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高麗グリーン用パター投入の穴井詩が13位→首位へ浮上 “最初の2センチ”へのこだわりとは?
「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」2日目
日本女子ツアーの2025年シーズン最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」2日目(28日、宮崎CC)は4打差の13位から出た穴井詩が1イーグル、5バーディー、2ボギーの67で回り、通算6アンダーの単独首位に浮上した。プロでも苦手意識を持ちがちな高麗グリーンを攻略できたのは、今週から投入したパターでの「2~3センチへのこだわり」があった。
今週からエースパターの代わりにサークルTを投入
高麗グリーン、というと一般アマチュアだけでなくプロでも苦手意識を持つ選手はいます。
その理由のひとつが、近年はプロのトーナメントが開催されることが減ったため。
今シーズンの日本女子ツアーでは、川奈での「フジサンケイレディス」が中止となったこともあり、開幕戦の「ダイキンオーキッド」と今大会だけでした。
そこで会心のゴルフをした穴井が13位から一気に首位に浮上です。
1番パー4でのイーグルは、残り106ヤードを52度のウェッジで放り込んだものでしたが、5バーディはツーオンさせた13番パー5以外は2~7メートルを決めてのものでした。
ベタピン、とはいえない距離を決めることができた要因は、今週から投入したスコッティ・キャメロンのサークルT「ファントムT-7.2」でした。
今シーズンの平均パット数は90位…
今シーズンの平均パット数が90位(1ラウンドあたり。パーオンしたホールは78位)のスタッツで最終戦に乗り込んだ穴井は普段使っているエースパター(2ボールブレード)ではなく高麗グリーン用パターを使う、と決めていました。
といっても事前に使うモデルを決めていたのではなく、エースパターよりも転がりの良いパターを求めていました。
最初に試したのはキャメロンのインサート付きモデルでしたが、「もっと強い(速い)出球にしたい」となって、この「ファントムT-7.2」になりました。
このパターにしたことで「インパクト後のスピードが違います。同じストロークをしても、ちゃんと転がって伸びてくれるのが全然違います」と穴井は説明します。
インパクト直後の2~3センチが違う
フェースの素材が「2ボール」は樹脂。「ファントム」はステンレスということもあるのでしょうが、これによってインパクト直後の出球が“強く”なり、特に最初の2〜3センチを狙った所にしっかり打ち出すことができて、ちゃんとラインに乗ってくれるのだそうです。
出球が弱いとそこで高麗芝独特の芽に負けてしまってラインを外れてしまい、読みがあっていても、入らない…となってしまうのがなくなるのはグリーン上のストレスを大幅に減らしてくれます。
この日のパット数27は出場選手で4位の少なさでした。
今シーズンの優勝者やポイントランキング上位者の40人しか出ることのできないエリート大会でこれは立派なこと。
そしてパット数だけでなく、スコアでも首位に立ったのですから、パター変更は大正解だったといえるでしょう。
初出場の2014年はプレーオフで敗戦。そのリベンジを果たせるか
今大会には10回目の出場となる穴井は、初出場だった2014年にテレサ・ルーにプレーオフで敗れた2位が最高成績です。
この日の67は、2014年の3日目に並ぶ宮崎CCでのベストスコアタイでした。
「毎年、勝って(シーズンを)終わりたいとは思っています」と話した目標の達成へのカギは「ティショットをフェアウェイに置いて、しっかりグリーンに乗せていければ」と話しました。
裏を返せば、グリーン上でのパット勝負になれば自信あり、のようです。
2日目は平均パット数1位(1ラウンドあたり。パーオンホールでは4位)の鈴木愛との最終組対決。グリーン上での戦いが注目です。
(取材・文・写真/森伊知郎)