守りたい日は「最悪から組み立てる」

サプリ 致命的なミスで心が折れてしまう時って、ありませんか?
今野 ありますよ。何度も経験してきましたよ。最近、心が折れたんですか?
サプリ はい。先日のゴルフで、前半のハーフでボギー4つの4オーバーで9ホール目を迎えたんですよ。左サイドに池のある460ヤードのパー4で、フェアウェイがそれほど広くなかったので「ここは絶対にボギー以上は叩きたくない」と思って、普段しない刻みながらグリーンまで運ぼうと考えたんです。
今野 はいはい。守りのゴルフに徹しようとしたわけですか。
サプリ そうです。ティショットは、その日よく当たっていた6番アイアンで180ヤード、右ラフでしたけどまずまずでした。次にまた6番アイアン、これもミスなく170ヤードを打てて、残り距離が100ヤードちょい。その3打目でシャンクしてしまいまして……
今野 そこで心が折れてしまったと? あるあるですね。
サプリ はい…さらに、気を取り直して「まだ次をグリーンに乗せられれば2パットでボギーだ」なんて考えつつ、4打目を打ったら、またシャンクです。そこからはボロボロで、次打がショートしてバンカー、そこから出した後に逆目でチャックリ、7打目でようやくグリーンに乗せて2パット。終わってみれば9つも叩いてしまったんです。
今野 それはキツイ! 結局、8オーバーで前半を終えたのですね。
サプリ 3打目のシャンクで気持ちが切れてしまいました。守りのつもりが、結果は9打……。どこから崩れたのでしょう?
今野 守ろうと決めたなら最悪のショットを想定して、そこを出発点にゴルフを組み立てるべきなのです。人それぞれパフォーマンスには“最高”と“最悪”があって、そのブレ幅も違いますけれど、大事な局面ほど最悪のショットを想定しつつ「このくらいならできるだろう」というショットをイメージして打つべきです。
たとえば「グリーンの“端っこ”にでも乗ればOK」という選択をしていれば、番手・打ち方・狙いが自然と“安全な選択”に寄っていきます。逆に「ここで寄せればまだパーがある!」と高望みをしてしまうと、負の連鎖が始まりがちです。
サプリ そもそも、シャンクは連発しやすいのに、高望みしてしまいました。“端っこに乗せて2パットでもOK”と考えていれば、もっと気楽に打てて、連続シャンクなんて出なかったかもしれません。
今野 はい。最悪を想定するというのは、打つ前に“先に反省しておく”感覚です。「最悪だった未来の自分」が言いそうなこと「あの時パターで転がしておけば…」「番手を上げておけば…」を選ぶ。これが“守りの思考”です。

ミスの直後こそ“ブレーキ”を踏む! 負の連鎖を断つ手順

サプリ ミスの直後、「取り返そう」と思ってしまうんですよね。
今野 ミスの直後に”アクセルを踏む”のが一番まずいんです。負の連鎖を断つ手順はシンプルです。

1)スローダウン:呼吸→素振りをゆっくり。テンポを1段落とす。
2)番手アップ:余裕を持ってグリーンに届く1番手上のクラブを持てば、速く振らない=リズムが速くなるのを防げます。
3)ターゲットをそこそこのところに:ピンでなくグリーンの広いサイド、最悪でも花道。必要ならパターなどで転がす選択肢も考える。

こうした対応をすれば、負の連鎖を断てます。
サプリ たしかに2発目のシャンクでも、ピンを狙っていました……。
今野 「端っこでOK」を先に決めていれば、狙いも振りも変わります。ガードバンカーや逆目のアプローチが“地雷”なら、そこを外すラインに置く。守りは地雷回避ゲームみたいなものです。
サプリ 心が折れないためには、常に最悪を想定してゴルフをしていればいいんですか?
今野 そうですね。そうすれば、必要以上に気落ちすることがありません。消極的になるのは良くありません、最悪を想定していれば、次のショットを少しは落ち着いて打てますよね。
サプリ なるほど。ゴルフが上手い人って、ちょっとミスしても大叩きせずにまとめてきますよね。ダボやトリから逃げ切るというか。
今野 ブレーキを踏むのが上手いんですよ。ミスをした後は、まずブレーキを踏みましょう。改めて状況判断をして、次の一打にふさわしい番手や狙いを検討し直して、負の連鎖に巻き込まれないようにしたいですね。

今野一哉(こんの・かずや)
JGTOツアープレーヤー。18GOLFプロデュース / キッズゴルフ代表。アマチュアゴルファーの指導やジュニアゴルファーの育成に力を注ぎながら、各ゴルフメディアで活躍中。蝶ネクタイスタイルはゴルファーへ「サービスし、尽くす」と言う意味を表す。


今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション

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