前回のドライバー編に続いて、アイアンのお話に行きましょう~。
以前にも書きましたが、アイアンを買い替える動機というのは、比較的あいまいです。
まずは、そこをきちんとはっきりしましょう。
良くお聞きする買い替え動機の例を挙げてみます。

① 古くなったから
② 新しいモデルが出たから
③ 以前より飛ばなくなったから
④ ③に近いですが、重くて振り切れなくなったから
⑤ 易しいモデルに替えていきたい

などでしょうか?
まだ、あるかもしれませんが、上記で上位を占めると考えています。

実は、この順番は、変えるきっかけの重要度の順番にしてみました。
つまりは、下に行くほど、新しいモデルを探しやすい、となっていきます。

上記①、②も、もちろん理由としてはありですが、少しあいまいな理由と言えるでしょうな。
やはり、クラブと言うのは、しっかりと目的を持って変えていくものなので、理由があいまいだと、選びきれなくて、なんとなく選んでしまって失敗することも少なくないと思いますのでご注意ください。

アイアンを選ぶために飛距離を把握

では、③~⑤の理由でクラブ選ぶ場合の注意事項に移っていきましょう~。

実はこの3つのことを解決するためのクラブを選ぶ項目はほぼ同じになります。

以前より飛ばなくなる理由の一つに、やはり、加齢による体力の低下が考えられます。
そうなると、その体力に見合ったクラブで、かつてのような飛距離を求めることは難しいですが、自身の振りやすいクラブ、扱いやすいクラブにしていくのは良いことだと思います。

そこで、最も気にして欲しいのが、自身にとって打ちやすいクラブ、易しいと感じるクラブをしっかりと探してほしいということになります

ドライバーと同様に、メーカーのサイトでは、どうしても誇張した表現により、どのクラブも自分の弱点をカバーしてくれるように見えますが、その中から、きちんと読み取っていく必要があります。

まずは、どんなクラブが易しいのか?を考える際に、まず初めに、自己分析が重要になります。以下のような自己分析表を作ってみるのはいかがでしょうか?まずは、自身の距離を把握しましょう。

ここで、気にしてほしいのは、ロフトとキャリー、長さとキャリーの関係性です。また、番手間のキャリー差もよく見てみましょう。

自分は、何度のロフト角で、何ヤード飛ばせているのか?を知っておくと、次に買うアイアンのロフト角から、その番手は何ヤードくらい飛ばせるのかの目安になります。
また、どのくらいの番手まで、ボールが上げられるのか?その結果、番手間のキャリー差を出すことができるのかどうか?も把握しておくのが良いでしょう。

以前にも書かせていただきましたが、アイアンというのは、数本のセットが機能して初めて使いこなせるクラブです。
そのためには、7番アイアンの距離(キャリー)だけにこだわってしまうと、結果使いこなせないクラブセットになってしまうことが多いですので、気を付けましょう。

また、下の番手が飛ばない方も少なくないです。
これは、番手間のロフト角差が広がりすぎてしまっていて、結果、上の番手との差が大きくなりやすいということもあり得ますので、しっかりと把握しておきましょう。

そして、長さも重要です。
自身が振り切れている長さはどこまでなのか? がわかりますし、また、この後書きます、ウェッジ選びの際に、長さの逆転が起きないようにするためにも、知っておく必要があるでしょう。

では、これらを把握したうえで、今度はカタログ等で下調べをする際に、どこを気にしていったらよいか? を述べていきましょう。

機能より構えたイメージ

まずは、ヘッドの特徴が書かれているメーカーが多いでしょう。そのヘッドの特徴などが書いてありますので、よく見てみましょう。

ヘッドの特性として、上がりやすさを強調していたり、許容性なども書かれていたりすると思います。もちろん、そういった内容を把握することも大事なのですが、ここでも、一番は構えた時のイメージとなります。

また、上がりやすさを強調するモデルは、低重心化を図る意味でも、ソールの幅広いモデルが多いですから、そのソール幅はどのくらいなのか?
実際に打ってみると、その幅の感じは、自身のスイングに合っているのか? などもチェック項目となります。
アイアンもソールによる抜けは重要です。
ウェッジ選びは、ソール選びが重要になりますが、アイアンも同様にソール選びは重要な要素の一つと認識していただけると嬉しいです。

つまり、何を申しあげたいかというと、これらは、実際に見て、打ってみることが必要となります

ドライバーのところでも述べましたが、やはり顔の形の好みは千差万別。ここで好き嫌いははっきりすることが多いです。
また、構え易さの一つに、長さと、ライ角も重要です。
そのため、現在使っているアイアンのライ角や長さの差も把握する必要があるでしょう。

また、顔のところにこだわると、できれば、買おうとしているクラブのすべての番手の顔をチェックしてほしいです。
7番アイアンの顔は好きなんだけど、5番、6番の顔がイマイチ好きになれなかったりしますし、同様に8番、9番、PWの顔も確認してみてください。
たいていのメーカーが、顔の流れを7番と8番で変えてくる場合が多いです。5、6番は7番の顔に近いのですが、8番から下は、すこし丸めの形状でウェッジに近くしてくるところが多いです。

続いて、実際に打ってみましょう。
そして、ソールの当たり感などを、マットの上でもわかりますので、感じてみましょう。
実際に芝生の上で打てれば一番良いですが、なかなかそういう機会は少ないですから、マットの上でもどのくらい抜けが良いのかを確認できるようになるといいです。
例えば、わざとダフリ気味に打ってみるのもありだと思います。その結果、どのように感じるのか?を自身のクラブと比較しても良いと思います。

ソール幅が大きいモデルほど、バウンス角は小さいものが多かったりします。逆にソール幅が狭いモデルは、バウンス角が大きいものが多いです。
そのどちらが、自身にとって抜けが良く感じるのか?
このあたりは、入射角度との兼ね合いで変わってきます。
トラックマンなどで、アタックアングルがみられるときはそこも注視してみましょう。

ロフト角のチェックは全番手

そして、ヘッドの話では、やはりロフト角が重要になってきます。
どうしても、飛距離不足の方は、ロフトの立ったモデルを選びがちですが、実はそれが逆に飛距離をロスしている場合も多いです。

今使っているアイアンより、立っているロフトにしたおかげで、7番アイアンは飛ぶようになったんだけど、それより上の番手は球が上がらなくなってしまい、かえって飛ばなくなる、というパターンをよく見かけます。
結果、7番より上の番手は、UTに変更していくという方も多いです。
それが一概にダメということではないのですが、番手構成が変わってしまい、アイアンを変えようとしたことで、セッティングが大幅に変わるということも少なくないです。
その上、特にこういったストロングロフトのアイアンにすると、今度は、ウェッジまでの番手構成が複雑になってしまいます。
PWウェッジのロフトが立つことで、今お使いのウェッジとの距離差が出やすいです。
そうなると、ギャップを埋める番手が必要になり、結局は書いてある番手が変わるだけで入っているロフトは変わらないということが起こり得ります。
また、ご注意いただきたいのが、ストロングロフトのアイアンで多いパターンとして、下の番手ほど、ロフト角差が大きい場合があります。
そのため、番手間距離差が思ったより開いてしまう、ということがありますので、メーカーサイトでしっかりと全番手のロフト角を把握しておきましょう。

大きさの好みは腕前に関係ない

ヘッドの大きさも重要です。
アイアンの方が、ドライバーよりも、このヘッドの大きさが選べるケースが多いです。たいていは、ロフトの立っているモデルほど、大きいモデルが多いです。一見、ヘッドが大きい方が易しいと思いがちですが、これも人それぞれです。ドライバーで小さいヘッドが好きという方も少なくないように、アイアンヘッドも小ぶりな方が好きな方もいらっしゃるでしょう。

ヘッドの大きさというのは、シャフトの挙動に影響します。
ドライバーより短いアイアンとはいえ、この影響は小さくありません。
大きいヘッド=重心距離が長い場合が多いので、その分、その影響で振りにくいと感じる方もいるでしょう。

そういう方にとっては、小さいヘッドの方が易しい、と感じる方が多いです。
また、現在売っているクラブの大半は、小ぶりなヘッドほど、ロフト角が大きいモデルになっていることが多く、球が上がりやすくなりやすいです。
そうなると、これも同様に、その方が易しいと感じることが多いでしょう。
下の番手のロフト角差も開いてないモデルも多いかもしれません。

シャフトの重さはカタログより感覚重視

続いて、シャフトです。
シャフトもいろいろと選べるようになってきました。
標準装備のシャフトでも、数種類選べるメーカーも少なくありません。

最初の買い替え動機の一つに、振り切れないというのがありましたが、その傾向の方でやりがちなのが、シャフト軽くしていくというものです。

実は、この重さの感じ方、というものほど、人によって変わるものはありませんので注意が必要です。

たとえば、総重量だけを見ていくと、軽いシャフトにするほど、軽く感じるのでは? と考えるのが至極当然ですが、実は、軽いシャフト=ヘッドヘビーに感じやすく、かえって振った時に重く感じる、という方も少なくありません。
逆にそういう方の方が多いと考えています。

フィッティングあるあるで、ブラインドでシャフト重量を隠して、軽い方から重い方に打ち比べてもらうと、ある重量に来ると急に、これが一番軽い! という方多いです。
その重量は実は、シャフト重量だけで言うとそんなに軽くなく、たいていの方が、幅広い年齢層で、シャフト重量が100g以上になるパターンが多いです。
80gのシャフトを打った時よりも、120gのシャフト打った時の方が軽い!と感じるのは一聞すると信じがたいと思いますが、これが実際に起こります。

この要因は、今までにも書かせていただいていますが、詳しくはまたの機会にやって書かせていただきます。
簡単に言えば、使う筋肉が変わることで、体全体を効率よく使うことで、軽く感じるということが起こります。

実は、適正なシャフト重量というのは、本当にまちまちで、その人の体力や、腕力、体の使い方、スイングなどで、これらは大きく変わります。
それが年齢だけではなく、それまでのスポーツ遍歴だったり、現在の体の状態だったりで、大きく変わるということを認識していただければ嬉しいです。

これを知るためには、いろいろな重量を、自身の先入観で壁を作らずに打ち比べて欲しいです。
例えば、ダイナミックゴールドはもう年齢的にきつい、と勝手に決めつけるのではなく、ダイナミックゴールドも含めて、重たいものも試してみることをお勧めいたします

長さはウェッジとの兼ね合いで

つづいて、長さです。
この長さも、実は、細かく見ていくと、メーカーによって設定が違う場合がありますのでご注意です。特に注意してほしいのが、下の番手の長さになります。この辺りがメーカーの差が出やすいところでもあります。

アイアンを販売しているメーカーはほとんどウェッジも作っているので、そのウェッジの長さは、アイアンの長さの流れで設定されています。
ですが、最近では、ウェッジは単体で他のメーカーを組み合わせる方も少なくなく、その際に、アイアンのPW(ギャップウエッジなど)と長さが逆転してしまう、ということが少なくありません。
特に、国産ブランドのアイアンと、外ブラのウェッジの組み合わせだとそのケースが良く見受けられますので、確認してみましょう~。

同様に、ストロングロフトのアイアンの場合、どこまで、その下の番手があるのかも確認しておきましょう。
例えば、PWが42度以下のアイアンを購入しようとすると、例えば、今お使いの52度や50度のウェッジとの間が空いてしまうので、46度や48度くらいのクラブを入れたくなります。
ウェッジ単体で、そのあたりのロフトを合わせられるモデルも少なくないですが、上記しましたように長さの問題だったり、アイアンと同じシャフトが選べなかったりすることもあるので、アイアンの流れで、そのあたりのロフトのモデルが販売しているのかどうかの確認はしておくべきでしょう。

アイアンのロフトが変わってもウェッジは変えない!

そして、最後に、ウェッジのロフトの話も少し書かせて下さい。
このいわゆるギャップウェッジの選択時に、それなら、ウェッジのロフトを変えてアイアンのセッティング合わせればよいのでは?と考える方も少なくありません。
ですが、実は、これが一番、クラブセッティングを複雑化することになることをご認識いただけると嬉しいです。
もちろん、ウェッジも含めてロフト角セッティングを見直す、ということがダメではないですが、このケースは、完全にクラブ全体の見直しになると考えてください。

たいていの方は、ここまで何年かゴルフをされてきていて、ウェッジのロフトは固定されている、もしくは変わっていないという方も少なくないでしょう。
そういった方が、アイアンのロフトが変わったから、ウェッジのロフトもそれに準じて変えていった結果、アイアンのロフトに慣れるのに時間がかからない方でも、ウェッジのロフト角に慣れるには相当の時間を要するという方が多いです。
もしくは、全く慣れることができずに、ウェッジが調子悪くなってしまったという方をたくさん見てきました。
ウェッジのロフトは、球筋、距離感、すべてに影響しますので、慣れるのに相当時間がかかることが多いです。
そのため、ストロングロフトのアイアンにされても、ウェッジのロフトは変えずに、ギャップウェッジで穴埋めしていくことを強くお勧めいたします。

ということで、実は、ドライバー選びよりも、アイアン選びの方が、より細かいことを気にしていく必要があるとご理解いただけると嬉しいです。
やはり、ここは専門家に頼った方が良いかもしれませんね!
アイアンこそ、フィッティングで選ぶことをオススメいたします。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。