アイアンでラインを出し、UTで“OK”に付けてバーディ

渡邉彩香、高橋彩華と8アンダーの首位で並んで最終日をスタートした木村は、3番パー3では166ヤードを「6番アイアンでラインを出して」3メートルに乗せてこの日最初のバーディを奪います。

8番パー3は197ヤードを5番ユーティリティ(UT)で「OK」に付けてのバーディ。
風向きが逆になった13番パー3も178ヤードを4UTで5メートルに乗せ、軽いフックラインを決めきりました。

最終日だけで3バーディ。3日間通算では6バーディ、ノーボギーとアンダーの半分をパー3で稼いだ木村は、現在ツアーの「パー3平均スコア」で2.8917の金澤志奈に次ぐ2.9196で2位となっています。

パー3の平均スコアがツアー2位!

ツアープロともなれば、パー5ではティショットで多少のミスをしても、パーではしのぐ技術があります。
ですが、パー3ではティショットのミスは致命的にもなるので、ここで使うクラブがとても重要になってきます。

木村が「私の生命線」という2本のUTは2代前のモデルとなるピンの「G425」(ロフト22度の4番と26度の5番)。
そしてアイアンはなんと2016年モデルの「APEX」(キャロウェイ)です。

発売開始は2015年11月だったので、10年前ということになります。さすがに同じモノを使い続けているのではなく「これが3セット目です」(木村)。

さらに「実は家にはもう1セット、キープしてあるんです」と言います。
メーカーにも在庫はないモデルの入手方法はというと「ゴルフパートナー のサイトでポチりました」と一般ゴルファーと同じような手段でした。

ちなみに、さすがにシャフトは自分に合った仕様にリシャフトしています。

10年前のモデルを使う理由は

そこまでして使い続ける理由について聞いてみると「打球のスピードや、距離感。打った時のフィーリングが一番好きで、新しいのにしようと思っても替えられないんです」と説明してくれました。

今シーズンは「(フルショットではない)番手間の距離コントロール。縦距離がすごく合っているな、という感じです」(木村)。

メジャー覇者並みの精度

今大会でコンビを組んだ松村卓キャディは、山下美夢有が2年連続年間女王となった時(2022&2023年)にキャディをした経験と比較して「あの時(の山下)は距離感の精度が3ヤード単位でした。今週(の木村)も同じぐらいでした」と、8月の「AIG全英女子オープン」を制してメジャー覇者並みの正確性でプレーしていたことを教えてくれました。

パターも2015年モデルをライ角、長さ違いで5本所有

また、どんなにショットが良くてもパットが入らなければスコアになりません。

木村が使うパターはオデッセイの「メタルXミルド #2」で、こちらも10年前(2015年)モデルです。

使い始めたのは3年ほど前とのことですが「打感やサイズ感が私にはすごくマッチしています」。

そのお気に入り度がどれほどのものかというと「同じパターをライ角や長さ違いであと4本持っています」の言葉を聞くと、わかります。

このパターもアイアン同様に「ネットで普通に買いました」(木村)と、一般ゴルファーからすると実に親近感を抱かせる入手方法です。

ドライバーと3、5Wは最新の「ELYTE」

一方でドライバーは「ELYTE◆◆◆MAX」。
3番ウッド(W)が「ELYTE」で5Wは「ELYTEツアーバージョン」(いずれもキャロウェイ)と最新モデルを使っています。

「ドライバーは(開幕戦の)ダイキンの練習日で替えたんですけど、びっくりするぐらい横風に強くて、もちろん飛距離も伸びました」というのが理由。
FWも前作よりヒールを削った形状になって打ちやすくなったのがスイッチの決め手だったのだそうです。

一般のアマチュアにもありがちな、新旧が入り混ざったバッグの中身には、それぞれにちゃんとした意味がありました。

(取材・文/森伊知郎)