ピン「iDI」ってどんなユーティリティ? 空気が作る軟らか打感とブレない飛びを野村タケオが試打検証!
野村タケオのゴルフ実験室
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。PINGから新しく発売になった「iDi」というクラブをお借りしてコースで試打してみました。「iDi」というのは「アイ ドライビング アイアン」の略。ソールが厚めのアイアン型ユーティリティタイプです。中空構造なのですが、なんでも中空部分に秘密があって、打感がかなりいいのだとか。一体どんなクラブなのでしょうか。
〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉
ピン「iDI」は前作「クロスオーバー」から大幅に進化!
今回僕が試打したクラブはPINGの「iDi」。以前「クロスオーバー」というアイアン型ユーティリティがあったのですが、その後継モデルとなります。
「iDi」のヘッドは中空構造でフェースには高強度C300鍛造マレージング鋼、ボディには17-4ステンレススチールを採用。前作よりも薄肉となったフェースがたわむことで、ボール初速をしっかり稼げる設計になっています。
そして今回の目玉が「inR-Air(インナーエアー)」テクノロジー。ヘッドの中空部分に空気をパッキングしたものを搭載しているんです。このことでこれまでにない低音で静かな、心地良い打感と打音を実現しています。また、従来搭載されていたEVAポリマーに比べ約40%の軽量化を達成したことで、重量周辺配分設計が可能となり、MOIが前作比約15%向上しています。今作で「inR-Air」テクノロジーを採用したことで打感・打音の向上だけでなくMOIも向上し、ミスに強く、心地よい打感と打音を実現しているんですね。
そして「i-Beam(アイビーム)」という梁(はり)のような内部補強構造を採用。このことでインパクト時の衝撃や振動を抑え、心地よい打感を生み出しています。
さらに前作よりもソール幅が広くなるとともにバウンス角を5度増やし、ダフリのミスに強いソールとなっています。また、フェース長は前作よりも短くなり、コンパクトでシャープな見た目となっています。
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バックフェースのデザインはシンプルで、「i-Beam」の形状がそのままわかるような形状。ソールは本当に分厚くて優しそうに感じます。
「iDi」は2番(17度)、3番(20度)、4番(23度)の3種類がラインナップされているので、今回は全部お借りしてコースに持ち込みました。シャフトは純正カーボンシャフトの「PING TOUR 2.0 CHROME 85」のSでした。これはカタログによると80gでトルク2.3の中元調子ということです。
構えてみるとかなりヘッドがコンパクトに見えます。ソールは厚いのですがフェース長が短いので、余計にシャープに見えるんですね。個人的にはもう少しフェース長は長くても良かったのかな~と思います。その方が安心感が増す気がしました。ただ、不安になるような感じではありませんけどね。
まずは2番を打ってみたのですが、これはそもそも僕では地面から打つのはなかなか難しい。なので、ティアップしてドライバーが使いにくいホールで使ってみました。このショットが驚くほどいいショットで、中弾道のほぼ真っすぐの球。かなり直進性も高く、飛距離的にはラン込みで210ヤードほど飛んでいました。これは狭いホールや長めのパー3などでかなりの武器になってくれそうです。
打感は本当に軟らかくて気持ちいい。フェースがたわんで、一度フェースにひっつくような気持ちよさがありますね。これはフェース内部の「空気」のおかげなんでしょうね。打音もとてもいい音でした。
次に3番ですが、これは地面から打ってみましたが、ライが良ければ打てるかな~という感じです。ラフに沈んでいたり、芝が薄いとちょっと苦しい。ライのいいところから打つとボールはまあまあ上がってくれます。分厚いソールがダフリにも強いので、少しくらい手前から入っても大きなミスにはなりにくい。しかしこれもどちらかというとティショット向けかな~とは思います。
そして4番を打ちましたが、これは地面からでもある程度打てますね。弾道も中高弾道という感じで、直進性も高いです。やはりソールの性能が高くて、しっかり滑ってくれるので芝の上から打つ時にはありがたいですね。190ヤードくらいのパー3で使いましたが、しっかりとグリーンにも止まってくれました。4番ならいろんな場面で活躍してくれそうです。
どの番手もしっかりと強い球が出ますが、操作性も悪くない。ヘッド長が短めだからか、少しつかまえたり逃したりってことも意外とやりやすいです。
シャフトの「PING TOUR 2.0 CHROME 85」は結構しっかり感があり、しなり量も少なめに感じました。振りやすさはありますが、ボールを上げてくれるような感覚は少なめ。もう少し優しくボールを上げたい人は、同じく純正の「ALTA J CB BLUE」にすればいいと思います。
コースでガッツリとPINGの「iDi」を打ちましたが、とにかく打感の良さに驚きました。そしてソールの出来もかなりいいので、ミスにも強い。直進性の高い強い球が打てるので、地面からはもちろんのこと、ティショットではかなり武器になるクラブだと思います。前作の「クロスオーバー」からすると、打感だけでなく優しさの面でもかなり進化していると感じました。優しめのアイアン型のユーティリティを探している人はぜひ一度試してみてください。
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。
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