勝に向けて、取れるホールは取る、という意気込みが表れていました。
ギャラリーにプレーを“解説”するシーンも
この日は一般のギャラリーも入場して練習ラウンドを見ることができました。もちろん最大のお目当ては松山です。
本人もそれをわかっているのでしょう。18番パー4ではこんなシーンがありました。
左ラフからの2打目を打った際、すぐ近くのギャラリーから「フライヤー?」の声が上がります。
もちろん面と向かって聞いたわけではないでしょうが、これが聞こえた松山は「フライヤーです」と自ら“解説”するファンサービスです。
日本では練習ラウンドにギャラリーを入れる試合は少数です。
本戦の緊張感の中ではこんなやり取りはできないでしょうし、早朝から会場に来てくれたギャラリーに感謝の気持ちを込めてのやり取り。
質問に答えてもらったギャラリーには最高の思い出となったことでしょう。
アマチュア予選を突破した小林大河への気遣い
小林大河
また、アマチュア予選を突破して出場資格を獲得した小林大河(日大4年)が朝のスタート前に挨拶に来ると、腰に痛みがあることを気遣って「今後もあるからあまり無理せずに、と言っていただきました」(小林)
腰が痛いことについては9月22日の予選の際に会話があったそうです。
とはいえ、そのことをしっかり覚えていて気遣いまですることには、自身の名前を冠したアマチュア予選を通った選手への責任感も感じます。
日本のアマチュア選手がPGAツアーに出場することについて松山は「自分自身もソニーオープンに出させていただいて、色々なことを目の当たりにして『ここで戦いたい』という気持が強くなった」と、やはり選手として出てみないとわからない、見えてこないことを若いうちに経験してほしいと話しました。
第1回だった今年は一日、18ホールでの争いでしたが「今後は2日間、3日間の大会にしたいと思っています」とより本格的な大会にしたいという構想も明らかにしました。
自身は優勝をめざし、後進の育成の足がかりとなる場を提供したい。
まさに八面六臂の1日を過ごした松山が、木曜日からどんなプレーを見せてくれるのか楽しみです。
(取材・文/森伊知郎)




