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史上最長225ヤードのパー3でパーオン率が“6割アップ”!! 女子プロたちが見せた驚異的な成長ぶり
日本女子ツアー「伊藤園レディス」2日目(15日、千葉・グレートアイランド俱楽部)は、17番ホールが昨年大会の2日目に続いて225ヤードの「ツアー史上最長のパー3」として設定された。ここでの上位陣のプレーを観察してわかったのは、選手たちが驚異的ともいえる成長を見せたことだった(集計はいずれも筆者)。
1番スタートの上位陣のプレーを集計すると
「伊藤園レディス」は3日間大会なので、2日目は初日の成績順でペアリングが決まります。
1番ホールからスタートするのは、順位が半分より上の選手たち。
その48人のプレーを17番ティーイングエリア近くで定点観測してみました。
17番ホールは左に池が広がり、右にはバンカー。
あまり逃げすぎると、池に向かって打つバンカーショットを強いられます。
ピンポジションは左から6ヤード。手前から10ヤードで、ティーイングエリアからピンまでの実測は209ヤードでした。
アマチュアなら乗せるどころか、まずは池の恐怖に襲われそうになるホールで、ワンオンに成功したのは昨年が16人だったのが、今年は26人と大幅にアップ。
なんと「62.5%増!」となります。
ティショットを池に入れたのは1人少ない4人でした。
選手の顔ぶれは変わるも、気象条件は昨年とほぼ同じ
今年からアメリLPGAツアーに主戦場を移した山下美夢有、竹田麗央と岩井姉妹が不在なのを始め、出場選手の顔ぶれは変わっています。
一方で大会が発表した気象条件は、昨年が曇り時々晴れで今年は晴れ。
気温は今年の方が0.1度高い17.1度で、風向風速は全く同じ北東2.6メートルでした。
全選手の平均スコアも3.4149から3.3333に向上しています。
やはり1年前に経験していることは大きいのでしょうか。
ちなみにバーディーを奪ったのは6人。トータルで10人だったので、1番スタートの選手は慎重になり、10番スタートの選手はまだ前半ということもあり、思い切って突っ込んでいったのかもしれません。
会心バーディの青木瀬令奈は、こう考えてプレーした
この日の難易度1位だったホールで会心のバーディを取った青木瀬令奈に話しを聞いてみました。
使用クラブは3番ウッド。さらに予選カットラインの1打上だったのでスコアは落としたくない状況で何ホールに来た時の心境はどのようなものだったのでしょう?
「池とかカットラインとかネガティブなことは考えていなかったです。もちろんリスク回避はしますけど、マイナス思考はしません。(安全策で)逃げてもあまりいいことがないというか。どうせ打つなら覚悟を決めて、です」
難ホールでハザードなどから“逃げて”もパーセーブできるとは限りません。
それでボギーを打つなら「攻めてボギーの方がすっきりするというか、次につながるというのはありますね」。
目先のホールのことだけでなく、次のホールや先のプレーへの影響も考えて“腹をくくる”というものでした。
打順の有利、不利はある?
バーディを奪った6人の「打順」は2人目と3人目が3人ずつでオナーはいませんでした。
ワンオンさせた人数もオナーから順に7人、9人、10人と後になるほど数が増えていったので、やはり風の向きや強さなどを参考にするのでしょうか。
一方でティショットを池に入れたのはオナーと2人目が1人ずつで、3人目が2人だったので、必ずしも後が有利というわけではないのかもしれませんが…。
ちなみに、先に打った人の結果を見て使用クラブを迷うのはアマチュアの常ですが、プロの皆さんは、他人の結果でクラブを変えるということはしていないようでした。
堀琴音は2年連続ドライバーでワンオン成功!
ティショットでドライバーを使ったのは去年の6人から2人となっていました。
そのひとり、堀琴音はなんと2年連続でワンオンに成功させました。
今シーズン(前週まで)のフェアウェイキープ率は81.6869%で1位の堀琴音の実力を難ホールで発揮したのは、さすが「日本女子オープン」覇者ですね。
昨年の最終日は山内日菜子が17番での劇的チップインバーディで優勝 今年は?
昨年大会の最終日は、山内日菜子がこの17番での劇的なチップインバーディもあって逆転優勝しました。
16日の最終日に使用するティーイングエリアは2日目と同じか、ひとつ前になるかは未定ですが、11アンダーで首位の永峰咲希から3打差以内に13人がひしめく混戦の今年も、ここで劇的なドラマが生まれるかもしれません。
(取材・文・写真/森伊知郎)