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「日本シリーズ」優勝 クラブにこだわらない 小木曽喬 がこだわる1度未満のこととは?
日本男子ツアーの最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」最終日(7日、東京よみうりCC)は首位タイから出た小木曽喬が1イーグル、4バーディーと1ボギーの65(パー70)で回り、2位に2打差をつけてツアー通算2勝目を挙げた。「クラブにはこだわらない」と言いながらも、ウッド系は“カチャカチャ”で1度未満の角度にこだわって調整していた。アマチュアも参考にできる、その中身とは。
同郷の後輩、金子駆大を賞金王にするためにも勝ちたい
首位タイからスタートした小木曽のこの日の目標は、昨シーズンの「ハナ銀行 インビテーショナル」以来の自身2勝目とともに「同じ愛知出身のコータ(金子駆大)に賞金王になってほしかった。蝉川(泰果)、大岩(龍一)が優勝しなければ、そうなる。だから僕が勝ちたかった」ということでした。
5番でバーディを先行させると、6番パー5はグリーン右からチップインイーグル。
後半も3つのバーディを奪う、堂々たる勝ちっぷりでした。
「クラブにこだわらないことが大事」
その小木曽のキャディバッグをのぞかせてもらうと、パター以外の13本は契約するダンロップのクラブが入っています。
クラブについて小木曽は「こだわならいのって大事だと思うんです」と言います。
ツアープロともなれば、カタログにはない「プロトタイプ」などを使うケースも多々あります。
それをしない理由は「ソールを削ったり、顔を変えたり、プロトタイプとかにするとキリがなくなるし、すると“同じクラブ”が生まれなくなる。だからメーカーさんから渡されたモノをそのまま使うようにしています」と説明してくれました。
3Wは「0.3度」を調整 その意味は
それも一理ある、と思いウッドを詳しく見ると、3番ウッド(W)には「HL」のシールが貼ってあり、ロフトは0.3度立てて、 ライ角はフラットにしてありました。
これはどう見ても“こだわり”でしょう。
そう思って聞くと、「ヘッドが左を向いているのが好きじゃないので、できるだけ(ロフトが)寝ているヘッドを選んで、カチャカチャで調整しています」と教えてくれました。
3Wに貼ってあるシールのHL(ハイローンチ)はヘッドのリアルロフトが少し寝ている(=左を向いている)個体、の意味です。
それを立てている(=右に向くようにする) ので、クラブとしてのロフトは表記通りの15度ぐらいです。
ドライバーやFWのヘッドには個体差があり、ロフトなどの角度はプラスマイナス1度ぐらいの差が発生します。これはどこのメーカーの、どのモデルでも発生しうることです。
ツアープロならロフト表記通りの個体を選んでもらうことも可能。
それを寝ているヘッドのロフトを立てて相殺することに意味があるの?と思いがちですが、クラブにこだわらない小木曽が唯一こだわるのがここでした。
構えた時の安心感が大事
さらにライ角はフラットに。
FWはパー5のツーオン狙いや狭いホールのティショットなど、シビアな場面で使うことが多くなります。
ライ角をフラットにすると、アドレス際にソールのトー側が浮かず、全体が地面に付くようになります。
こうして構えた時に安心感を得られるようにしています。
小木曽は今シーズンのパー5での累計スコアが125アンダーで全体の5位でした。
ツーオンの成功率は12.734%で43位だったので、グリーンに乗らないまでも3打目を打ちやすい場所に確実に運んでいることの証でしょう。
クラブが左を向いている?と感じたら、本当に左を向いているのかも…
一般ゴルファーでも、「このクラブは左を向いている気がすると感じることがあるかもしれません。
前述のようにクラブには個体差があるので、それは本当に左を向いているのかもしれません。
ここで「気になる」「気持ち悪い」というようになると、その時点でナイスショットできる確率は下がってしまいます。
ですので、クラブ購入の際にショップなどで同じスペックを複数から選べるなら、実際に構えて比べてみることが大事です。
あるいは小木曽のように、あえてどちらかを向いているのを選んで、カチャカチャで調整するのも有効かも、ですね。
「こだわりをもたないゴルファー」の唯一のこだわりを参考にすると、ゴルフがより良くなるかもしれません。
(取材・文・写真/森伊知郎)
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