捻転差を作っているのに飛ばない? それ“使うタイミング”が間違ってます!
勝又優美は見た!「そのスイング改造、いりません」Case.37
これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンした勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、その解決方法を紹介するシリーズ。ゴルフが好きだからこそ陥りがちな”スイング改造の落とし穴”。今回のテーマは捻転差。「スイングでは上半身と下半身の捻転差を使う」と言われる。そのため多くのおじさんゴルファーは下半身を固め、上体をコイルのようにギリギリとねじってみるが、いまだにうまく打てなかったり、飛ばない人が多い。「その原因は捻転差のあり方を誤解しているからです」と勝又。一体どういうこと?
上半身と下半身の捻転差が最大になるのは切り返し
スイングする時に上半身と下半身の捻転差を使うのは有効ですが、アマチュアの方の多くはスイングの始動からトップで捻転差を作ろうとします。動かないよう下半身を固めジリジリと上体をねじって捻転するわけです。確かにこれでも捻転差はできますが問題はこのあと。ほとんどの人はダウンスイングで上半身と下半身が一緒に動いてしまうので、腰が開いて振り遅れてしまいます。せっかく捻転差を作ったのに1ミリも使えていないのです。
錘をつけた紐を指で摘んでグルグル回せるのは、先端の錘にかかる力と手元を引くことで生まれる力が引っ張り合っているからです。スイングで捻転差を作る目的もこれと同じで上半身と下半身が引っ張り合う関係にしなければいけません。両者が一緒に動いたら引っ張り合えませんから、せっかくスタートで捻転差を作っても意味がありませんよね。
上半身と下半身の引っ張り合いを使って打つには下半身を先行させるしかありません。先行させるということは始動で動いていなければならないので下半身を固めるのはNGです。となると、ここでは捻転差を意識しなくてもいい。意識すべきは切り返しからダウンスイングで、この過程で下半身が先行し、一瞬上半身がトップに近い形で止まっていればスイングにとって有効な捻転差が生まれ、上半身と下半身が引っ張り合う形になります。錘をつけた紐で言うなら下半身が手元、上半身が錘というわけです。イメージ的にはちょっと右足を踏むことでスイングをスタートしたら、その瞬間から腰を左に引っ張る感じ。腰がほんのちょっと胸やクラブをリードするだけで本当の意味での捻転差が生まれるのです。
始動で下半身を全く動かさないのはダメですが、「腰を回して打つ」というとバックスイングでものすごく腰を回す人がいます。こうなると腰の運動量が多すぎて切り返しのタイミングがとれず、上と下の引っ張り合いができなくなります。腰は全く動かないのもよくないし、動きすぎるのもよくないということですね。いずれにせよポイントは捻転差が最大になるのは切り返しのタイミング。みんなが共通して目指すべきところです。
勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。
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