飛距離はほぼ同じ!? それでも7Wのほうが“平均飛距離”で勝る理由
7番ウッド(以下7W)とユーティリティ(以下UT)のはざまで、どちらを入れたらいいか迷っている人が多いと聞きました。そこで今回は、ロフト21度の7Wと同19度のUTを比較し、どちらが飛ぶのか? どちらを入れたらいいのか? を探ります。メーカーによって当該ロフトがない場合は、その前後のロフトで考えてください。また、UTはカーボンシャフトの前提で話を進めます。
まず7Wですが、フェアウェイウッド(以下FW)の中では短い番手のイメージ。今は9番もありますが、あまり一般的ではないし、3番ウッドを入れている人は3、5、7Wという流れになることが多いと思います。特徴としてはシャフトが最も短く、ロフトが最も寝ています。シャフトが短いとボールに当てやすくなりますから芯を喰いやすい。また、ロフトが多いと打球が上がりやすい。打ち出しが高く、スピン量も多めなのでグリーンに止まりやすい球が打てます。
使える状況を見ても、フェアウェイはもちろん、ティショットもイケます。浅いラフや緩い傾斜からのショットも打てますが、これらはある程度パワーがあったり、スイングが安定していないとショットにバラつきが出るので、誰でも打てるというわけにはいかないと思います。とはいえ地面にあるボールを打つことにおいてはピカイチでアマチュアの方にとっても使い勝手がいい。総じて楽で打ちやすいので、私は「安心、確実なクラブ」と呼んでいます。
次にロフト19度のUTですが、ロフトが10度台になるとUTはいきなり難しくなります。例えば16、19、22、25度と3度ピッチで比べると19度と22度との間が境目になりますが、この境目は大きくて、同じ3度違いでも22度と25度の間とは比べものになりません。なぜ難しいかというとフェースの芯が小さいためミート率が下がるのと、ロフトが少なく打球が上がりづらいことが挙げられます。フェアウェイから打つ場合でもパワーが必要になるのです。
7Wと19度のUT、どちらが飛ぶかといえば、ナイスショットした場合ならほぼ同じ。ロフトだけ見ると19度の方が飛ぶように思えるかもしれませんが、7WとUTでは7Wの方が1.5~1.75インチほどシャフトが長い。そのためヘッドスピードが上がってロフトの分が相殺されます。ロフトだけで飛距離を判断してはいけないということですね。
では、どちらがいいのか? 私は圧倒的に7Wがいいと思うし、アマチュアゴルファーにもおすすめします。理由は2つあります。1つはヘッドの大きさ。7Wの方が20~30ccほど大きく芯に当たりやすいので確実にミート率が上がります。もう1つはヘッドの重心位置が深いから。これもヘッドが大きいからですが、UTに比べるとフェース面から遠い位置に重心があるため、はるかに打球が上がりやすい。シャフトも長いので高弾道になりグリーンに止まりやすいのです。7Wの対象距離は170~200ヤード前後になると思いますが、これは長めのパー4で残りやすい距離です。UTよりランが出づらい7Wの方が積極的にグリーンを狙えるクラブと言えるでしょう。
前述したように、毎度ハイレベルな良いショットが打てる人なら7WもUTもそれほど差はありません。でも、そうでない人は間違いなく7Wの方が平均飛距離はアップします。7Wの方がミスの許容範囲が広いので結果的に飛距離が出るのです。
ついでに7Wを採用した場合の番手構成について記しておくと、その下には22度、もしくは23度のUTを入れることおすすめします。仮に7Wの飛距離が180ヤードだとすると-10ヤードで170ヤード打つ想定。ロフトは1~2度しか変わりませんが、シャフトの長さとヘッドの特性で10ヤードのギャップを作ることができます。7Wのロフトが21度でなくても、そこに1~2度プラスしたロフトのUTを入れれば問題ありません。
吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。




