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パターにショット用グリップを入れたらどうなる? どんな人に合う? 編集部員が試してみた!

2025/11/08 ゴルフサプリ編集部

男子ツアーでパターにショット用のグリップを入れている選手が複数いるという。どうしてパター用のグリップではないのか? どんなメリットがそこにはあるのか。そこで、実際に編集部員がショット用のグリップを入れたパターを用意して試すとともに、今野一哉プロコーチに解説してもらった。

取材協力/千葉セントラルゴルフクラブ

ヘッドはアンサー4 ステンレス、グリップはMCC TEAMS PLUS4

パター用のグリップとショット用のグリップ、どのような違いがあるのだろう? 検証のために用意したパターはピンのアンサー4 ステンレス、中古ショップで約5000円で入手した。このパターを選んだのは、ショット用のグリップを入れたらアプローチを打つような感覚が強いのではないかと予想したから。ネオマレットのような直線的なストロークをサポートするようなヘッドよりも、フェースの開閉がしやすいL字に近いヘッドのほうがショット用グリップと相性が良いと考えたからだ。

そして、グリップはゴルフプライドのMCC TEAMS PLUS4をチョイス。右手で握る部分のグリップ下部がテーパーレス形状になっており、下巻きテープ4枚分の太さになっている。ショット用のグリップなら右手の感覚を生かして打ちたいと考え、このグリップを入れることにした。
握りは、パターの時はオーバーラッピングだが、ショット時と同じようにインターロッキング。自然とそのように握っていたので、そのままインターロッキングで検証。

用意したパターの長さは32.5インチ。普段から33もしくは34インチを使っているので、短いとは感じるものの大きな影響はなさそう。継ぎ足し棒を入れて35インチくらいの、AWやSWに近い長さにしたほうが良かったとも思ったが、まずはそのまま試してみることにした。

もともとパターが苦手で、最近ではどこをどう動かしてストロークすれば思った通りに打てるかわからなくなっていたこともあり、ショット用グリップを入れたパターを構えても新鮮さはあれど不安感などはない。右手の感覚を生かしてアプローチ感覚で打ちやすそう、と思える。

素振りをしてみるとパター用グリップが入っている時よりも、ヘッドがインサイドインに動きやすいと感じられる。通常のパッティングストロークで素振りをすると、なかなかに”ピーキー”な感覚が伝わってくる。やはりアプローチ感覚で打つのが合いそうだ。

まずは、ロングパットから試した。練習グリーンで、ピンまで約10メートルのパット。
これはかなりイメージが出しやすい。やはりアプローチ感覚で打ちやすい。1球目はヘッドが思ったよりも”返って”しまったので左に引っかけて3メートルほどオーバーしたが、3球目くらいからはそんなヘッドの動きに慣れて、思った方向に打ち出せて距離感も合ってきた。

パター用のグリップで打つ時は、肩の縦回転を意識してパッティングストロークを……というふうにストロークを考えてしまうが、ショット用グリップだとそうしたことを考えることなく打ちやすい。パターが苦手な身としては、こちらの方が断然打ちやすい。

次にピンまで2メートルと60センチぐらいのショートパット。
ロングパットが良い感じだったので、短いパットも同じように打てると思ったが、そうでもなかった。2メートルも60cmも、ロングパット同様に距離感は合わせやすいのだが、なかなか狙った方向に打ち出すことができない。打ち手が悪いのか、それとも右手部分を太くしたグリップの影響なのか、左に引っかけてしまうことが多い。
それぞれの距離から何球も試してみて、これは相応の練習量が必要だと感じた。ただ、ロングパット同様にストロークのことを考えずに打てる点は変わらず。
ストロークに問題のある身としては、時間をかければパター用グリップよりも考えずに打てる分、入るようになるような気がした。

パッティングを”ショット化”させたい人にはオススメです

さて、このショット用グリップを入れたパター。どのようなメリット、デメリットがあるのかをプロコーチ・今野一哉に解説してもらおう。

今野 以前、イオミックの丸グリップを入れて小山内護プロもやっていましたね。それから、試すならブレードよりもL字のほうが良かったと思いますよ。僕もウィルソンスタッフ 8803にショット用のグリップを入れて練習用として持っています」

ーーツアープロの間ではあまり珍しいことではないのですね。

今野 そうですね。さて、まずパターにショット用のグリップを入れることでメリットを感じられる人というのは、二次元的な動きが苦手な人です。ゴルフ理論の中には、スイングとストロークの2つの概念が存在しますよね。この2つには明確な違いがあります。それは、アタックアングルという高さの概念があるかないか。ストロークは横移動、2次元的な動きです。対してスイングは横移動と縦移動で構成された動きになります。

ーーそれがグリップにどう関係してくるんですか?

今野 パター用のグリップって平面ですよね。あれはパームで握りやすい形状であって、それによって手首が動かしにくくなり、お辞儀をした状態で肩を回転させるだけでヘッドを真横にスライドさせて、開閉がなく真っすぐにヘッドが動きますように、ということのための平面なんですよね。

ーーヘッドの横移動、2次元的な動きを強要するようなグリップの形になっているということですね。

今野 はい。でも、パッティングをショットの延長で打ちたいという人もいるわけですよ。横移動の動きが合わない、動きをイメージできてない人たち。そういう人たちは、グリーン上でパッティングするというよりも短い芝の上でアプローチをするという感覚にしたい。そこで、パター用グリップは平面があってストロークをさせようとするから合わない! ショット用の丸グリップならショット感覚で打てる、だからショット用のグリップを入れてしまおう、というわけです。

今野 冒頭で試すなら”L字のほうが良かった”と言ったのは、L字はスイングという概念に最も近いパターだからです。L字はロフトが極端に立ったアイアン形状で、パターの体をしているというクラブになるので、グリーン上でもアプローチを打つようにボールを転がしたい人にとって最適なんです。

ーーということは、パッティングをストローク、2次元的な動きをすることに抵抗を感じない人にとっては……

今野 オススメできませんね。自分がしたい動きと全く違うことを求められますし、したい動きがしにくい道具(グリップ)を使うことになりますからね。

今野 蛇足ですが、一般的なパッティングストロークで打てる距離というのは、膝下から膝下までの振り幅、距離で言うと20ヤードが限界だと思います。それ以上の距離になると横移動に加えて縦の動きも入ってくるので、ストロークとショット両方の感性が必要になってくる。だからストロークイメージで打ちたい人にとって、ロングパットは難しいものになりがちです。

ーー逆にアプローチ(ショット)のイメージで打ちたち人たちにとっては、ロングパットは特に苦手な距離にはなりにくいのでしょうね。

今野 それから、ショットの時とストロークの時の距離感というのは、どっちかが調子が良いと、どっちかがダメということになりがちなんですよ。でも、ショットの延長でパッティングしたい人の場合は、真っすぐ振るというストロークの概念が薄い、もしくはないので、ショットの調子の良さをグリーン上に持ち込むことができます。

ーーショット用のグリップを入れてあったら、なおさらですね。でも、ショットの調子の悪さも持ち込むことになる?

今野 そうとも言えますね(笑)

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