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アダム・スコット がジュニアイベントを開催 アマチュアゴルファーにも役立つ金言は?
「Future Golfers Seminar 2025 with Adam Scott」
2013年の「マスターズ」制覇を始めアメリカPGAツアー通算14勝のアダム・スコットが22日、千葉市内でグローバルアンバサダーを務めるユニクロ主催のジュニアイベント「Future Golfers Seminar 2025 with Adam Scott」に参加した。イベントでは31人のジュニア全員にマンツーマンで熱血指導。その中身は一般アマチュアにも役立つ“金言”に満ちていた。
31人のジュニア全員にマンツーマンで熱血指導!
この日は生憎の雨となり、屋外で予定されていたバンカーショットやパッティングのクリニックは中止に。
代わりにレンジでのレッスン会となりましたが、これがスコットの人柄が出る、実に熱いものでした。
当初レンジで設定されていたクリニックの時間は約40分。それが、ひとりひとりのスイングを見て、悩みや改善したいことを聞いて、それにアドバイスを送ることを全員に対して行ったため実に2時間近くになりました。
その中から“金言”をご紹介しましょう。
ラウンド前のウォーミングアップで意識しているのは?
ジュニアたちに花道を作って出迎えられたスコットはまず打席でデモンストレーションを披露しました。
最初に手にしたのはロフト54度のウェッジとアライメントスティックです。
スティックを足元に置くと、それに沿ってスタンスをとって練習を開始。
「最初はいつもこうしている。ウォーミングアップであっても基礎はとても大事。これは自分に重要な習慣なんだ」。
どんなにいいショットを打っても、それが正しい方向に向かっていなければスコアにはつながりません。プロといえども、ターゲットに対して正確にアドレスができていないことはあります。そのズレがあった場合に、練習の最初で「正しい向き」の感覚をつかんでおくということです。
そして、次の言葉が最も重要かもしれません。
「自分にとってはプラクティス(練習)とウォーミングアップは違うもの。ウォーミングアップはその日のプレーの準備をするためのもの。フィーリングやスイングのリズム。今日の自分の身体はどうなのかを確認しながら、気持ち良くプレーできるようにする。技術的なことにはこだわらない」。
皆さんのスタート前の練習はいかがでしょう?
久しぶりに握ったドライバーでナイスショットを打つことに血眼になり、上手くいかないと向きになって振り回す。というようなものになっていないでしょうか……。
スコットが言うように、トッププロでもその日の体調や天候、気温などによってパフォーマンスが違ってきます。
飛ぶのか、飛ばないのか。ボールはつかまりぎみか、逆なのか。
そういったことを把握した上で、コースに対してどうマネジメントするかを決めるのがウォーミングアップの目的だというわけです。
ジュニアへは、あえて明確な回答をしないことも
ドライバーまでひと通り打ち、ジュニアのリクエストに応えて強烈な“スティンガー”なども披露した後は、お待ちかねのレッスンです。
「フックが強くなりすぎることがある」と相談されると「トップで少し“待つ”イメージを持つといい。体が動くとヘッドが返ってしまうから、静かな感じ、で。あとはダウンスイングでも右足をフラット(ベタ足)にキープするようにしたら」とアドバイス。
するとさっそく強い球のドローが打てるようになっていました。
一方でツアー出場経験もある仁科優花との会話で「ロングパットが苦手」と言われると「自分に合った練習法を発見するのがいい。そうすればスコアアップにつながるから」とあえて具体的な方策を示しませんでした。
これには仁科も「自分で考えられるようなアドバイスをいただいたことが新鮮でした」と、目から鱗、といった様子でした。
他にも、具体的なアドバイスをすることもあれば「打つまでの時間が常に同じになるように、ルーティンを確立させて。そうすれば結果も良くなるから」と、全て「手取り足取り」ではあく、ジュニア自身に考えさせるようにしているのが印象的でした。
技術的な回答をするのではなく
世界各地で同様のイベントをしているスコットは、やはり技術面での質問をされることが多いそうです。
それに対する答えは「スイングのこと。どう直すかというのだけでなく、ゴルフ自体を楽しみながら、コースをどうプレーするのか考えるのが大事だよ、と言うようにしています」なのだそうです。
スコットが言うように、ゴルフの目的はコースでいかにいいプレー(できればスコアも……)をするかということ。
ともすれば、綺麗なスイングでナイスショットをすることにばかり気を取られている私たちに“気づき”を与えてくれる、素敵な時間でした。
(取材・文・写真/森伊知郎)
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