パットのライン上に水たまり!? そんな時は救済OK? 正しい処置を解説
ゴルフのルール&マナー
雨上がりのラウンドや朝露が残る時間帯、グリーン上に水たまりができていることがあります。
もし自分のボールが水たまりの中にあったり、カップまでのライン上に水たまりがあった場合、救済を受けることはできるのでしょうか? 今回は、「グリーン上の水たまり(テンポラリーウォーター)」について、ルールの基本と正しい処置方法を解説します。
グリーン上の水たまりは“異常なコース状態”。救済はOK!
雨天の中でのゴルフや、前日に大雨が降った場合、基本的に水はけが良いと言われているゴルフ場でも水たまりができることがあります。このように、自然現象によってできた偶発的な障害物のことを、ゴルフ用語では「テンポラリーウォーター(Temporary Water)」と呼んでいます。以前は「カジュアルウォーター」と呼ばれていましたが、2019年のルール改正で、名称がテンポラリーウォーターに統一されました。
このテンポラリーウォーターにボールが止まっていた場合、 救済を受けることができるのですが、その説明をする前に、その場所が本当にテンポラリーウォーターなのかどうかという判断基準についてお話ししておきましょう。
テンポラリーウォーターとして認められるのは、下記の場合です。
・明らかに水たまり状態になっていて、ショットをすると水しぶきが上がりそうな場合
・構えたとき、シューズの下から水が染み出してきた場合
一方、芝が濡れているだけだったり、スタンスを取ったときに水が浮いてこない場合は、救済の対象とはならないので注意してください。基本的に、泥やぬかる状態のときは救済NG。朝露で濡れている場合も、不可となります。救済の対象となるかどうかで迷ったときは、同伴競技者に確認することをお勧めします。
正しい救済の手順は? プレース位置の決め方
救済の手順は以下のとおりです。
まず、完全にテンポラリーウォーターを避けられる場所で、ホールに近づかない地点をニヤレストポイントとして決めます。
次に、ニヤレストポイントから1クラブレングス以内にプレースし、ボールが止まったところから無罰でプレーができます。
ちなみに、ジェネラルエリアやバンカー内ではプレースではなく、ドロップになります。また、グリーン上だけでなく、いずれのケースでも、救済の処置をとる場合は、そのボールを拭くことができるということも覚えておいてください。
雨の日や朝露の多い時期には、グリーン上の水たまりは珍しくありません。
そんなときは慌てず、「異常なコース状態=無罰で救済OK」という原則を思い出しましょう。パットライン上に水があるなら、無理せずプレース(救済)で対応。ルールを正しく理解すれば、不利な状況でも冷静にプレーできます。
文・真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。
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