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金澤志奈のハイフィニッシュに学ぶ。スライスを消す“インサイド・アッパー軌道”とは?

一流プロのドライバーのマネどころ

2025/11/13 ゴルフサプリ編集部

金澤志奈

今シーズンの金澤は8月までの試合で2位が2回、3位が2回と好調をキープ、そして9月の公式戦「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」ではプロ初優勝を飾った。ドライバーでは安定したドローボールが武器。それはスライスに悩んでいるアマチュアとは真逆の軌道だ。

GOLF TODAY本誌 No.641 12~15ぺージより

アマチュアのスライサーとは真逆。低いトップからのハイフィニッシュでFWキープ率が高い安定ドローに!

  • 金澤志奈
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インサイド・アッパーでボールをつかまえる

金澤選手は手元(手首)の通り道、レッスン用語では「ハンドパス」と呼ばれる動きが理想的。典型的なドローヒッターのハンドパスになっています。トップでは手元が低い位置にあって、コンパクトな姿勢(写真03)。ダウンスイングでは手の位置を高くしながら一気に加速しています(写真05)。そしてフォローからフィニッシュにかけては手元が高い位置にあり、ハイフィニッシュになっています(写真07)。低いトップから高いフィニッシュに向かって振り上げれば、ゆるやかなインサイド・アウト軌道になるのでボールをつかまえることができます。

インパクト前後で急激にフェースターンするのではなくて、スイング全体でボールをつかまえることができるのでフェアウェイキープ率が高くなる。今シーズンの金澤選手はフェアウェイキープ率が74%(6位)と大幅に上がったことが好成績につながっています。ドローヒッターには弾道が低いタイプの選手もいますが、金澤選手のようなインサイド・アッパー軌道で打つことができれば高弾道ドローでキャリーを出すことができます。

アマチュアでスライスに悩んでいる人は、金澤選手とは真逆のハンドパスになっている可能性が高い。トップで手元が高くなっているのに、フィニッシュが低い。そういうタイプはアウトサイド・インのカット軌道になってしまうのでボールがつかまりません。金澤選手のような低いトップとハイフィニッシュをマネしてみましょう!

アーリーコックで手元の角度が安定

金澤志奈

コッキングのタイミングも早くて、ハーフウェイバックではすでにコッキングが完成していることでトップを低く抑えることができる。

手元を高くしつつヘッドを走らせる

金澤志奈

ハーフウェイダウンからインパクト、フォローと手元の位置を高くすることで、ヘッドスピードも速くなる。

しなやかに飛ばすヒミツは、頭が右に動きながらクラブを振り抜いて遠心力MAXで飛ばす

胸の開きを抑えて、腕をスピーディに振る

金澤志奈
アドレスでは上半身をリラックスさせて、ハーフウェイバックではヘッドが体から離れた位置を通ることで、スイングアークを大きくしている。
金澤志奈
金澤志奈
金澤志奈
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バックスイングでは左腕をしっかり伸ばす

最近の日本女子ツアーでは250ヤード以上飛ばすパワーヒッターも少なくありません。金澤選手も試合では250ヤード近く飛ばすティショットを打っていましたが、パワーというよりも、体全体を弓のようにしなやかなに使って飛ばすタイプ。遠心力を最大限に使って、ヘッドスピードを上げています。

遠心力を上手く使うためには金澤選手の頭の位置が参考になります。金澤選手はハーフウェイダウン(写真05)からインパクト(写真06)、そしてフォロー(写真07)にかけて、どんどん頭を右に動かしています。ハーフウェイダウンのときは頭の位置がスタンスのほぼ真ん中にありますが、フォローでは右足の上まで動いています。

頭が右に動くのに対して、ヘッドはどんどん左方向に加速していく。頭とヘッドが引っ張り合う関係になることで、遠心力を最大限に使うことができます。

ダウンスイングで遠心力を使う準備段階として、バックスイングで左腕をしっかり伸ばして遠くにクラブを上げることで、スイングアークを大きくしています(写真03)


右腕が体から少し離れている

もう一つ、しなやかに見える要素としては、胸がしっかり回転していること。トップでは胸が目標と反対方向を向くまで上半身を回しています(写真04)。そして、ダウンスイングでは胸の開きを抑えつつ、腕を走らせています。ダウンスイングでは右腕を体にピッタリとつけるのではなく、少し離しています。メリット、デメリットはあると思いますが、右腕を体から離していることによって、右腕をフォローで一直線に伸ばしやすい。金澤選手は右脇腹を縮めながら、大きなフォローを出しているタイプなので、右腕を伸ばしていくことでより大きなスイングになっています。右腕を伸ばすことで、ボールをつかまえるためのハイフィニッシュにもつながっています。

強くコンパクトに振り切れるスイングは約15年間の付き合いになる師匠・申ジエさんのスイングとも共通しています。

金澤志奈 申ジエ

金澤の初優勝で涙を流していた申ジエ。オフシーズンにはオーストラリアで合宿を組みながら、体力トレーニングやスイングの精度を高めてきた。


リリースしないで 手元の角度をキープ

金澤志奈

ダウンスイングでは手元の角度をキープして、リリースしない。ゆるやかな入射角でボールを打ちにいっている。

右ヒジを曲げたままインパクト

金澤志奈

インパクトでは右ヒジを曲げたままにして、打ち終わった瞬間に右ヒジを伸ばすことで、最大限の力をボールに伝えることができる。インパクト前に右ヒジが伸びきってしまうとボールを押せない。

ハーフウェイバックと 180度反対の姿勢

金澤志奈

腕とシャフトが真っすぐ目標方向に向いている。ハーフウェイバック(写真03)とは180度反対の姿勢で打てれば遠心力がMAXに!

金澤志奈

金澤志奈
(かなざわ・しな)/1995年7月29日生まれ。茨城県出身。8歳でゴルフをはじめて、ジュニア競技で活躍。2017年のプロテストに合格。なかなか初優勝に届かなかったが、今年9月の「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」でツアー初優勝を達成。

石井 忍

解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。

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