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中野麟太朗 デビュー戦“失格の危機”を 石川遼 が救った!?
大物ルーキーのデビュー戦をスムーズなものにしたのは石川遼だった。
2023年の「日本アマ」チャンピオンで早稲田大学4年の中野麟太朗が13日、「三井住友VISA太平洋マスターズ」初日(静岡・太平洋クラブ御殿場コース)でプロデビューした。2オーバーの72で70位とほろ苦いプロ初ラウンドとなったが、その最初のホールでは、あわや失格となりそうな状況を石川遼に救ってもらった。
プロゴルファーとして最初のホールで、あわや失格の危機
185センチ、90キロ。2日前にプロ転向を発表した文字通りの「大型ルーキー」も最初のホールでは明らかに緊張し切っていました。
2番アイアンのティショットを引っかけると、ラフからの160ヤードで9番アイアンを振り抜いた2打目は、フライヤーとアドレナリンで180ヤードほども飛び、グリーン奥のレッドペナルティーエリアに入ってしまいます。
このホールで、ジェネラルエリアとの境を示す赤線はカート道に引かれていました。
そのため、①まずは1打罰でレッドペナルティーエリアの処置をした後に
②カート道からの救済を受けることになります。
それがプロとして最初のホールでいきなり見舞われた想定外のトラブル。
一緒に回るのはディフェンディングチャンピオンの石川遼と賞金ランキング1位の生源寺龍憲。
さらに後ろの組もすぐに迫ってくる、といった状況が重なったことで「まさか奥まで行くとは思わなかったので頭が真っ白になって(処置を)急いでしまいました」と中野は振り返ります。
そのため①の処置でまずはカート道にドロップしなければならない手順をせずに、ボールが横切った地点から②のカート道からの救済を受ける場所を探そうとしてしまいます。
ルーキーの大ピンチに石川遼が見せたさすがの気遣い
ここで、さすがの気遣いを見せたのが石川遼でした。
すでに自分はグリーンに乗せており、中野のマーカーでもないので本来はグリーンの奥に来る必要はありません。
それが明らかに平常心を失って、誤った処置をしそうになっていたことから「競技委員を呼んだ方がいいと思うよ」と声をかけます。
これで我に返った中野は競技委員を呼び、カート道にドロップしてから救済を受けるという正しい処置をすることができました。
このホールのスコアは4オン、2パットのダブルボギーとなりました。
それでも「トリ(プルボギー)とかダブルパー(8)にならなくて良かった」と中野が言ったように、正しい処置をしないことで「誤所からのプレー」で2罰打が加わる。
あるいは処置後にプレーをした場所などが「重大な違反」と判断され、最悪の場合は失格になるといった事態を避けることができたのは、石川のおかげでした。
プロデビュー戦最初のホールでのプレーで失格になろうものなら、立ち直れないぐらいのダメージを負うかもしれません。
それを回避することができたのは、自身も「ハニカミ王子」として社会現象となるほどの注目の中でプレーしていた経験があるからこそ、緊張感でどんなミスをしてしまいがちなのかといったことがわかっての行動を取ることができたのでしょう。
石川遼の行為は「アドバイス」ではありません
ここまで読んで、石川の行為が「アドバイスでは?」と思った方がいるかもしれません。
ゴルフ規則では「ラウンド中にプレー方法を決定する時に、プレーヤーに影響を及ぼすことを意図した口頭によるコメントや行為」がアドバイスとなっています。
一方で「規則など公開されている情報」はアドバイスではありません。
ですので、明らかに規則を間違えそうになっていた中野に声をかけた石川の行為はアドバイスではないのです。
とはいえ、声をかける義務もないので、それをしたのはさすがです。
「ポテンシャル、アイアンの精度がすごい」と絶賛
その石川は、ゴルファーとしての中野を「スピード、パワーのポテンシャルがすごい。アイアンショットの精度も本当に高くて6番でも9番でもほとんどピンに絡んでいた」と絶賛しました。
もっとも中野は34パットで72(2オーバー)の内容に「自己採点するとしたら30点ぐらい。やっと単位を取れた、という感じですかね」と現役の大学生らしく表現しました。
その石川とは2日目も同組で回ります。
大ピンチを救ってくれた感謝をプレーで示し「パットをもっと入れて、しっかり自分のプレーをやりぬくのをモットーにしたいと思います」との言葉をスコアにも反映させたいところです。
(取材・写真・文/森伊知郎)
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