今どきアイアンの飛ばしは「ゆるやかダウンブローに打つ」のが大正解! ”上から鋭角に!”なんてしなくてOK
オジサンだって、まだまだ飛ばしたい!【人気コーチ・大西翔太のFW&UTアイアンの飛距離アップレッスン!】
ドライバーだけでなくフェアウェイウッドやユーティリティ、アイアンもしっかり飛ばしたい! そんなシニア世代のゴルファーたちに大西翔太コーチが飛ばしのコツをアドバイスするシリーズ。第16 回はアイアンの大原則である「ダウンブロー」を解説。これを正しく理解すれば気持ちよく飛ばせるようになるという。
構成/三代 崇 写真/相田克己 協力/船橋カントリークラブ
今のアイアンは飛行機の着陸のイメージで、クラブを鈍角に振り下ろすのがベスト!
ダウンブローといえども自分で鋭角に振り下ろす必要なんてない
アイアンといえばダウンブロー。上からしっかりとダウンブローに打たないと飛ばない。キャリアの長いオジサンゴルファーたちは、耳にタコができるほど聞かされたとよくいいます。
でも、よく考えてみてください。ボールは芝の上にあるのですから、ボールをティアップして打つドライバー以外は、「ダウンブロー=下降軌道」でボールをヒットするのは当然で、それはアイアンに限らずフェアウェイウッドやユーティリティも変わりません。
ただしダウンブローのイメージを間違えないことです。クラブを急角度で振り下ろそうとすると頭が目標側に動いてしまいやすく、フェースの刃が芝に刺さってクラブがスムーズに振り抜けない。鋭角に打つほどインパクトでロフトが立つのでボールが上がりにくい。ダウンブローを意識しすぎては、かえって飛ばなくなるのです。
今のアイアンは大半が低重心設計でボールが上がりやすくなっていますから、クラブを急角度で振り下ろす意識は持たないようにしましょう。
アイアンはフェアウェイウッドやユーティリティよりも短いですから、その分ボールの近くに立って構えます。するとスイングの軌道が縦型となります。自然にアップライトな軌道となるわけで、フェアウェイウッドやユーティリティと比べればダウンブロー感覚は強まるけれど、自分で鋭角に振り下ろす必要なんてないのです。
ゆるやかダウンブローはヘッド・ビハインド・ボールが大前提となる
イメージとしては飛行機の着陸がいいと思います。滑走路に向かう飛行機は低い角度から下降しますよね。それと一緒でアイアンショットも「ゆるやかダウンブロー」に、つまりクラブを鈍角に下ろしてくるくらいのイメージを大事にしてください。
打った後はボールの先のターフを薄く長く取るつもりで、クラブヘッドを低く出していくイメージで振り抜きましょう。
飛行機の着陸のイメージで、ゆるやかダウンブローに打つには「ヘッド・ビハインド・ボール」が絶対条件です。鋭角に打とうとして頭が目標方向に流れるほどダウンスイングの軌道が鋭角になってしまうわけで、左頬を壁に当てている気持ちで頭が絶対に左に動かさないようにすれば鈍角に振り下ろせるようになります。
ちょっと難しい話になりますが、インパクト時の「右側屈」もゆるやかダウンブローに打つためのポイントです。プロたちはインパクトで上体を真っすぐか、少し右傾きの体勢を作ります。
ダウンスイングからインパクトにかけて腰を左に回転し、体重を左足に乗せることを前提として、右ワキ腹を少し縮めるようにするとヘッド・ビハインド・ボールとゆるやかダウンブローの軌道が作れるのです。こうしたポイントも頭に入れておくと、アイアンの飛ばしにきっと役立つと思います。
大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。