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オデッセイ「Square 2 Square TRI-HOTパター」徹底解説! ゼロトルクがついに完成形へ!

2025/11/10 ゴルフサプリ編集部

Square 2 Square TRI-HOTパター

今、一番ホットなパターといえばゼロトルク。さまざまなモデルが出ているが、その特性を最大限に生かすためハンドファーストで構えなければならず、それゆえ構えにくいと感じるゴルファーは少なくない。この違和感を取り除き、さらなる性能アップを図ったのがオデッセイの「Square 2 Square TRI-HOTパター」。ヘッド素材の配置やフェース構造など、いたるところに新機軸を盛り込んだプレミアムなゼロトルクだという。それでは! ということでゴルフサプリではお馴染みの試打職人・石井良介にテストを依頼。新製品の実力を解析した。

ゼロトルクを上回る! 扱いやすさが進化したセンターシャフト

Square 2 Square TRI-HOTパター

Square 2 Square TRI-HOTパター」について聞く前に、そもそもゼロトルクってなに? という人もまだ多いと思うので、まずはそこを簡潔に教えてもらおう。

「世の中にはフェースバランスやトゥハングなどと呼ばれる、ストローク中にトゥが落ちてフェースが開いていく構造のパターが数多く存在します。パターを手に乗せて“やじろべえ”のようにバランスをとった時にフェースが真上を向くパターですが、これとは別に時々フェースが左を向くパターが出現します」

Square 2 Square TRI-HOT

「かつてのオデッセイで言えばトゥアップパターやバックストライクパターですが、いずれにせよこれらはパターの特性です。ゼロトルクも同じでパターの特性なのですが、ちょっと特殊なものと捉えられています。なぜかといえば容易く扱えない一面があるから。ヘッドに対して斜め(ハンドファースト方向)にシャフトが入っているため、多くの人は構えづらいのです。
その欠点を払拭して次世代に突入したのが『Square 2 Square TRI-HOTパター』で、シャフトが真っすぐに入っています。それで何が起こったかというと、シンプルにセンターシャフトのパターになりました。形状的にも視覚的にも構えづらさがなくなったので、普通のセンターシャフトパターと同様に扱えます。構えづらさがなくなり普通にストロークできるゼロトルクになりました」


「Square 2 Square TRI-HOTパター」を見ると、これまでのゼロトルクとは違ってシャフトがフェース面に近い位置に装着されている。飛球線方向への傾きがなくなったことで構えやすくなったのは明白。石井の言うように、パッと見は何の変哲もないセンターシャフトのパターだ。では、我々が享受できるメリットとは如何なることなのか?

Square 2 Square TRI-HOT

「フェースが目標方向を向く特性に加え、これまでのセンターシャフトのデメリットもカバーしています。センターシャフトはフェース面のセンターに向かってシャフトが刺さっていますが、最大のメリットはパターを持つ位置の延長線上でボールが打てるところ。バットやテニスのラケットと同じで、当てるべきところが持ち手の延長上にある道具は扱いやすいのです。ただ、パターの場合はトゥ側やヒール側に打点がズレた時にヘッドが回転しやすいという弱点があります。Square 2 Square TRI-HOTパターはトライホットのテクノロジーとゼロトルクの合わせ技で、このデメリットを解消したセンターシャフトになっています。トライホットの名が付いている以上、前作のトライホットのポテンシャルは継承しています。浅重心構造はその重要なファクターですが、ソールを見るとどのモデルにも大きな窪みがあります。これは紛れもなく浅重心の証。ヘッドを大型化することなく成立していることからも、構造面で目標方向を向き続ける特性が強いことが窺い知れます」

Square 2 Square TRI-HOT

つまるところ「Square 2 Square TRI-HOTパター」の浅重心構造がシャフトを傾ける必要がなくなった最大の理由。
ヘッド後方の赤い部分はアルミ、ホーゼル装着部の黒いところはステンレス、インサートの周囲やソール前方のグレー部分にはタングステンを配置。さらにアルミのソール側に大きな窪みを設けて重量を減らしている。これよりヘッドの約80%の重さがフェース側に集中、極限まで浅重心化が進んだことで、シャフトをよりフェースの近くに装着することができたというわけだ。

打った瞬間からボールがきれいに転がってなかなか減速しない

Square 2 Square TRI-HOT

AI設計による独自のインサートも進化しているという。同じAI設計でもAi-ONE・インサートやAi-ONEチタン・インサートとは異なり素材はウレタン樹脂のみ。表面には軟らかい、内側には硬い樹脂を用い、これらを不均一で複雑な曲面で貼り合わせた「Ai-DUAL・インサート」という2層構造だ。また、フェースの溝にはフェース面に対して19度の溝を付けた独特の形状をもつNew F.R.D.(Forward Roll Design)グルーブを新たに採用した。これらのテクノロジーがより低減しにくいボールスピードを演出、オフセンターヒットしても安定して順回転が加わる。ちなみにこのインサートは15000回のシミュレーションと72種類のプロトタイプ制作を経て誕生している。

Square 2 Square TRI-HOT

「ボールの順回転はハッキリと実感できます。パターでボールを打つとインパクト→スキット→ロール、というプロセスで転がりますが、スキット段階での順回転の入り方が向上しています。フェースは前作のAi-ONEの進化バージョンだと思いますが、一番の特徴はフェース表面にある細かなツメが下向きに刻まれていること。オデッセイではマイクロヒンジインサートというテクノロジーを採用していましたが、おそらくそれとAi-ONEのテクノロジーをジョイントさせているのでしょう。いきなり順回転になる感じなので、打った瞬間からボールがスーッときれいに転がってなかなか減速しません。転がりがいいとはこのことだと感じますね」

Square 2 Square TRI-HOT

「打感については前作のAi-ONE、特にフェースインサートがウレタン樹脂のモデルはアルミボディにフェース面が乗っているので、打った時に“ツン”という弾き感がありました。それに比べると今作はウレタンが2層になっているということで奥深い打感。軟らかいだけでなくモッチリ感もあって、美味しいお餅を食べているみたい。ホワイトホットを上質にした感じで、軟らかさの中にもしっかり感があってとても心地いいです。グリップにも特徴があります。太いですがピストルグリップで断面は五角形のホームベース型。これが持ってみると手に馴染んで収まりがいい。グリップだけほしいくらいに改良されています」

センターシャフトのスタンダードにもなる得るモデル

「赤X黒のツートンカラーですが、高級感のある赤のインパクトはメーカーの戦略的な狙いもあると思います。今回は特徴的なヘッド形状の3モデルがラインナップされましたが、目標に対してタテ線があった方が構えやすい人にはJAILBIRD、ヨコ線なら#7、線は必要なくファジーに構えたい人はROSSIE、というのが3つに絞った理由ではないかと考えます。あとはコツンとぶつけたい人はROSSIEが合うと思うし、ヘッドを水平移動させるイメージならJAILBIRDというように、持ち方、打ち方によって適正モデルが変わるでしょう。アドレスした時に見えるトンボのようなアライメントラインも特徴的ですが、これがすごく見やすくてフェースを目標に向けやすいです。僕はこういったラインを欲しないタイプですが、これはボールにも合わせやすくターゲットにも向けやすいと感じました」

Square 2 Square TRI-HOT ROSSIE

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Square 2 Square TRI-HOT #7

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Square 2 Square TRI-HOT JAILBIRD

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3モデルとも装着されているのはSTROKE LABシャフトで、長さは34インチの1種類。重量は120グラム台で、従来モデルよりスイングウェイトを上げてストロークの安定化を図っている。カラーをブラックで仕上げたのはツアープレーヤーからの要望を反映したものだ。

“真っすぐ引いて、真っすぐ出す”を極めたい人へ。「S2S TRI-HOTは新時代のセンターシャフト」

「Square 2 Square TRI-HOTパターはトータル的に特徴がハッキリした意欲作だと思います。センターシャフトに興味がある人はもちろん、ゼロトルクを扱いづらいと感じた人も再度試してみることをおすすめします。基本的にはオートマチック感が強いパター。シャフトを真っすぐ動かせば打ちたい方向にフェース面が向く構造なので、フェース面を意識するよりシャフトを真っすぐ動かす意識でストロークした方がポテンシャルを生かせるでしょう。裏を返すと自分でフェース面をどうこうしたい人には向かないかもしれません。“ヘッドを真っすぐ引いて、真っすぐ出す”みたいなストロークを是とする人にはいいと思いますね。Square 2 Square TRI-HOTパターが果たして完成形なのかチャレンジングなモデルと評価されるのかは今後の動向次第ですが、いずれにしても楽しみです。僕の勝手なイメージではセンターシャフトを愛用するプロは繊細で天才肌の人が多い感じですが、繊細な感覚と最新テクノロジーがどう融合していくのかにも興味があります。プロのリアクションにも注目したいですが、センターシャフトのスタンダードになる得るモデルだと思います」

センターシャフトとゼロトルク、双方にあったデメリットを消し、フェース面を確実に進化させた完成度の高いセンターシャフトが「Square 2 Square TRI-HOTパター」。オデッセイがパターの進化の過程で取り入れてきたものが集大成ともいえそうだ。なお、今回はクルーザーモデルとしてツアーでも人気のJAILBIRDモデルもラインアップしている。シャフトはSTROKE LABシャフトで重量は140グラム台、長さは38インチとなる。

試打解説:石井良介(いしい・りょうすけ)。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。

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