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渋野日向子が「TOTO」のウェイティングで“昇格”　出場は叶うのか？

渋野日向子が「TOTO」のウェイティングで“昇格”　出場は叶うのか？

2025/10/15　ゴルフサプリ編集部

現在、日本ツアーに参戦中の渋野。「TOTO」に出場なるか？（写真／Getty Images）

中国で開催された先週のアメリカLPGAツアー「ビュイックLPGA上海」では勝みなみが世界ランキング、ポイントランキングとも1位のジーノ・ティティクルと５ホールに及ぶプレーオフという大激闘を演じた。最後はバーディを奪ったティティクルに屈したが、その裏で日本のゴルフファンとしては注目すべき情報があった。来月に滋賀県の瀬田CCで開催される「TOTOジャパンクラシック」の出場資格のランキングで、渋野日向子がジャンプアップをしていたのだ。

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アジアシリーズが始まり、渋野が大幅にジャンプアップ！

LPGAツアーの秋のアジアシリーズは「ビュイック上海」から「TOTO」まで４試合が開催されます。
その最終戦となるのが11月６～９日の「TOTOジャパンクラシック」で、直近の2大会は竹田麗央と稲見萌寧が優勝して、ＬＰＧＡツアーの出場資格を手にしています。
日本勢は山下美夢有、竹田、岩井姉妹、古江彩佳、勝、畑岡奈紗、馬場咲希、吉田優利がエントリーしています（これとは別に日本ツアーのポイントランキング上位選手枠もあり）。
渋野は9月末の時点でリザーブ（ウェイティング）の10番手でしたが、「ビュイック上海」開幕前には5番手へとジャンプアップしていたのです。

現時点で渋野は「TOTO」含めたアジアシリーズに出場資格がないが

アジアシリーズの出場資格は、９月11～14日に開催された「クローガ―・クイーンシティ選手権」までの今シーズンのポイントランキングに応じて与えられます。
各大会とも予選落ちがないため全体の出場人数そのものが絞られているのに加えて、主催者推薦や現地ツアーの枠（人数）も大会によって異なります。

「ＴＯＴＯ」は総出場人数が78人で、LPGAツアーの枠はアジアシリーズで最少の43人となっています。
LPGAツアーのポイントランキング104位。「クローガ―」の時点では102位だった渋野はアジアシリーズの出場資格を得ることはできず、「TOTO」はリザーブの立場。
この順番が10→５位へと上がったのです。

ところで、もうポイントの上積みはできないのに、なぜリザーブの順位が上がるという現象が起きるのでしょう？

ポイントの上積みはできないのに、なぜリザーブの順位が上がる？

これには、シーズン終盤戦。あるいは来シーズンに向けた各選手の思惑があります。
アジアシリーズが終わると、LPGAツアーは残り2試合となります。

カギとなるのは、最終戦の「CMEグループ・ツアー選手権」に出られる直近のポイントランキング上位60人まで。
または来シーズンの出場資格で、シード権ともいえる「カテゴリー１」に入れるシーズン終了時点のポイントランキング80位以内、です。

アジアシリーズには、まだ「カテゴリー１」に届いていないポイントランキング80～90位台の選手も出場（エントリー）しています。

その選手たちが優勝する。あるいは好成績を収めてポイントを稼ぎ、「ツアー選手権」の出場や来シーズンの「カテゴリー１」を確定させると、その後のアジアシリーズのエントリーを取り消すケースが多々あります。
渋野の順位が上がったのはそのためです。

特に「TOTO」に出場すると、翌週のLPGAツアーはフロリダで開催されるためタフな移動を強いられます。
今週の「BMW女子選手権」（韓国）。あるいは10月30日～11月２日の「メイバンク選手権」（マレーシア）で上記のような好成績を収めた選手は「TOTO」を回避する可能性があり、そうなれば渋野のリザーブの順位も上がり、繰り上がりでの出場もあり得るというわけです。

残りの出場試合数が“倍”になるのは大きい

現時点で渋野が出場を確定させているのは11月13～16日の「アニカ・ドリブンｂｙゲインブリッジ」のみ。
現在のポイントランキング104位では、来シーズンの出場機会を増やすにはQシリーズで上位に入ることが必要ですが、81～100位の「カテゴリー11」に入ることができれば、Qシリーズ上位よりも出場の優先順位が上位になります。

そのためのポイントを稼ぐ機会が1試合から2試合の“倍”になるのはかなり大きなこと。
さらに「TOTO」には予選落ちがないので、上だけを見てプレーすることができます。

渋野は今週（富士通レディース）と来週（NOBUTA　GROUPマスターズGCレディース）は日本女子ツアーに出場します。

「TOTO」の出場可否は“他力本願”の状況ですが、繰り上がりされた場合に備えて日本ツアーで調子を挙げておきたいところです。

（文/森伊知郎）