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なぜ転がりが“真っすぐ”になる? オデッセイ最新ゼロトルク「Square 2 Square TRI-HOTパター」の秘密に迫る

野村タケオのゴルフ実験室

2025/11/26 ゴルフサプリ編集部 野村タケオ

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。2025年の流行りのパターといえば「ゼロトルク」ですよね。オデッセイから新しく赤いゼロトルクパターが発売となりました。これ、今までのゼロトルクとは少し違っているらしく、とても構えやすくなっているのだとか。一体どんなパターなのでしょうか?3種類のヘッドをお借りしてコースで試打してみました。

〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉

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今回僕が試打したのはオデッセイから発売された「Square 2 Square TRI-HOTパター」です。いわゆる最近流行りのゼロトルクパターのシリーズということになりますね。ヘッドタイプは3種類で、数量限定販売の中尺タイプを含めれば4種類がラインナップされています。その中から今回は中尺以外の3種類のヘッドを全て打ってみました。

「Square 2 Square TRI-HOTパター」はゼロトルクパターなのですが、ゼロトルクというとシャフトがフェース面から少し右側に挿さり、さらに飛球線方向に傾いているというものが多いですよね。あのシャフトの装着位置や、シャフトが傾いてハンドファーストになる感じがどうしても馴染めないという人がいるんですよ。僕もシャフトの傾きが多いのは少しストローク中に違和感を感じちゃいます。

しかしこの「Square 2 Square TRI-HOTパター」はシャフトの装着位置がかなりフェース面に近く、シャフトも傾いていないので、その辺りの違和感がないパターに仕上がっているんです。その秘密はヘッドの重量の約80%をフェース側に持ってくるという構造。フェース裏には比重の重いタングステンを配置し、その後ろにステンレス、そして後方部分には軽いアルミニウムという構造にすることで、ヘッドの重心位置をヘッド前方に持ってきているんですね。

一般的なゼロトルクパターが、シャフトを傾けてハンドファースト化しているのは、フェース面が重心位置=シャフト装着位置から前に出すぎてしまうためですが、「Square 2 Square TRI-HOTパター」の重心位置=シャフト装着位置はフェース面にとても近いため、シャフトを傾ける必要がなく、従来のセンターシャフトのような感覚で構えることができるようになったわけです。

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そしてオデッセイのパターと言えば「AI」です。このパターのフェース面には約1万5000回のシミュレーションと72種類のプロトタイプ製作により新たに開発されたAi-DUAL・インサートが搭載されています。このインサートはボールを打つ側に柔らかいウレタン樹脂、内側に硬いウレタン樹脂を配置した2層構造をしており、2つのウレタン樹脂の境目部分は、複雑に曲がりくねった形状となっています。これはもちろんAIが設計したもので、どこで打ってもボールスピードが大きくバラつかず、さらに安定して順回転が入るように設計されています。最初に曲がりくねった境目を見た時は、塗装がはげているのかと思っちゃいましたが、この形がAI設計によるものなんですね。

また、Ai-DUAL・インサートには新たにF.R.D (Forward Roll Design)グルーブが採用されています。このフェース面の溝は直角三角形の窪みが連なっているような独特の断面となっており、ボールが当たる斜辺部分は、垂直方向に対して19度の角度で飛球線方向の斜め上を向いています。この形状により順回転がかかるようになっており、傾斜や芝目の影響を受けにくく、よりラインに乗りやすい転がりを生み出します。

さらにAi-DUAL・インサートはウレタン樹脂のみで作られており、打感は柔らかく、打音もホワイト・ホットインサートに近いものになっています。

まずはツノと呼ばれる「#7」を構えてみました。形状的にはもうお馴染みの形で、とても構えやすいです。目標に対してまっすぐのラインがたくさんあるので、方向性が本当に取りやすい。またトップブレードが黒く、その後方部分が赤いツートンカラーとなっているので、目標に対して直角のラインで方向を合わせる人にも良さそうです。

シャフトの装着位置がフェース面にかなり近いので、構えた感じはほぼセンターシャフトパターという感じ。加えてシャフトの傾きもないので、これ本当にゼロトルク?って思ってしまいます。センターシャフトパターが結構好きな僕としては、全く何の違和感もなく構えられますね。

打ってみると、ヘッドは本当にまっすぐスーッと動いてくれます。フェース側が重いので、今まで使ったことのあるどのゼロトルク系よりもヘッドの動きがスムーズに感じました。前に勝手に動いてくれるような感覚がありますね。

打感はかなり柔らかく、打音も低めです。少しフェースに食いつくというか、乗るような感覚があってからボールが転がり出します。ボールの回転はとても良く、すぐに順回転になるような感覚。

今までのゼロトルク系って、個人的には少しロングパットや重いグリーンでの距離感が合わせにくかったのですが、これは浅重心のおかげかしっかりとした手応えを感じるので、その辺りの距離感もかなり出しやすくなっていると思います。方向性はとてもいいので、当然ながらショートパットはかなり入る確率が高くなると思います。

次にシマシマ模様の「JAILBIRD」を構えてみましたが、これもとても構えやすい。「#7」に比べてヘッドの安定感を感じます。縦縞により目標に対して直角のラインで方向を合わせる人にはとてもいいですね。僕はそのタイプなので、このデザインはとても好きです。

構えたイメージはこれも本当にただのセンターシャフトパターのように感じます。しかし振り感は「#7」と同じでとても振りやすく、スーッとまっすぐヘッドが動く感じ。打感や打音も「#7」とほぼ同じ感じですね。ボールの転がりなどもほぼ同じですが、これの方が少しだけ強い転がりのように感じました。

最後に「ROSSIE」です。これは少しポッテリした形状と目標に対するラインの少なさで、少しアバウトな感じで構えたい人にはいいんじゃないでしょうか。トップブレードが黒いので、ラインに直角に合わせる人はこれがいいでしょうね。

少しヘッドが分厚く感じるので、ゴツッとボールに当てるイメージが湧きます。ストロークの感じは他のモデルと同じでまっすぐスーッと動きますが、形状的なものでしょうが少し当たり方が分厚く感じますね。こういう形状のゼロトルクってあまり見かけないので、これがハマる人もいそうです。

今回「Square 2 Square TRI-HOTパター」を3種類打ち比べましたが、どれもとてもストロークしやすくて、目標に対してとてもいい転がりの球が打てました。構えた感じは本当に普通のセンターシャフトっぽくて構えやすい。しかしセンターシャフトと違うところはオフセンターヒットに強いところ。わざとトウ側などで打ってみたりしましたが、ヘッドのブレが本当に少なく、何事もなかったのように真っすぐ転がってくれました。いや〜本当によくできたパターです。今までゼロトルクがイマイチ打ちこなせなかった人は一度試してみると、これなら行ける!ってなるかもしれませんよ。僕もこれはかなり欲しくなっちゃいましたが、お値段が少しお高めなんですよね〜。もうちょっと安くならないもんかな〜と思いました。

ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。

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