プレーオフでは勝利を確信する手応えの完璧なショットを披露
プレーオフの1ホール目。残り166ヤードからの2打目を打った松山は、ボールが空中にあるうちからクラブをクルクルと回して懐に納めます。
完璧な手応えのショットはピン手前80センチにピタリ。バーディパットを決めて優勝を決めました。
大会を主宰するウッズとの記念撮影に収まり「タイガーは憧れの人ですし、9年前に初めてここで写真を撮ってもらってうれしかった」と嬉しそうに話しました。
2016年に続く大会2勝目は、初の年間王者への期待を抱かせるものです。
複数回優勝=PGAツアー年間王者がズラリ
歴代優勝者の顔ぶれを見ると昨年、一昨年はスコッティ・シェフラーが連覇。
その前はビクトル・ホブランがやはり連続優勝しています。
そして主宰するウッズ自身も2001、2004、2006、2007、2011年と通算5勝。
上記の複数回優勝者はいずれもアメリカPGAツアーの年間王者となっているので、松山にも続いてほしいものです。
他の複数回優勝者はPGAツアー通算21勝で世界ゴルフ殿堂にも入っているデービス・ラブ(2000、2003年)。
2010年の「全米オープン」でツアー初勝利を挙げ、同年と2012年大会に勝ち、現在はLIVゴルフを主戦場とするグレーム・マクドゥウエルといったレジェンド級の名前が並びます。
タイガーも松山の年間王者へ背中を押した!?
最終日のスタート前にはウッズが松山に対して直々に「今日は10アンダーで回って来い!」と言いました。
パー72なので、10アンダーなら62。松山は64で回ってプレーオフだったので、ウッズの設定スコアならすんなり優勝していました。
大会の主宰者ですから、松山が2勝目を目指していること。
自身を含めた複数回優勝者がどんな面々なのかは当然頭に入っていますから、勝利に向けての檄を飛ばしたのは、その“仲間”になるに値する選手と認めた証でしょう。
年間王者への期待が高まるプレー
この日のプレー内容も年間王者への期待が高まるものでした。
プレーオフの舞台だった18番は、正規のラウンドではほぼ同じ残り163ヤードからの2打目が風に流される形になり思わず「我慢!我慢!」と口から出たショットは右9メートルにオンしました。
バーディパットは惜しくも入らずパー。同組だったノレンがバーディで通算22アンダーに並ばれます。
同じ相手とのプレーオフでの2打目はしっかり風に負けない強いショットでベタピンに。気持ちのギアを上げて、きっちり結果を出したことは約1か月後の1月15日にハワイでの「ソニー・オープン」で始まる2026年シーズンに大きな期待を抱かせました。
116ヤードからショットインイーグル! シーズン110位だったストロークゲインド・パッティングも6位!!
また最終日の10番パー4では残り116ヤードの2打目を右奥からスピンで戻してカップインさせるイーグルで、松山にしては珍しくプレー中に力強くガッツポーズをしました。
「優勝するためにはバーディが欲しい」と思って打ったショットの完璧な手応えに結果が伴ったことで思わず出たのでしょう。
またシーズンは110位だったストロークゲインド・パッティングも今大会は6位。
139位だったストロークゲインド・オフ・ザ・ティーも6位で、アラウンド・ザ・グリーンは1位と見事なスタッツが並びました。
日本からだとアメリカ本土よりさらに遠いバハマで開催される大会は、オフの時期の移動の負担を考慮して出場することが7年ぶりでした。
2025年は開幕戦の「ザ・セントリー」でツアー最多アンダー記録となる35アンダーで優勝したものの、その後はトップ10が一度もないシーズンでした。
どちらかというと不本意な1年を、遠くバハマの大会に出て完璧なゴルフをし、優勝できたのは来シーズンに向けて大きな自信となるはずです。
ディフェンディングチャンピオンとして出場するはずだった「ザ・セントリー」の2026年大会はコースコンディション不良のため開催中止となってしまいましたが、シーズン開幕戦の「ソニー・オープン」も松山は2022年に優勝しています。
2025年シーズンは終わったばかりですが、来年の開幕が楽しみで仕方ありません。
(文/森伊知郎)




