フィッティングを行う場所というと、時々、屋外の練習場などでもやりますが、ほとんどの場合インドアの打席で行います。
インドア打席というとボールがすぐに目の前のネットに当たりますので、トラックマンなどの弾道シミュレーションがあったとしても、そういった環境に慣れていないと、なかなか球筋のイメージを出すのは難しいでしょう。中にはインドアで打つのは苦手という方も少なくありません。

今回はそういった実際のコースとは違う環境の中で、どのようにすれば実際に使う場面で使いやすいクラブを選ぶことができるのか?を考えてみたいと思います。環境による違いを認識しつつ、対策をしていきましょう。

室内練習場と屋外練習場の違いは○○!

では、まず、インドアと屋外練習場との差を考えてみましょう。
上記しましたように、インドア打席はボールを打ってネットに当たるまでの距離が短いです。遠いところでも5mくらいしかないでしょう。
5mでは、ボールはあっという間に到達してしまいますから、目で追うのはかなり難しいと思いますし、その先にどのような球筋だったかを予想するにはかなりの慣れが必要です。
そのため、インドア打席では、特にフィッティングをする際には、弾道計測器およびシミュレーションを活用することがほとんどでしょう。昨今の弾道シミュレーションの進化は著しく、実際にゴルフ場で打っているように感じるものも多数あります。この環境に慣れてしまえば、弾道シミュレーションを活用することで、実際のゴルフ場でボールを打っているように感じることも可能ではあります。

一方、屋外の練習場では、大きさの差はあるとしても、ある程度の弾道を見極めることができるところがほとんどでしょう。
そのため、コースでのショットを想定してボールを打つことも可能です。そういう意味では、球筋を意識できる屋外の練習場の方が、フィッティングをやりやすいと考えがちですが、実はボールの違いがあります


屋外の練習場、とくにネットのある練習場では、ほとんどの場合、練習場専用のボールを使っているところがほとんどだと思います。
このボールは実際にコースで使うボールとは違う性能の場合が多いです。
練習場のボールの性能で最も求められるのは耐久性です。コースボールよりも耐久性が高い場合が多いです。
そのため、コースボールとは違う打感だったり、球筋になりやすかったりします。
たいていの場合、少し滑るような球になりやすく、かつ上がりにくいことが多いでしょう。

インドア練習場では、ボールはコースボールを使うことが多いでしょう。そのため、弾道は見えないですが、打感などはコースで使う時と近いものを選ぶことが可能です。

まずは、そういった環境の差を認識しましょう。

インドアでは数値にこだわりすぎてしまう

次に、では打つ際のプレーヤー側の意識の差をもう少し考えてみましょう。

インドア打席の場合、打った後に球を追うことができないためボールに打つことに集中する方が多いと考えています。その分、インパクトに集中もできるので、打感の違いに普段よりも敏感になる方も多いです。
その代わり、球筋の違いがシミュレーションでの数値上の違いになるので、小さい修正よりも大きい修正をしがちです。
例えば、シミュレーションの結果で球筋の結果が思ったよりも左に行ってしまった場合、次のショットで大きく修正したがって大きく右に曲げてしまうことがあります。

弾道計測器も、データが数値化されてわかりやすく、改善点、クラブの違いが一目瞭然になります。
一方で数字に出てしまうので、小さい差を見落としがちで、上記の方向の修正と同様に、次のショットで大きく変わることを期待しすぎたり、意識してやろうとしすぎたりで失敗することも多いでしょう。
弾道シミュレーションの数値の見方はフィッターの方に任せて、思い込みで進めないことが必要かもしれません

つまりインドア打席では、頼れる情報が少ないが故に、それにこだわりすぎてしまう危険性があるということを認識していただけると嬉しいです。

逆にシミュレーションの画面によっては、曲がりの幅が狭く見えるようになっている場合もあります

例えば、左に20ヤードくらい曲がっても、画面の中に着弾するので、少し曲がった程度にしか感じませんが、実際は20ヤード曲がれば、フェアウェイを捉えることは難しいですし狭いホールではハザードに捕まってしまうこともあるでしょう。
なので、しっかりと何ヤード曲がっているか、を認識しておきましょう。

屋外は?

続いて屋外打席の場合を考えてみましょう。
上述しましたように、球筋の違いは見ればわかりますし、かつ、飛距離の差なども、落下地点などでつかむことができますので、実感と結果が一致する場合が多いです。
ただし、こちらも上述しましたように、ボールの違いは大きいです
ややつかまりにくいボールが多いので、練習ボールであまり完璧なショットを目指しすぎると、実際のコースボールを打った時に捕まりすぎているということもあると思います。
また、練習場の広さにもよりますが、横幅の広い練習場では、かなり曲がってもOBになることはありませんので、曲がっていてもそれなりの結果だと勘違いしやすいでしょう。
屋外の練習場では、よりシビアに結果を比べていく必要があると考えていただければと思います。

では、この練習場(インドアと屋外両方)と実際のコースでの違いと考えて行きましょう。一番の違いは、練習場では、マットなどで方向を示すものが多いということです。
コースにはそういうものはありません。
ほとんどの方が、練習場ではその方向を示すものに従って構えますので、打ちたい方向と結果が一致する方が多いです。
一方、コースでは、これがゴルフで一番難しいといってもいい、アドレスの方向性が取りにくい方が多いでしょう
コースでどこを向いているか、つかめるようになると上級者ともいえるかもしれませんね!

アドレスが違うだけで、結果は同じでしょ? と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、向いている方向が変わってしまうと、それが影響してクラブの性能とは真逆の球筋になることがほとんどです。
打ちたい球筋に対してアドレスができていないと、望んだ結果にはなりにくいと考えていただけると嬉しいです。

これが、練習場ではやりやすく、コースではやりにくくなります。

そうなると、フィッティングでそれなりに打ちたい球筋が打てるようになったとしても、コースでは思ったように打てない、ということが起こりえます。

そうならないために、まずは、そのコースでの出やすい球筋、ミスの時の症状などをしっかりとつかんでおく必要が出てきます。
これが結構難しいです。
というのも、本人は打ちたい球筋に対して、ちゃんと構えていたつもりなのに、結果が伴っていないわけですから、客観的に判断するのが難しい、となります。

そこで、どういう傾向がある場合、コースと練習場で大きく違うのかを例を挙げてご説明いたしましょう。

A.コースに行くと思ったよりも球が右に出てしまう人

このケースが一番多いのでは?と考えています。
これはアマチュアの一番の傾向である、「コースに行くと右を向いてしまう」ことに起因しています。
基本的にはこの場合、良い当たりをするほどそのまま向いた方に飛んでいきます。
この場合は、対処法としては、クラブを信じてまっすぐ構えられるように練習をするしかないです。
クラブが問題とは考えない方が良いでしょう。
逆に、その向きに構えておいて、フェアウェイに戻ってくるような球を目指してしまうと、いわゆるこれはひっかけやすいクラブになってしまいますから、次の項目の、思ったよりも左に行くクラブになりやすいです。

B.コースに行くと思ったよりも球が左に出てしまう人

前述しましたように、これも同様にアドレスが右を向いてしまう人に見かける現象です。
左行くから左を向いている場合もないことは無いですが、アマチュアの場合は少ないケースだと思ってください。右を向いている意識がなくても、人間は無意識のうちに右に行きたくないという風に反応して、左に打とうとする⇒体が開くということが起きます。
これがたいていの方のスライスの原因だったりします。
そのスライスした経験から、無理に左に引っ張り込もうとしたり、フェースをかぶせたりといろいろと小手先で修正しようとすると、それが過剰に効いてしまい、結果は左ひっかけもしくは、大きくフックしてしまうということが起きます。
なので、これも、やはりクラブだけの要因ではないことがお判りいただけると思います。

C.コースに行くと思ったよりも当たらない人

これもあるあるですね!
練習場では良い当たりがでるのに、コースに行くとミスヒットばかり、それも練習場ではあまり出ないようなひどいミスが出ることもあります。
この要因は4つくらいあります。
1つは練習場では、同じクラブを打ち続けることが多いですから、徐々にそのクラブに慣れていき、数発打っていくうちに当たるようになるというものです。
コースでは一発勝負ですから、練習場でミスしたショットが出やすいということが起こります。これは、クラブが起因していることが多いです。
一発目からきちんと当たりやすいクラブにする必要が出てきます
フィッティングでしっかりと自分に合った、一発目からちゃんと当たりやすいクラブを目指しましょう!

2つめは、やはりアドレスのミスですね。
上記した右向きすぎ問題で述べさせていただいたように、自分が打ちたい方向と違う方向を向いているので、人はそれに対して自然に反応し、その結果、修正しようとして失敗してしまいます。たいていの場合はアドレスのミス=ボール位置のミスになり、その失敗が方向性だけではなく、当たりそのものも悪くしてしまう、ミスショットを呼び込んでしまうということです。

3つめは、力み、ですね。
練習場やフィッティング中でも起こり得ますが、どうしてもコースに行くと、飛ばしたい、乗せたい、寄せたいという気持ちが強くなりますから、力が入ります。
ほぼ100%に近い方が、コースの方が、練習場より力が入っています。
力を入れることがダメということではなく、力みすぎが良くないので、その結果、ミスヒットになってしまうということです。

最後の4つめが、今回のメインのお話かもしれません。
練習場や、フィッティング時にあまりにも捕まりの良いクラブを目指してしまうと、コースでは、もっと捕まってしまうということが起きます。
特に練習場のボールは、硬くて滑りやすいボールが多いです。
そのボールで捕まるように調整をしてしまうと、コースボールを使った時に捕まりすぎてしまうということが起きます。
また、上述したように力みが入りますから、練習場やフィッティングでぴったりのしなり感のシャフトを選んでしまうと、コースではしなりすぎてしまい、これまた、ミスヒットにつながるということが起きます。
この辺りは、もう少し詳しく後述します!


D.コースに行くと思ったよりも飛ばない人

これもアマチュアあるあるですね!
いろいろと要因はあります。
上述の力み問題、ミスヒットが出てしまうということもありますが、それから、傾斜地の影響というのも出てきます。ゴルフ場は平らなところは、ほぼないです。傾斜の影響で、例えば、左足上がりではインパクトのロフトが寝てしまいますので、飛ばなくなりやすいです。また、傾斜地では本当の意味でのフルスイングは難しく、練習場の時の様に気持ちよくは振り切れませんから、どうしても抑え気味のショットになって、フルショットよりも飛ばない、となりやすいです。
風の影響もありますね!
谷越えなどは、無風に感じていても風のあおりを受けて飛ばない、ということが起こったりします。

それから、シミュレーションあるあるで、アイアンなどを打っても、かなりランの出る結果の場合があります。そのためコースで転がらなかったりすると、行ってみると思ったよりも飛んでいない、ということが起こります。
この場合は、やはりシミュレーションでのキャリーの値を意識して、コースに臨むべきでしょう。

ここまでのお話をまとめさせていただきますと、以下のような違いが出ていると考えています。

きちんとフィッティングをすればするほど、結果は以下のようになりやすいです。
① 当たりが良くなりやすい(つかまりが良くなる)
② 球がねじれにくくなる
③ 打ち出した方向に飛ぶ

ところが、その結果を期待してコースに行った時にと感じやすい結果は以下のようではないでしょうか?

① 当たりが思ったより良くない
② 思ったより曲がる(つかまりすぎる)
③ 狙った方向に行きにくい

フィッティングに臨むにあたり、このギャップをうまく埋めていかなくてはなりません。
アドレス問題は、技術的な要素ではありますが、フィッティング時の良かった感触を再現するためには非常に重要です。
これを見越した練習ができるようになると一番良いです!

捕まりすぎや力みすぎの方は、フィッティング時にある程度予測をしておきましょう。
時々、フィッティング中にもいつもより力を入れて打ってみたり、コースを想定して狙いの幅を絞って打ってみたり、いろいろと試してみることをお勧めいたします

逆にアイアンなどでは、フルショットだけではなく、ハーフショットやコントロールショット、ライン出し、などコースでの使い方を想定して、いろいろと打ってみることをお勧めいたします。

やはり、コースで起こっていること、自分が体験したことを客観的に判断し、その準備をしてフィッティングに臨む必要があります。
そのことで、本当に必要なクラブは何なのか?
コースで機能するためのクラブスペックは何なのか?
を考えて行けるようになると思います。

クラブフィッターさんに、単に、飛ばしたい、曲げたくないということだけではなく、どういう場面で曲げたくないのか、飛ばしたいのか?そういったことを伝えられるようになるとよいかもしれません。

ご参考にしていただけると嬉しいです。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。