フェアウェイウッドのシャフトはドライバーと同じでいい? 失敗しない重量・硬さ・キックポイントの選び方を解説
吉本巧のゴルフギア教室 第97回
フェアウェイウッドになると急にミスが増える。その原因は、ドライバーとの“シャフトの流れ”が崩れていることにあります。吉本巧コーチが、FWを圧倒的に打ちやすくするための「重量・硬さ・キックポイント」の最適セッティングを分かりやすく解説します。
ドライバーより重く、硬く、キックポイントは手元寄り
今回のテーマはフェアウェイウッド(以下FW)のシャフト選び。ドライバーのシャフトにこだわるアマチュアゴルファーは多いですが、FWになるといきなり無頓着になり、気にするのは硬さくらいという感じになってしまう人が多いのではないでしょうか。ここでは今使っているドライバーのシャフトが自分に合っていることを前提に、そのシャフトをベースにした選び方をお伝えします。
理想的なのはドライバーのシャフトと同じモデル、あるいは同シリーズのシャフトを使うことです。パーフェクトではないとしても、淀みない流れのセットアップになりやすいので、まずはここから入るといいでしょう。それでしっくりこなければシャフト探しの旅に出ることになりますが、その際に押さえておかねばならないポイントは3つ。シャフトの重量、硬さ(振動数)、キックポイントです。
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まずは重量ですが、ドライバーのシャフト重量と同じ、もしくは+10グラムまでの範囲に抑えたいところです。ドライバーのシャフトが50グラム台なら50〜60グラム台まで、60グラム台なら60〜70グラム台までということですね。重いシャフトが好きな人は多少重くてもいいですが、せいぜい+20グラムまで。これ以上重くなると流れが途切れます。逆にドライバーより軽いシャフトはNG。理由は後述します。FWを2本入れるなら重量は揃えるのが基本です。プロの中には変えている人もいますが、多くはティショットで使いやすいように3Wをドライバーと揃えて、それより下のFWは重くしています。
次に硬さですが、言うまでもなくドライバーより「軟らかい」、「硬い」、「同じ」の3パターンのいずれかになりますが、軟らかいのはXです。軟らかくするならほんの少しだけ。理由はシャフトのしなりやヘッドが暴れるのを最小限に抑えたいから。ドライバーに比べてヘッドが小さいFWでミート率を高めるには、シャフトの挙動を安定させたい。ティアップして打つドライバーなら許容範囲がありますが、地面のボールを打つFWはシビアなのです。また、軟らかいシャフトは重量が軽くなります。この兼ね合いもあってドライバーより軽い重量のシャフトは避けたいということにもなります。
理想的なのはドライバーと同じ硬さ。特にこだわりがなければ一番おすすめでセットの流れが作れます。ドライバーより硬いシャフトは△。少し硬いくらいならいいですが、ギャップを感じるほど硬いのはよくありません。なぜ少しくらいならいいのかといえば、FWではなるべく無駄なしなりを控えてミート率をアップしたいから。しならせて飛ばすドライバーとは違うので少し硬くてもいいのです。
最後にキックポイントですが、ドライバーのキックポイントが先調子か、中調子か、元調子かによって相応しいFWのシャフトが変わります。これもドライバーと同じキックポイントであれば、まず問題はありません。ドライバーが先ならFWも先、中なら中、元なら元ということですね。
ドライバーが先調子の場合、FWは先か中ならOKですが、元は避けた方がいい。ドライバーが中調子なら先はいまひとつで、中と元はOK。ドライバーが元調子なら先はダメ、中はまあまあで元はOKです。わかりやすいよう表にしました。
要はドライバーとFWのシャフト挙動が両極端にならないようにすることが大事。特に元調子のドライバーに先調子のFWを組み合わせると、全く性格の違うクラブになって打ち方を変えざるを得なくなります。ドライバーが先調子でFWが元調子も両極端ではありますが、FWのシャフトが元調子の分にはヘッド側が暴れすぎないので許容範囲となります。
考え方としては、FWに中、元はいいけれど先はイマイチ。ヘッドが動きすぎてFWだけ当たらない事態に陥りやすくなります。キックポイントはドライバーよりも手元側にあると安定しやすい。例えばドライバーは中調子でしならせて飛ばし、FWは元調子で打点の安定を図る。実際、私はこの設定です。
吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。
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