クラブを買う際には、いろいろと期待をされてご購入をされると思います。
特に新製品を手にする際は、そのワクワク感は大きいですよね!

このクラブを使えば、今までとは違ったゴルフができるのでは!ということでご購入に至ることでしょう。おそらく、そういう場合のクラブを選ぶ際には、他社の同様の製品と悩んだりすることも多いのではないでしょうか?

いくつかのクラブを試打したり、カタログを読んだり、店員さんに聞いたり、フィッティングに行ったりといろいろな情報を総括して、クラブ購入に至るかと思います。その際に、このクラブなら自分の求めている改善できるかもしれない!ということで決断すると思うのですが、実際にはクラブ変更にはメリットばかりではなく、いろいろなデメリットもあるというお話をさせていただきたいと思います。

そういった両面をしっかり理解した上でで、しっかりと判断していただき、クラブを的確に選んでいただければと思います。

今回はそれをクラブごとに考えてみましょう。

1.ドライバー

おそらくドライバーを変えたい最も多い理由は「飛距離アップ」でしょう。もちろん、様々な機能革新により、毎年、皆さんのニーズに応えるべく、メーカー側もいろいろな趣向を凝らした製品を出してきますので、どの商品も魅力的に見えます。それらをそのメーカーの伝えたいメッセージ通りに捉えて選ぶことも良いと思います。

以前からこちらでお伝えしていますように、ドライバーを単体で選ぼうとすると、どうしても、軽さや長さなどを中心に選ぶことになり、なるべくヘッドスピードが上がるようなクラブを選びがちです。もちろん、そのクラブでシッカリ当たれば結果的には飛距離アップにつながりますから、皆さんはそれを期待してクラブを購入されることでしょう。

もしくは、アマチュアの永遠の悩みである、スライスしないようなセッティングを選ぶことにより、曲がらない球になり飛距離アップにつながるということもあるでしょう。
ご自身の悩みの度合いにより、その選択肢はいろいろと広がっていくと思われます。

ただし、ここで注意しなくてはいけないのは、軽くなったことによるデメリットです
総重量が軽い=即振りやすさにつながらないことがある、ということになります。以前にもお伝えしましたが、ここに長さの問題だったり、ヘッド重量の問題だったりが出てきます。

持った時にすごく軽いモデルが、実は振った時に重く感じてしまい、振り遅れの要因になるということがあります。
特に昨今の長尺ドライバー(45インチ以上)のドライバーは、シャフトが軽くなって、しなるものほど、振り遅れの要素を含んでいると考えて欲しいです。

実は、例えシャフトが軽くても、長くなればなるほど、振り切るのに力が必要だったり、タイミングを取るというテクニック的な要素も求められたりします。特にドライバーは飛ばしたい欲求がありますから、早く振りたいということから、より振り遅れてしまうということが起きやすいです

また、この連載でも繰り返し述べさせていただいているように『つながり』を作りにくくなります。

ドライバーを軽くすると、アイアンも軽くしていく方向になり、さらに、ウェッジなども軽くしていくことになります。それ自体は悪くなさそうに見えますが、アイアンやウェッジなどは軽くすると上記しましたようにドライバーと同様に振り切るには力が必要だったり、タイミングを取る必要が出て来たり、アイアン本来のコントロールすることには向いていないと言えるでしょう。

ドライバーは一発の飛距離も魅力的ですが、安定して打てるスペックを目指してください。そして、アイアンや今お持ちの他のクラブとのつながりを重要視していただき、デメリットをなるべくなくすような選択を目指してみてください。

また、スライス防止のクラブを手にすることのデメリットもあります。
一見すると、真っすぐ飛ぶようになって良いのでは? と思うのですが、実際には根本的な打ち方自体が改善されていないので、スライス軌道の人がまっすぐ飛ぶクラブ=実は左に飛びやすいクラブとなりますので、慣れてくると、スライスが真っすぐになるのを越えて、左にフックするようになります。

これをまた使い続けると、今度はその左に行かないようにとスライスが出始める、ということで、元の木阿弥になりやすいです。その上、もっと言ってしまうと、前よりもそのスライスのスイングは助長されている場合が多いと考えています。
なので、自分が振っているスイングで、スイング通りの球筋にならないクラブを使うと考う言うことが起こると認識していただけると嬉しいです。

2.アイアン

アイアンを変える理由はあいまいな方が多い印象です。
例えば、古くなったからということが多いでしょうか? もしくははっきりとした理由の一つに、ドライバー同様に7番アイアンですが、飛距離が飛ばなくなったりしたからなどがあるでしょうか。

この辺りは、気を付けないと、やはりメリットもありますがデメリットが大きいです。
特にアイアンの飛距離を気にして、ロフトが立っているモデルに替えていくのは気を付けましょう
もちろん、距離が延びることによって短い番手を使うことができゴルフが楽になると考えることも良いでしょう。番手を変えなくても良いというメリットの一方、その影響で下の番手にしわ寄せが来ます。

ウェッジはフルショットをしないですし、PWのロフトに合わせて、アプローチウェッジやサンドウェッジのロフトも立てて行かないと合わないという状況になりえます。そこにかなりの落とし穴があったりします。

ウェッジの場合、フルショットだけではなく、コントロールショットもしますから、その際にたとえ2度のロフト差でも距離感が大きく変わってしまいます。今までちゃんと打てていた人ほど、このウェッジのロフトを変えることによるデメリットは大きいです。

特に例えば、56度と58度では大きく違い、ある意味、全く違うクラブになると言っても言い過ぎではないでしょう。
それに慣れればいいんでしょう? ということなんですが、一般のアマチュアの場合、アプローチの練習にそこまで時間が取れなかったり、環境がなかったりすると、いつまで経ってもウェッジを使いこなせなくなってしまいます。

つまり、アイアンのロフトを変えることによって肝心なスコアメイクの要のウェッジの調子が悪くなるという、最大のデメリットが出るかもしれない、と認識していただけると嬉しいです。できれば、アイアンのロフト角セッティングはウェッジのロフトセッティングがなるべく変わらない範囲にすることをオススメいたします。

3.ウェッジ

ウェッジのロフトセッティングはアイアンのところで述べましたので、ここではグラインド(ソール形状)のお話にさせていただきます。

いろんなショットを打たなければならないウェッジの場合、何か特定のショットが打てなくて、グラインド(ソール形状)を変えていく方が多いでしょう。特にバンカーが苦手なので、バウンスの大きなものに変えていくということは結構ありますね!

もちろん、これはデメリットが少ないケースですが、このグラインドを変えることで打てるショットが増える場合と、減ってしまう場合があるので、気をつけましょう。

先ほどのパターンで、アイアンのロフト角を変えて行ったり、上の番手(UTなど)が増えていったことによってウェッジを減らしたりする場合で、よくあるのが、例えば、56度が一番下のロフトになったから、開いたりしやすいローバウンス系に変更することによって、今まではうまく打てていたバンカーが出なくなってしまった、ということが起こったりします。

グラインド(ソール形状)はその人の使い勝手で使いやすいものを選ぶものですから、その慣れてきたソール形状を変えていくというのは、かなりリスクだと考えて欲しいです。
バウンスの当たり方や、開いた時のソールの抜け感など、慣れたグラインド(ソール形状)だからこそできたことが、違う形状になったとたんにできなくなりやすいです。

ウェッジの場合、ロフトとソール形状が最も重要というのはそういう意味で、他のクラブを替えたことによって、それを変えなくてはいけない状況にならないことをオススメいたします。

4.パター

パターの場合、結構コロコロ変える人が多いですよね! 1本なので、変えることによる敷居が低いクラブの一つでしょう。

そして、新車効果というか、結果がすぐに出るのもパターと言えます。
ですが、ここでもメリット・デメリットが大きいクラブですので、気をつけて欲しいですが、そのメリット・デメリットをうまく行かせれば、パターは長く調子を継続できるクラブでもあります。

以前書かせていただいたように、パターは3種類くらいの形状を持っていることをオススメしています。じつは、この使い回しが一番効果的だと考えています。

例えば、次の3種類などはオススメです。
●L字
●センターシャフト(ストレートシャフト)
●ピン型もしくはダブルベンドシャフトパター

この理由は、オフセット量だったり、ストロークの傾向だったりします。

例えば、L字はどちらかというとストロークの開閉がしやすく、特徴としてはロングパットの距離感が出しやすいでしょう。しかしながら、距離の短いパットで一度調子を崩すと左右にばらけやすかったりします。

続いて、Lセンターシャフト(ストレートシャフト)は、打点を安定させやすかったり、オフセットがないモデルが多いので、振り遅れ感が減ったりするLことがメリットですが、打点が安定しないような調子になってしまうと今度は逆にぶれが大きくなりやすく、L字の時と同様に、左右のバラつきが増えて行ってしまいます。

その次のピン型は、まずはオフセットが大きいものが多いですから、コントロールできる人にとってはつかまりが良いパターとなり、逆に振り遅れ気味の人にとってはつかまりが悪いパターとなります。メリット・デメリットというよりは、合う合わないが大きいパターともいえるかもしれませんね。

あとは、例えば、ダブルベンドシャフトのパター(フェースバランス)などは、オフセットの具合にもよりますが、ストレートtoストレートに打ちやすく感じる方も多いでしょうが、一方でそれをやりすぎるとつかまらなくなってくる現象も出ると思います。
(フォローがアウトサイドに膨らみやすくなりプッシュになる)

これらを理解した上で、ご自身の調子に合わせて、ローテーションするのが良いでしょう。
例えば、最近ピン型を使っていてプッシュが多く、それを嫌がって引っ掛けが多いな~と感じてきたら、打点を安定させて、かつ振り遅れが出にくいオフセットの少ないセンターシャフト(ストレートシャフト)にしていき、そのストレートシャフトだと今一つタイミングが合わなくて、打ち出しが左右にぶれだすようになってきたら、L字にしていき出球を自身でコントロールしていく、そのL字だと、今度はアークがきつくなりすぎて、出来ていた出球のコントロールがしにくくなってきたら、ピン型、もしくはダブルベンドシャフトシャフト(フェースバランスパター)でアークが小さくなるようなストレートtoストレートのストロークを目指してみる。
というようルーティンにしていくと、結果の良し悪しがそろいやすくなります。

5.FW・UT

FWやUTは特定の打ちたい距離や球筋で決めていくものですから、新しく入れて行ったとしても、比較的デメリットが少ないクラブだと考えています。ですが、ドライバーやアイアンなどのクラブのスペックが変わった際に、これらのクラブが急に打てなくなったりします。つまりは、そのつながりが悪くなるということになりますね。

FWやUTを変えたことによって他のクラブとのつながりが悪くなることももちろんありますので、それがデメリットと言いうことになります。
なので、特定の距離や球筋が打ちやすいからという理由で、単純にロフト角のみの選択で選ぶと他のクラブとのつながりが悪くなることがあるので注意しましょう。しっかりと他のクラブとの流れを重視して、変えていくのが良いです。

願わくは、ロフトを変えることになったとしても、調子のよかった時のシャフトは変えない方が良いでしょう。


ということで、クラブを替えていくことによって得られる効果を期待することは良いのですが、クラブを替えることによるデメリットも同時に認識している必要があるとご理解いただけますと嬉しいです。

なかなか自分では見つけにくい場合は、やはり、そういったことをきちんと理解しているフィッターを探して、相談していただくのが良いでしょう。

ご参考になれば幸いです。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。