1. TOP メニュー
  2. ゴルフギアにお悩み
  3. クリーンに打てない原因は“バウンス角”だった!フルショットするなら8度以下が正解!?

クリーンに打てない原因は“バウンス角”だった!フルショットするなら8度以下が正解!?

吉本巧のゴルフギア教室 第93回

2025/11/15 ゴルフサプリ編集部

ウェッジでクリーンに打てない、トップやダフリが止まらない。そんな悩みを抱えるアマチュアゴルファーは多いもの。
しかし、その原因はスイングではなく、使っているウェッジの“バウンス角”にあるかもしれません。
吉本巧コーチが、芝質やロフトとの相性も踏まえて“8度以下のバウンス”をすすめる理由をわかりやすく解説します。

小さいバウンスは小さいロフト、大きいバウンスは大きいロフトに合う

ウェッジのソールにはバウンスと呼ばれる出っ張りがついていて、その大小が角度で示されています。角度が大きくなるほど出っ張りが大きく、程度に合わせて「バンス角が大きい、小さい」などと言います。なぜバンスがあるかというと、ボールの下にヘッドを潜らせたいから。普通に打つと一番先にバンスが地面と接触するのでヘッドが地面を滑ってボールの下を潜りますから、ラフやバンカーなどクリーンにボールを打たないショットやロブショットを打つのに有効です。

逆に言うとボールをクリーンに打つ場合にはバウンスが邪魔になります。アイアンにもバウンスはついていますがフルショットするのが基本のクラブなのでバウンスが極めて少ない。アイアンセットに付随するウェッジも少なめの設定です。これに対し単品売りのウェッジはバンスの種類が豊富。グリーン周りでの使用がメインでフルショットする機会が少ないことを前提としているからです。

「UPPARウェッジ」を使うとアプローチが上手くなるって本当? ダグ三瓶が手掛けた"純国産”ウェッジの性能を編集部員がコースで体験

ゴルフサプリの連載でもお馴染みの、ダグ三瓶氏が、これまでの経験とスキルを生かし、日本のゴルファーのためのウェッジ、「U...

あわせて読みたい

さて、ここではバンスの度合いを以下のように分けてその特性を見ていきます。

8度以下 バウンスがすごく少ない
9~10度 バウンスが少なめ
11~12度 標準的なバウンス
13~14度 多めのバウンス


まずボールをクリーンに打てるバウンス角を○Xで示すと、

8度以下 ◯
9~10度 △
11~12度 ×
13~14度 ××


となります。8度以下ならバウンスが邪魔にならないのでボールをクリーンに打つことが可能です。9~10度だとバウンスが先に地面に当たって邪魔になりますが、バウンス自体は大きくないのでギリギリ打つことができます。これが11~12度になると困難になり、13~14度では打てません。

次に使える状況ですが、8度以下とそれ以外のバウンスで明確に分かれます。すなわちバウンスが9度以上あったら、枯芝、ベアグラウンドや芝が短いところでボールが地面に着いている状況には対処できません。バウンスが大きすぎるためインパクトでリーディングエッジが浮いたり、バウンスが地面に跳ね返されてトップのようになります。簡単に言うと、バウンスが出っ張っているぶんボールが浮いていれば打てますが、そうでなければ難しいということ。ちなみに、たとえバウンスが8度以下でもアイアンよりは多いですから、状況によってはリスクを負うショットになります。

また、ロフト角との相性もバウンス角を考える時に忘れてならない要因です。それぞれと相性のいいロフトを示すと以下のようになります。

8度以下 46、48、50度
9~10度 50、52、54度
11~12度 54、56、58度
13~14度 58、60度


前述したようにバウンスが8度以下ならフルスイング(クリーンにボールを打つ)できます。むしろ優先すべきはそこで、フルスイングしたいのであればロフトが54度くらいでも8度以下のバウンスにすれば打つことができます。

8度以下のバウンスとは逆にフルスイングせずグリーン周りメインで使う、例えばラフやバンカーを含む30ヤード以内で使いたいなら11~12度が向いています。9~10度は上記の2つのロフトの中間で、フルスイングもしたいしバンスも使いたい場合に相性がいいと言えます。例えば70ヤード以下の半端な距離でコントロールショットをしたい時などに有効な組み合わせと言えるでしょう。

最後に13~14度ですが、相性がいいのは58、60度といったロフト。しっかりバウンスを使う仕様なので深いラフやバンカーショット、ロブショットなどを多用したいならこの組み合わせがいい。確実にボールの下にヘッドを潜らせたい人に向きます。ロフト60度はその最たるもので、バンカー専用ウェッジもロフト、バウンスとも多い仕様になっています。

結論的には「バウンスが少ないXロフトが少ない」、「バウンスが多いXロフトが多い」の組み合わせは相性がよく、バウンスにしろロフトにしろ、多いものと少ないものの組み合わせは相性が悪いということ。ロフトが少ない46~50度のウェッジでバンスが多いと、アイアンセットのピッチングウェッジまでは普通にフルスイングで打てるのに、その下のウェッジになると急にトップしたり、ボールの下を潜ってショートしたりといったことが起こりやすく、逆にロフトが58、60度なのにバウンスが少ないとクリーンに入ってボールがフワッと上がらない、といったことが起こります。心あたりがある人はこの機会にウェッジのバウンスとロフトをチェックしてみてください。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

アイアンとウェッジのシャフトは同じほうがいい? セッティング別の最適7パターンを解説

アイアンセットのウェッジではなく、単品ウェッジをセッティングに加えるのが一般的となっている昨今。アイアンとウェッジの...

あわせて読みたい

ドライバーからウェッジまでスコアにつながるシャフト選びが知りたい!【ダグ三瓶】

コースでスコアに役立つクラブ選び。今回は各クラブのシャフトについて、「いいスコアを出す」を目標に教えてもらった。

あわせて読みたい

ウェッジのネックが長いのはこのため? プロは芯を外してアプローチを打っている! 

ウェッジのネックはアイアンに比べてはるかに長くなっている。この設計、実は打点とスイートスポットをズラすためのものだった!?

あわせて読みたい