アイアンを選ぶ際に注目すべきポイントとは?【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】
続いて、実際に打ってみましょう。
そして、ソールの当たり感などを、マットの上でもわかりますので、感じてみましょう。
実際に芝生の上で打てれば一番良いですが、なかなかそういう機会は少ないですから、マットの上でもどのくらい抜けが良いのかを確認できるようになるといいです。
例えば、わざとダフリ気味に打ってみるのもありだと思います。その結果、どのように感じるのか?を自身のクラブと比較しても良いと思います。
ソール幅が大きいモデルほど、バウンス角は小さいものが多かったりします。逆にソール幅が狭いモデルは、バウンス角が大きいものが多いです。
そのどちらが、自身にとって抜けが良く感じるのか?
このあたりは、入射角度との兼ね合いで変わってきます。
トラックマンなどで、アタックアングルがみられるときはそこも注視してみましょう。
ロフト角のチェックは全番手
そして、ヘッドの話では、やはりロフト角が重要になってきます。
どうしても、飛距離不足の方は、ロフトの立ったモデルを選びがちですが、実はそれが逆に飛距離をロスしている場合も多いです。
今使っているアイアンより、立っているロフトにしたおかげで、7番アイアンは飛ぶようになったんだけど、それより上の番手は球が上がらなくなってしまい、かえって飛ばなくなる、というパターンをよく見かけます。
結果、7番より上の番手は、UTに変更していくという方も多いです。
それが一概にダメということではないのですが、番手構成が変わってしまい、アイアンを変えようとしたことで、セッティングが大幅に変わるということも少なくないです。
その上、特にこういったストロングロフトのアイアンにすると、今度は、ウェッジまでの番手構成が複雑になってしまいます。
PWウェッジのロフトが立つことで、今お使いのウェッジとの距離差が出やすいです。
そうなると、ギャップを埋める番手が必要になり、結局は書いてある番手が変わるだけで入っているロフトは変わらないということが起こり得ります。
また、ご注意いただきたいのが、ストロングロフトのアイアンで多いパターンとして、下の番手ほど、ロフト角差が大きい場合があります。
そのため、番手間距離差が思ったより開いてしまう、ということがありますので、メーカーサイトでしっかりと全番手のロフト角を把握しておきましょう。
大きさの好みは腕前に関係ない
ヘッドの大きさも重要です。
アイアンの方が、ドライバーよりも、このヘッドの大きさが選べるケースが多いです。たいていは、ロフトの立っているモデルほど、大きいモデルが多いです。一見、ヘッドが大きい方が易しいと思いがちですが、これも人それぞれです。ドライバーで小さいヘッドが好きという方も少なくないように、アイアンヘッドも小ぶりな方が好きな方もいらっしゃるでしょう。
ヘッドの大きさというのは、シャフトの挙動に影響します。
ドライバーより短いアイアンとはいえ、この影響は小さくありません。
大きいヘッド=重心距離が長い場合が多いので、その分、その影響で振りにくいと感じる方もいるでしょう。
そういう方にとっては、小さいヘッドの方が易しい、と感じる方が多いです。
また、現在売っているクラブの大半は、小ぶりなヘッドほど、ロフト角が大きいモデルになっていることが多く、球が上がりやすくなりやすいです。
そうなると、これも同様に、その方が易しいと感じることが多いでしょう。
下の番手のロフト角差も開いてないモデルも多いかもしれません。
シャフトの重さはカタログより感覚重視
続いて、シャフトです。
シャフトもいろいろと選べるようになってきました。
標準装備のシャフトでも、数種類選べるメーカーも少なくありません。
最初の買い替え動機の一つに、振り切れないというのがありましたが、その傾向の方でやりがちなのが、シャフト軽くしていくというものです。
実は、この重さの感じ方、というものほど、人によって変わるものはありませんので注意が必要です。
たとえば、総重量だけを見ていくと、軽いシャフトにするほど、軽く感じるのでは? と考えるのが至極当然ですが、実は、軽いシャフト=ヘッドヘビーに感じやすく、かえって振った時に重く感じる、という方も少なくありません。
逆にそういう方の方が多いと考えています。
フィッティングあるあるで、ブラインドでシャフト重量を隠して、軽い方から重い方に打ち比べてもらうと、ある重量に来ると急に、これが一番軽い! という方多いです。
その重量は実は、シャフト重量だけで言うとそんなに軽くなく、たいていの方が、幅広い年齢層で、シャフト重量が100g以上になるパターンが多いです。
80gのシャフトを打った時よりも、120gのシャフト打った時の方が軽い!と感じるのは一聞すると信じがたいと思いますが、これが実際に起こります。
この要因は、今までにも書かせていただいていますが、詳しくはまたの機会にやって書かせていただきます。
簡単に言えば、使う筋肉が変わることで、体全体を効率よく使うことで、軽く感じるということが起こります。
実は、適正なシャフト重量というのは、本当にまちまちで、その人の体力や、腕力、体の使い方、スイングなどで、これらは大きく変わります。
それが年齢だけではなく、それまでのスポーツ遍歴だったり、現在の体の状態だったりで、大きく変わるということを認識していただければ嬉しいです。
これを知るためには、いろいろな重量を、自身の先入観で壁を作らずに打ち比べて欲しいです。
例えば、ダイナミックゴールドはもう年齢的にきつい、と勝手に決めつけるのではなく、ダイナミックゴールドも含めて、重たいものも試してみることをお勧めいたします。
長さはウェッジとの兼ね合いで
つづいて、長さです。
この長さも、実は、細かく見ていくと、メーカーによって設定が違う場合がありますのでご注意です。特に注意してほしいのが、下の番手の長さになります。この辺りがメーカーの差が出やすいところでもあります。
アイアンを販売しているメーカーはほとんどウェッジも作っているので、そのウェッジの長さは、アイアンの長さの流れで設定されています。
ですが、最近では、ウェッジは単体で他のメーカーを組み合わせる方も少なくなく、その際に、アイアンのPW(ギャップウエッジなど)と長さが逆転してしまう、ということが少なくありません。
特に、国産ブランドのアイアンと、外ブラのウェッジの組み合わせだとそのケースが良く見受けられますので、確認してみましょう~。
同様に、ストロングロフトのアイアンの場合、どこまで、その下の番手があるのかも確認しておきましょう。
例えば、PWが42度以下のアイアンを購入しようとすると、例えば、今お使いの52度や50度のウェッジとの間が空いてしまうので、46度や48度くらいのクラブを入れたくなります。
ウェッジ単体で、そのあたりのロフトを合わせられるモデルも少なくないですが、上記しましたように長さの問題だったり、アイアンと同じシャフトが選べなかったりすることもあるので、アイアンの流れで、そのあたりのロフトのモデルが販売しているのかどうかの確認はしておくべきでしょう。
アイアンのロフトが変わってもウェッジは変えない!
そして、最後に、ウェッジのロフトの話も少し書かせて下さい。
このいわゆるギャップウェッジの選択時に、それなら、ウェッジのロフトを変えてアイアンのセッティング合わせればよいのでは?と考える方も少なくありません。
ですが、実は、これが一番、クラブセッティングを複雑化することになることをご認識いただけると嬉しいです。
もちろん、ウェッジも含めてロフト角セッティングを見直す、ということがダメではないですが、このケースは、完全にクラブ全体の見直しになると考えてください。
たいていの方は、ここまで何年かゴルフをされてきていて、ウェッジのロフトは固定されている、もしくは変わっていないという方も少なくないでしょう。
そういった方が、アイアンのロフトが変わったから、ウェッジのロフトもそれに準じて変えていった結果、アイアンのロフトに慣れるのに時間がかからない方でも、ウェッジのロフト角に慣れるには相当の時間を要するという方が多いです。
もしくは、全く慣れることができずに、ウェッジが調子悪くなってしまったという方をたくさん見てきました。
ウェッジのロフトは、球筋、距離感、すべてに影響しますので、慣れるのに相当時間がかかることが多いです。
そのため、ストロングロフトのアイアンにされても、ウェッジのロフトは変えずに、ギャップウェッジで穴埋めしていくことを強くお勧めいたします。
ということで、実は、ドライバー選びよりも、アイアン選びの方が、より細かいことを気にしていく必要があるとご理解いただけると嬉しいです。
やはり、ここは専門家に頼った方が良いかもしれませんね!
アイアンこそ、フィッティングで選ぶことをオススメいたします。
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ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。