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渋野日向子が自身初の首位発進! 左を制する者は世界を制す!? 【「富士通レディース」初日】
日本女子ツアー「富士通レディース」初日(17日、千葉・東急セブンハンドレッドクラブ)は渋野日向子が7バーディ、1ボギーの66で回って自身初の首位発進をした。14日に福岡でパッティングのレッスンを受けた効果がさっそく出た格好。さらにボールを左手で置くルールを採用したこともプラスに作用した。(写真は2025年 富士通レディース 撮影/Getty Images)
パットの際、左手でボールを置くルーティンに
渋野は1番パー5で8メートルを沈めてバーディ発進。
軽く右に切れるラインを見事なタッチで決めました。
注目したのはこの前のシーンです。
この試合から。ということは試合ではこの日からボールを左手で置くルーティンに変更していたのです。
その理由を本人に聞いてみると「私は利き目が左なので」と説明してくれました。
人間には「利き腕」や「利き足」があるのと同様に、目にも左右どちらかが優位な「利き目」があります。
これは必ずしも「利き腕」「利き足」と同じとは限りません。
渋野は今週火曜日の14日に福岡まで出向いてパッティングを分析。手で操作しないようにして、体を使って大きな筋肉で打つ」ことが改善ポイントだと判明しました。
さらに左手でボールを置くようにすることで、利き目の左目とボールが一直線に見えるようにしました。
このことで、自分が狙うべきラインに対して正確にボールを置けるようになったとのことです。
「利き目」の左とボールを一直線に
自身の利き目が左だということは自覚していたそうですが、これまでは多くの右利きのゴルファー同様に右手でボールを置いていました。
それを左手で置くようにしたことの効果は、この日のパット数25に表れています
その中身も、1番に続いて2番も7メートルほどのバーディパットを「しっかり打てて、いい転がりをしてくれた」ことで決めただけでなく、8番は約3メートル。17番でも5メートルほどのパーパットを「不安なく打つことができた」ことにもつながっています。
予選落ちした先週の「スタンレーレディスホンダ」では2日間のパット数が31と30でした。
今シーズンのアメリカLPGAツアーでも平均パット数は29.93でランキング73位のスタッツを比べても、いかにこの日のグリーン上が冴えていたかがわかります。
唯一のボギーは3メートルのパーパットを外した18番でしたが、これは「自分の打ちたい所には打てた」ボールがカップの淵をほぼ1周して戻ってくるように外れたもの。
カップインを確信して歩き出していたほど会心の手応えだったので「悔しさというか恥ずかしさというのはあるけど、割り切ることはできたかな」というものでした。
スコアとしてはボギーでしたが、この日は18ホールを通じてミスパットというものは一度もなかったといえます。
それだけに渋野も「これをしっかり続けて行けば、いい方向に行くんじゃないかと思います」との手ごたえを感じることができたラウンドとなりました。
「左を制する者は世界を制する」は主にボクシングで使われる言葉ですが、その表現がハマるほど、左手でボールを置く新ルーティンでグリーンを“制して”いました。
初日首位での発進は自身初
2019年に国内メジャーの「ワールドレディスサロンパスカップ」でプロ初優勝。
同年には海外メジャーの「全英女子オープン」も勝って「スマイリング・シンデレラ」として一躍世界に知られるようになった渋野ですが、初日に首位となるのは初めてのこと。
首位になったのも、優勝した2021年の「樋口久子 三菱電機レディス」以来のことです。
その要因はやはり渡邉彩香と川岸史果の24に続いて3位タイだったパット数24によるところが大きいのは明らかです。
一方でフェアウェイキープ率は50%。パーオンも18ホール中11回の内容に「伸びしろはまだあるかな」とも言います。
「伸びしろはある」
たら、ればになってしまいますが、仮にもっとフェアウェイキープが出来ていて、パーオン率が上がるだけでなく、バーディチャンスも数多く作れていれば爆発的なスコアになっていた可能性も十分です。
この日30パット以上を記録したのは、ホールアウトした95人のうち54人にもなりました。
渋野が好調のパットにショットもかみ合ってくれば、圧勝ということもありそうです。
(取材・文/森伊知郎)
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