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【脇元華の優勝セッティング】"180Yをしっかり打てる3U"がハマって、ツアー初優勝をゲット

2025/11/18 ゴルフサプリ編集部

2025年のシーズンも最終局面に入った「伊藤園レディス」(グレートアイランドGC/千葉県)で、プロ8年目の脇元華が悲願のツアー初優勝を飾った。新チャンピオンの14本をチェック!

“曲がらないドライバー”で確実にFWをキープ

契約フリーの脇元は、和洋折衷の多様なメーカーをミックスしたクラブセッティングとなっている。
ドライバーは「G440 MAX」(9度)で、開幕戦で使ってからは別のモデルに替えていたが、自身としては前戦となる「三菱電機レディス」から再起用した。
「ピンのクラブは、曲がらないイメージがあります。飛ばないで曲がるより、飛ばなくてもいいから曲がらないクラブにしようと思いました」(脇元、以下同)

女子ツアーの中では、ドライバーが飛ぶほうのタイプではないが(「ドライビングディスタンス」77位/231Y)、そういう選手が飛距離を求めて曲がるよりも、徹底的に安定性を追求したということ。
その効果は絶大だ。同大会のスタッツを見ると、3日間トータルで「FWキープ」はトップ(40/42)となり、優勝争いのプレッシャーがかかる最終日もFWを外さなかった(14/14)。そして、女子ツアーの「FWキープ率」のランキングで28位(70.7%)と、自身の中でも上々のスタッツに。

3Wは、これまでにFWの名器を数多く輩出しているテーラーメイドのモデルを入れることが多く「Qi35」(15度)をバッグイン。ソールのフェース側に鉛を貼っていることから、この番手では球を強く前に飛ばしたいという狙いが見て取れる。

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180Yをしっかり振って狙える3Uが功を奏した

その下の番手を見ると、自身の前戦となる「三菱電機レディス」までは5Wを入れていたが、この週から3Uに入れ替え。FWは3W一本にして「G425 ハイブリッド」のUT3本セット(3U/19度、4U/22度、5U/26度)で臨んだ。

「以前までは180Yを打てるクラブがなくて、5Wで(距離を)抑えて打っていましたが、それだと薄く当たったりしがちでした。そこで、180Yをしっかり打てるクラブにしようとして3Uに。この作戦が今週はスゴくハマりました」

コメントを深読みしよう。この大会では180Y台のパー3が2ホール(2H、7H)ある。そのパー3のティショットで、5Wをコントロールするよりも、3Uでしっかり振ってグリーンを狙えるメリットを感じたのかもしれない。実際に、この2つのパー3ホールでは、2日目は2Hで、3日目は7Hでバーディを奪っている(ボギーなし)。

アイアンとウェッジの流れを合わせるカーボンシャフト

一方で、プロ入りしてからずっと使い続けて、替えられないというウェッジ「RM22」(フォーティーン)。しかも、47度、52度、58度というフォーメーションもほぼ不動ではないだろうか。
とくに47度は、ヘッド下部にベッタリと鉛を貼っているのが特徴的。52度はソールのフェース側がくっきりと面取りされて、突っかかりづらさや抜けの良さがうかがえる。アプローチで出番が多い58度は、ソールの後方がヒール側にかけて落とされていて、フェースを開きやすくしているのだろう。
この手放せないウェッジが「リカバリー率」のスタッツで26位(63.9%)という、安定したショートゲームとスコアメークに貢献している。

「ウェッジのシャフトをカーボンにしているのは、アイアンとの流れを合わせるためです。スチールシャフトだと3日目に疲れてきて、薄く当たったときホントに飛ばなくて手前のバンカーに入ったりしてしまう。カーボンシャフトだと、そういうことを助けてくれるイメージがあるんです」
そう聞いて、パターを除いた13本のシャフトを見直すと、ウッド(ドライバー、FW・UT)は「スピーダー」系、アイアンは「トラヴィル」(85・S)、ウェッジは「MCI」(90・S)と、シャフトのモデルは違えどフジクラで統一している。今どきの“カーボン女子”ということだ。

男子プロも入手できない(!?)プレミアムなパターを投入

最後に、スコッティ・キャメロンのマレット型パター「P5・SSS」について、本人がこういうエピソードを明かしてくれた。
「キャメロンのセンターシャフトを作ってもらって使っていたのですが、『三菱電機レディス』でタイトリストの担当者が『これ、華ちゃんに合うと思うけど』と言って持ってきてくれたパターが良くて。稲見萌寧選手のキャディをしているパッティングコーチが『これ、男子プロが欲しいと言ってももらえないのに何で持ってるんですか?』と言われてこのパターの貴重度を知ったので、大事にしようと思いました」

とくに女子プロは、シーズン中にクラブを替えるのは敬遠しがちだ。しかし、脇元はこの大会前に、年間ポイントランキングで来シーズンのシード獲得圏外にいたこともあってか、カギになるクラブを思い切って入れ替えた。その“戦略的スイッチ”がことごとくハマり、シード奪取どころかツアー初Vに輝いた。
この優勝によって、地元・宮崎で開催されるシーズン最終戦「ツアーチャンピオンシップ リコーカップ」での凱旋出場が叶う。自身の活躍で地元のトーナメントを盛り上げたい。

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