知らないと損! IPの旗を使えば狙う方向もレイアップ位置もブレなくなる
もう少しでシングルがシングルプレーヤーになった話
フェアウェイの途中に立つIPの旗は、ゴルフ場によっては目立たず、気にも留めないアマチュアゴルファーも多いです。しかし本来は、造成段階の測量から由来するフェアウェイ中央の基準点であり、現在はプレーヤーの安全確保にも活用される重要なサインです。この旗をただの目印として見過ごすか、ラウンドの判断材料として活用するかで、プレーの質も安全性も大きく変わりますよ。
IPの旗を設置するゴルフ場の目的は?
先日、ゴルフ友達とこんな話になりました。ゴルフ友達から「フェアウェイのセンターに黄色の旗があるけど、あれは何?」と聞かれました。私は「IP(インタークロス・セクション・ポイント)の旗だよ。ティーイングエリアにIPの旗までの距離が書いてあるように、距離と方向の目安になるよ」と答えました。ゴルフ友達から「IPの旗があるゴルフ場とないゴルフ場があるけど、IPの旗を設置する目的は?」とさらに聞かれました。私は「正確かわからないけど、プレーヤーの安全確保と円滑な進行だと思うよ」と答えました。
みなさんは、IPがインタークロス・セクション・ポイントの略だと知っていましたか? 私はこの原稿を書く時に初めて知りました。もともとは測量用語で、ゴルフ場を造成する時に使った測量上の基準点で、ティーイングエリアの中央とグリーン中央を結ぶ2本の直線が交わる点のことです。その2本の直線を中心線として各ホールの設計や造成が行われたとのことです。その名残として、ミドルホールでセカンドショットを打ちそうなエリアや、ロングホールの3打目を打ちそうなエリアにIPの旗が設置されています。今回はIPの旗の有効活用方法を説明させていただきます。
IPの旗を安全確保と円滑な進行に活用!
ゴルフ場がIPの旗を設置しているのは、プレーヤーの安全確保と円滑な進行が目的です。IPの旗が設置されている場所は、カート道とプレーヤーの動線が交差したり、地形的にブラインドになって後続組から見えにくくなる危険ゾーンであることが多く、プレーヤーは旗を見かけたらまず周囲と後方の確認を行う必要があります。特に重要なのは、前の組がIPの旗付近にいるとき、必ず打たずに待つという判断です。IPの旗の周辺は後続からの視界が悪いことも多く、前組が少し動いただけで死角に入ることがあります。距離が十分あるように見えても、前組がIPの旗から完全に離れるまではショット禁止という認識が安全の鉄則です。また、自分たちがIPの旗付近にいる場合は、長く止まらず速やかに移動することで、後続組からの打ち込みリスクを大幅に減らせます。ティーイングエリアで前組のセカンドショットを待っている時も、全組がIPの旗付近から離れたタイミングでティーショットを打ち始めると前組との適切な距離感を保ちながら円滑な進行に貢献でき、スロープレーになることも避けられます。
IPの旗をマネジメントに活用!
IPの旗を安全面だけでなく、マネジメント面でも利用できます。もともとフェアウェイセンターライン上に置かれているため、ティーショットを打つ前にこのホールの本当の真ん中はどこかを判断することができます。
特に、視覚的には右が広く見えるのに実際は左が安全だったり、逆に左が広く見えても右に本来の落としどころがあるホールなど、設計者が意図的に作る錯覚を見抜く助けにもなります。
また、ブラインドホールや傾斜地で方向感覚を失った際、セカンド地点からIPの旗の方向を確認することで、正しいフェアウェイ方向を簡単に取り戻せます。さらに、IPの旗を起点に「旗 → グリーン → 落としどころ」をセットでイメージすることで、レイアップ方向も自動的に決まり、無駄なOBや深いラフへのミスを減らせます。IPの旗を意識できるようになるで、コース全体を読む力が磨かれ、スコアに直結する実戦的なマネジメントに活用することができます。
ちなみにですが、IPの旗の近くにボールが止まり、スイングの妨げになりそうな時は無罰で旗を抜くことができます。抜いた場合は必ず元に戻すことを忘れないでくださいね。それでは、引き続きアマチュアゴルファー目線で役立つ記事を投稿できればと思っていますので、次回の投稿を楽しみにお待ちください。
もう少しでシングル(ペンネーム)
東京都内在住の40代のサラリーマンゴルファー。2011年にゴルフを始め、現在のJGA/USGAハンディキャップは7.5。2020年にはヘッドスピードアップにチャレンジし、42.4m/sからスタートし、61.0m/sまでアップ。2020年からシングルプレーヤーになる過程を記録するために、ブログ「シングルプレーヤーへの道は遠い?」を運営。
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