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渋野日向子は今週“シーズン最終戦” LPGAツアー残留への条件は?
「もっている」選手だから、きっとやってくれるはず!(写真/Getty Images)
アメリLPGAツアーは日本で開催された「TOTOジャパンクラシック」で畑岡奈紗が勝ち、前週マレーシアでの「メイバンク選手権」での山下美夢有と合わせて日本勢の2週連続優勝となった。舞台をアジアからフロリダに移す今週の「アニカ・ドリブンbyゲインブリッジ」は来シーズンの出場資格を争う最後の試合となる。現在ポイントランキング104位で“準シード”からも圏外となっている渋野日向子が来シーズンもLPGAツアーでプレーするための条件はどうなっているのか。
現在は“準シード”からも圏外 現地ウェイティングも「TOTO」出場は叶わず
渋野は先週の「TOTO」でリザーブ(ウェイティング)の4番手。大会が開催される瀬田GC(滋賀)で現地ウェイティングし、LPGAツアーの資格で出る43人から欠場者が出ての繰り上げ出場に望みを託しましたが、叶わず。
「TOTO」にはポイントランキング100位以内で出られた選手はいなかったため、100位のボーダーラインも渋野の順位も変わりありませんでした。
80位までが「シード」 100位以内は“準シード”
LPGAツアーの出場資格は、前年の成績などによってカテゴリーに振り分けられ、上位の選手から試合に出ることができます。
最上位の「カテゴリー1」は前年シーズンのポイントランキング80位以内で、ここに入っている選手が「シード選手」と言っていいでしょう。
ここから過去5年のメジャー優勝者(カテゴリー3)、過去2年の優勝者(カテゴリー4)などが続きます。
ポイントランキング81~100位は「カテゴリー11」でここまでが“準シード”と呼べるもの。
では渋野が「カテゴリー1」または「11」に入るためには今週どれぐらいの成績が必要なのでしょうか。
「シード」とは149.345ポイント “準シード”までは17.081ポイント差
渋野の今シーズンこれまでの獲得ポイントは191.717ポイントとなっています。
現時点で80位とは149.345。100位とは17.081ポイントの差があり、これを追い越すためにはそれぞれ4位。37位に入る必要があります。
ただし「アニカ~」にはポイント下位の選手も出場するためボーダーラインは上がることが予想されます。
そこで過去4シーズンのボーダーラインを見てしましょう。
LPGAツアー過去4シーズンの80位と100位のポイント
LPGAツアー過去4シーズンの80位と100位のポイント
80位 100位
2021 381.280 223.600
2022 379.840 217.727
2023 382.064 249.771
2024 456.322 244.662
2025 341.062 208.798
(TOTOジャパンクラシック終了時点)
また、「アニカ~」で獲得できるポイントは以下の通りとなっています
優勝 500
2位 320
3位 230
4位 180
5位 145
10位 75
15位 55
20位 45
30位 25
40位 15
こう見ると、80位以内になるにはトップ3。
100位以内に入るためには、過去4年の平均値(233.94)を上回るのに42.223ポイントが必要で、これは21位(43ポイント)に相当します。
100位以内に入ることができなかった場合はQシリーズ(予選会)に回り、ここで25位以内となって「カテゴリー15」をめざすことになります。
Qシリーズでも不振で「カテゴリー15」に入れないと来シーズンの出場機会は激減してしまうので、できれば100位以内に入りたいところです。
ちなみに昨年はこれだけの“逆転劇”がありました。
昨年大会は勝みなみが14位タイでシード圏内に滑り込み 渋野と似た成績の選手は一気に100ポイントを獲得!!
昨年の大会では勝みなみが14位となって52ポイントを獲得。
シーズンの総獲得ポイントが80位のラインをぎりぎり1.239ポイント上回ったことで「カテゴリー1」に入ることができました。
もし1打悪かっていたら獲得ポイントは10ぐらい減っていたので今シーズンの優先出場順位は一気に「カテゴリー11」に下がっていました。
最終日は17、18番と連続ボギーと肝を冷やすフィニッシュ。
今週の渋野も、72ホールで1打たりとも気を抜けない戦いをすることになります。
またシーズンのランキングで勝のひとつ上の77位だったウィチャネー・メ―チャイは「アニカ~」で7位となって一気に100ポイントを獲得しました。
メ―チャイは昨シーズンそれまでにトップ10に入ったのは2回だけで、ひとつは「全米女子オープン」での6位でした。
渋野の今シーズン唯一のトップ10はやはり「全米女子オープン」の7位だったので、大いに可能性がある、と前向きに考えたいところです。
ぎりぎりで“準シード”に滑り込んだ選手も
ポイントランキング81~100位の「カテゴリー11」はQスクール25位以内の「「カテゴリー15」よりも優先順位が上になるので、いわば“準シード”といえます。
昨年の「アニカ~」で43位となって10.300ポイントを獲得。シーズンのランキングで99位だったのがセリーヌ・ボーグでした。
この選手も100位のボーダーラインとはわずか1.479ポイント差だったので、あと1打悪かったらQシリーズに回っていたかもしれません。
日本勢では吉田優利が「アニカ~」で予選落ち。ポイントの上積みができずシーズンのランキング102位でQシリーズに回り、9位となった今シーズンの「カテゴリー15」の資格を手にしました。
このように1打で命運が分かれる可能性が多いにあるだけに、初日最初のティショットから最終日最終ホールでカップインさせるまで、一瞬たりとも気を抜けません。
馬場咲希も最終戦出場への正念場
そしてこの試合の成績が注目されるもう一人が馬場咲希です。
来週の最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」に出られるのはポイントランキング60位までで、馬場はこれにわずか6.334ポイント差!
こちらも注目し、応援したいところです。
(文/森伊知郎)