「UPPARウェッジ」を使うとアプローチが上手くなるって本当? ダグ三瓶が手掛けた"純国産”ウェッジの性能を編集部員がコースで体験
”バウンスの使い方を教えてくれる” 用途に適した専用設計「A・S・L」をラインナップ
ゴルフサプリの連載でもお馴染みの、ダグ三瓶氏が、これまでの経験とスキルを生かし、日本のゴルファーのためのウェッジ、「UPPAR(アッパー)ウェッジ」を開発。100ヤード以内のショートゲームを完璧にカバーするという。要注目のウェッジはどんなものなのか? 開発者本人への取材と、編集部員の試打で紹介する。
撮影協力/カレドニアン・ゴルフクラブ
日本のゴルファーのための純国産ウェッジ「UPPAR」
三瓶氏が開発したウェッジの名称は「UPPARウェッジ」。パー(PAR)以上を目指すゴルファーのためのアッパー(UPPER)クラスのウェッジという想いを込めてUPPARという綴りとなっている。
ダグ三瓶/ブリヂストンとタイトリストでプロ担当として30年以上もの間、フィッティングやクラブ製造の現場を担当。ゴルフ業界では、世界を代表するウェッジデザイナー「ボブ・ボーケイ氏」の愛弟子としても知られている。2024年独立後は、アマチュアゴルファーのフィッティングやYouTubeでのギアに関する発信など、ゴルフに熱心なアマチュアに向けた活動を行っている。
「UPPARウェッジ」には、3タイプがラインナップされているが、ロフト表示ではなくA、S、Lとしているところにも三瓶氏の想いとこだわりが込められているという。
三瓶 「UPPARウェッジ」はウェッジに求められる機能を追求しながら、多くのゴルファーがアプローチをよりやさしく打てるようなウェッジを目指しました。アプローチで必要な球筋は「ランニング」と「ピッチエンドラン」そして「ピッチショット」の3つがあるわけですから、ランニング用のAWは52度、ピッチエンドラン&バンカー用のSWは56度、ピッチショット用のLWは60度と、それぞれの用途に最適なロフトに設定して、その上で用途が分かりやすいようにA、S、Lとしました。
ランニングならAW、ピッチエンドランならSW、ピッチショットならLWと、アプローチをする時に「何度にしようか」ではなく「ランニング」か「ピッチエンドラン」か、どちらにするのかを決めれば、3タイプの中から使う番手が自動的に決まるようになっているということだ。
さらに、「UPPARウェッジ」はAW、SW、LWでフェースやソール形状、ヘッドサイズ、バウンス角、ソール幅などなど、「ランニング」「ピッチエンドラン」「ピッチショット」に最適な設計がなされている。
アプローチショットの基本である3つの球筋に最適化する「UPPARウェッジ」の設計理念に基づき、クラブの仕様までも日本人に最適化されている。
従来のウェッジは欧米人に最適化された仕様だった
三瓶 多くのアマチュアゴルファーのウェッジフィッティングをさせていただいた中で気が付いたのですが、市販のウェッジの多くは、欧米人の身長や筋力にマッチしたスペックになっています。アスリートであればそのままのスペックで使えますが、多くの日本人のアマチュアゴルファーにとってはヘッド重量が重すぎる、長すぎる仕様になっています。これが原因でミスを招いている人は少なくありません。
「UPPARウェッジ」のヘッド重量は、これまでのウェッジと比べて15g前後軽く、長さは短めに設定。ヘッドが静止したアドレスの状態から、テークバックの始動時にスムーズにヘッドを動かしやすく、軸のブレや上下動等の余計な動きが無くなり、ダフリやトップのミスが出にくくなるということだ。しかも、シャフトは重めの仕様とすることで、振り心地の違和感は軽減している。
三瓶 日本人のためのウェッジですから、ヘッド、シャフト、グリップのすべてを国産にこだわっています。日本人好みのソフトな打感が得られるように、ヘッド素材には軟鉄の中でも炭素含有量が低いS20Cを使用し、ヘッドの製法も鍛造+削り出しという凝った手法を採用しています。
「UPPARウェッジ」、3タイプの形状やバウンスの違いをもう少し、詳しく紹介してもらおう。
三瓶 AWはアイアンに近い形状で、スクエアに構えやすいストレートなリーディングエッジとフェースの輪郭をハッキリと出した和顔。フルショットしやすいソール形状でやや低重心にして、フルショットでは球が上がりやすく、アプローチでは球足を使いやすくしています。
SWはバンカーショットとピッチエンドランの使いやすさを考えて、やや広めでラウンドを付けたソール形状と大きめのバウンス角でバウンスの効果を感じやすくしています。サイズもやや大きめにするためにキャビティバックにしています。丸形のヘッド形状と少しだけ丸みをつけたリーディングエッジで、スクエアにもフェースを開いても構えやすくしています。
LWはフェースを開きやすくするためにフェースの輪郭を強調しない洋顔。丸みのあるリーディングエッジでオフセットは少なく設定。開きやすくするためのソールグラインドにしています。3タイプともにヘッドの抜けをよくするために、バウンス角を最適化しています。また、3タイプともに、ライ角を少しフラットに設定して、バウンスの効果を得やすくしています。
「UPPARウェッジ」 3タイプをコースで試打
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