FWの代わりに飛ばす? アイアンの代わりに狙う?

今、なくてはならないカテゴリーのクラブとして、ユーティリティ(UT)ともハイブリッドとも呼ばれるモノがあります。キャディバッグの中にこのクラブが1~3本、入っている人が多いのではないでしょうか。ですが、中には「構えにくい」「使いにくい」と言って、入れていない人も少数います。なので改めて、進化したウッド型UTについておさらいしましょう。
ロフトは15度から30度を超えるモノまでラインナップされるようになりました。ロフトが立っているUTはFWが苦手な人が使える、距離を稼げるクラブとして。逆にロフトが寝ているUTは、ロング~ミドルアイアンの代わりになります。

外ブラUTは狙う系、和製UTは飛び系が多い

ウッド型UTの中でも、➀飛距離にクローズアップしているタイプ、➁方向性やグリーンに止めるため落下角をしっかりつけるタイプ、というように大きく分けられます。
外国メーカーのモデルは比較的、後者の方向性や落下角に対してアプローチしているタイプ(➁)が多い。
逆に、日本メーカーのモデルは比較的、前者の飛距離を稼ぎやすいタイプ(➀)が多いです。一番違うのは、挿さっているシャフトのチップ径が細めでウッドとアイアンの中間的な太さとなり、弾きをよくしているモノが多い傾向に。
自分のキャディバッグに入っているUTをどういう目的で使うかによって、そこを分けてもいいでしょう。同じメーカーのUTでも、ロフトによって入れるシャフトを替えて、弾道や打ちやすさを変化させてもいいと思います。

シャフトのチップ径によって、特性をアレンジするのもアリ

それが可能になっているのも、ハイブリッド用(UT用)のシャフトで、2種類のチップ径を用意してくれているモデルもあるから。同じブランドでチップ径を替えて使うこともできます。
加工が必要であり専門店での取り扱いにはなりますが、ロフトが立っているヘッドには細めのチップ径のシャフトを入れたり。逆に、ミドルアイアンの代わりにUTを入れるのであれば、アイアンと同じシャフトを入れてもいいでしょう。
ロフトが15度から30度台まであるということは、20度ぶんくらい開きがあるということ。それらのロフトをどういう使い方をするのかって考えていくと、進化したUTというクラブを自分のモノにしやすくなります。

女子ツアーとPGAツアーで“逆転現象”が起こった

面白い傾向として、日本の女子ツアーでは、ロフトが立ったUTを入れる傾向が強くなってきました。“ロングアイアンの代わり”と言っていいでしょう。これは長いパー3ホールが増えたので、そこのティショットを打ちやすくするためのクラブです。
逆に、PGAツアーでは、7Wとか9Wっていうショートウッドを入れる選手も増えてます。これは球の高さとスピン量をしっかり出すことで、弾道をコントロールしやすいということでしょう。
一般的に抱かれているイメージとは逆じゃありませんか? こういう興味深い逆転現象が起こっていることからも分かるように、どういう弾道でどのくらいの距離を打ちたいかによって選ぶクラブが変わるので「UT」ってひと括りにしないで考えてほしいんです。

UTのロフトピッチは5度くらいがちょうどいい?

UTの番手間のロフトピッチってだいたい、同じモデルだと3度になっているもの。3度の違いだと、同じスピードと同じ打点で正確に打って、飛距離の差が10ヤード前後になります。ドライバーのHSが40m/s前後の人が打ったときに。それによって、ロフトが立ったほうと立っていないほうで、ミスショットをしたり上手く打ったりして「ロフトが寝てるほうが飛ぶ」っていうことが起こるのも事実です。
このレンジでは番手間のロフトピッチが、できたら5度くらいあったほうが距離の差がハッキリと出るのでは。果たして、アイアンみたいに10ヤードピッチが必要なのかどうか? ということも考えるといいと思います。
例えば「3U→4U」と入れるのではなくて「3U→5U」と入れたほうがいいとか。そうでなければ「3U→4U」と入れたら、調角ができるモデルならば、どちらかのロフトを“立てる・寝かせる”というふうにいじって、番手間のロフトピッチを少し多くするとか。そういうアレンジをしてみると、UTがより使いやすくなると思いますよ。

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。