「顔が地面に埋まるほどキツかった」が一転して圧巻のバーディーラッシュ
50位タイまでのカットラインを3打下回る位置からスタートした渋野は、前半は1バーディのみ。
通算1オーバーから臨むことになった後半は「(その時点のカットライン)1アンダーじゃ通らないから3つ伸ばして2アンダーをめざす」との意気込みでした。
その言葉通りに1番パー5では3打差を1.5メートルのバーディチャンスに付けます
ところがこれを外して「顔が地面に埋まるんじゃないか、と思うぐらいキツかった」心境に追い込まれます。
2、3番もバーディパットがわずかに入らない惜しいパットが続き「今までだったら、パットが入らなくなったらショットも悪くなる流れがすごく多かった」(渋野)だけに、嫌な雰囲気になりかけます。
それがこの日は「今年初めて切り替えられた」と踏みとどまります。
そして5番から一転して“ゾーン”に入りました。
テレビや配信には映らなかった“シブコ劇場”
5番パー4の2打目は、それまでとはインパクトの音が違って聞こえるほどのナイスショットで2メートルほどに乗せます。
これを決めると「ゾーンに入っていたというか、いい集中力だった」と本人が振り返る“シブコ劇場”の始まりです。
6~8番にかけて3メートルほどのバーディチャンスをすべてゲット。
いずれもベタピン、というまでは近くなく、微妙に切れるラインだったので、すべて決めたのはまさに“ゾーン”に入ったプレーでした。
初日に成績順でペアリングが決まる2日目に、渋野は10番からスタートする「裏街道」。
さらに前半を終えた時点で本人が「(予選通過は)無理だな」と思ったほどの状況とあってか、後半はテレビ中継やネット配信のカメラが帯同していませんでした。
付いていたメディアも筆者ひとり。
現地にいた熱心なギャラリーだけが目撃できた圧巻のバーディラッシュは、来年につながる大きな意味を持つものです。
来年につながるプレー
渋野の今後のスケジュールは、来週滋賀県の瀬田GCで開催されるアメリカLPGAツアー「TOTOジャパンクラシック」は日本時間1日現在ウェイティングの4番目で出場できるかは不透明です。
出場が確定しているのは再来週フロリダで開催される「アニカ・ドリブンbyゲインブリッジ」だけです。
そこで現状104位のポイントランキングを100位以内に上げられないと、来シーズンの出場資格を確保するためにはQシリーズ(予選会)に行くことになります。
ここでも不振なら来シーズンの出場機会はかなり限定されてしまうかもしれません。
だからこそ、予選落ちしたら日本で今年最後になっていたラウンドで「今年できなかったこと(気持ちの切り替え)ができたことは、すごく大きいです」との手応え、収穫があったことを渋野は説明しました。
フェアウェイキープ率100%!!
パッティングでの収穫はもうひとつ。
「入れたい気持が手の力みにつながっていたと思ったので、若干リラックスするようにしたらいい転がりになりました」というものがありました。
これがショットにも好影響を与えて、この日のフェアウェイキープ率は100%でした。
最終日に向けては「今日(2日目)のゴルフを台無しにしたくないから、1打1打集中して頑張りたいです。マジで大事な一日にしたいですね」と意気込みを語りました。
明日2日は今年日本国内では最後のラウンドとなる可能性もあります。
来シーズンにつながる大きな収穫を得たこの日のプレーを、さらに良い方向に“上書き”したいものです。
(取材・文/森伊知郎)




