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ロフト18度のフェアウェイウッドとユーティリティ。ヘッドスピード40m/sならどっちが飛ぶ?

吉本巧のゴルフギア教室 第95回

2025/11/29 ゴルフサプリ編集部

ロフト18度のフェアウェイウッドとユーティリティ。同じロフトなら飛距離も同じと思いがちですが、実はヘッドスピードや球の上がりやすさによって得られる結果は変わります。平均的なアマチュアゴルファーが飛ばせるのはどちらなのか。吉本巧プロがその理由と最適な選び方を解説します。

平均的なヘッドスピードでミート率が同じならFWの方が飛ぶ

ロフト18度のフェアウェイウッド(以下FW)は番手で言うなら5W相当、ユーティリティ(以下UT)は文字通りロフトの表示が18度のUTです。結論から言ってしまうと、ヘッドスピードが45m/s前後あるパワーヒッターならUTの方が飛ぶ可能性がありますが、ヘッドスピードが平均的(40m/s前後)なアマチュアゴルファーならFWの方が飛びます。その理由を両者の特性を見ながら紹介しましょう。

クラブの特性を100%発揮するにはミートすることが大事です。ギア目線で見た場合、ミート率を上げるにはフェースの芯の広さが影響しますが、18度のFWとUTを比べると少しだけFWの方が広いと言えます。これはヘッドの大きさによって生じる物理的な違いで、FWの方がヘッドが大きいぶん広いということです。

ボールの上がりやすさも飛びを左右する要素です。FW、UTともロフトが同じなので変わらないと思いがちですが、FWの方がボールは上がります。これはヘッドに奥行きがあるFWの方が重心位置が深いため。その影響もあってインパクト時にヘッドが傾き、ロフトが大きくなって打ち出し角が高くなるからです。打球が上がらず飛ばない人はもちろんのこと、弾道が低くてボールが止まらない人もFWの方が恩恵があります。

シャフトの長さを比べてみると、一般的にFWの方がUTよりも2インチ程度長くなっています。シャフトの長さが最も影響するのは操作性で短い方が操作はしやすい。この観点からすると、短いUTの方がヘッドの位置を感じやすいため操作性は高くなります。操作性が高い=芯に当てやすいとも言えます。FWの方がわずかに芯が広いのは事実ですが、中にはシャフトの短いUTの方が芯に当たりやすい人もいて、そんな人は両者の飛距離があまり変わらないかもしれません。

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肝心の飛距離ですが、冒頭で紹介したように平均的なヘッドスピードでミート率が同じならシャフトが長いFWの方が飛びます。その違いはナイスショットした場合で5~10ヤード、ヘッドスピードが速い人ならさらに飛びます。この差を生む一番の要因は打球の上がりやすさ。前述したようにFWに比べてUTはボールが上がりづらい。弾道が低いほど飛ばなくなるということです。

もっとも、これは18度のUTに限ったことではありません。特にヘッドスピードが40m/s前後のアマチュアゴルファーの場合、UTのロフトが10度台になるとてきめんに球が上がらなくなり、本来の飛距離より10~20ヤードも飛ばなくなるので注意が必要です。これらの理由から、同じ18度のロフトのFWとUTならFWの方が飛びますしメリットも多い。UTはヘッドスピードに加え、芯で打てる技術も必要なのでおすすめしません。

FWにしろUTにしろ、アマチュアの方の場合、距離的には150~200ヤードくらいをカバーすることになると思います。パー4の2打目やパー3のティショットなどグリーンを狙う時に使うわけで、そうなると飛距離もさることながら、ある程度高い球を打って落下角度を確保しなければなりません。球が上がりづらいUTだと手前のバンカーに入ったり、グリーンをとらえても止まらずオーバーすることあるので攻めづらくなります。

ロフト18度のUTは番手で言うと4番アイアンを問題なく打てる人ならイケると思います。4番の上に入れるといい感じですが、それでもアマチュアの方にはハードなのでスチールシャフトは選択肢から外し、カーボンシャフト一択にしましょう。ただ、基本的にはロフト20度台から入れるのが無難です。FWにしてもそうで5Wが打てない人もいるでしょう。そんな人は7WでもOK。十分武器になると思います。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

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