クラブスペックと言えば、すぐに思いつくのは
・重さ
・長さ
・硬さ(振動数)
・バランス(スイングウエイト)
などがあるでしょうか。意外と少ないですよね?
本来はもっとたくさんのことを見ていかなくてはいけないのですが、今のところ、メーカーなどが管理している数値は、上記のうち、長さと、バランスがメインとなっていると言っても良いでしょう。
では、この数値をもう少し細かく見ていってみましょう。
1.重さ
「重さ」とひとくくりに言っても、実際には、総重量だったり、それに伴うシャフト重量やヘッド重量にグリップ重量だったりが関わってきます。
では、この数値をどのように確認して、適正なものを目指していくのかを書いていきましょう。割と簡単に、ご自宅でも管理できるものでは、総重量でしょうか?
では、その総重量はどのくらいの重さのことをゴルフクラブでは言っているのでしょう?
ご存じだと思いますが、最も総重量が軽いクラブはドライバーで、最も重いクラブがパターとなっている方がほとんどだと思います。
ドライバーで、今どきだと、300gを切って280gなどのものがありますね!
一方で、パターは通常の長さで600gくらいのものまで市販されています。
これを大きな差と考えるか、小さい差と考えるかは人それぞれですが、これを重く感じる、軽く感じるかは、総重量だけではわからないことが多く、実際には長さの影響が大きいですし、また、どのパーツ(ヘッド・シャフト・グリップ)が重いかによって、感じ方は大きく変わってきます。
この辺りは、バランスのお話になってきますので、後述させていただきます!
総重量ばかり気にしすぎてしまうと……
では、まずは、その総重量に特化してみてみましょう。
総重量は上記しましたように、通常の秤さえあれば、どなたでも測定できるので、ご自身で管理されている方も結構多いようです。
当方のフィッティングにも、数値をグラフにして管理されている方を何人かお見掛けしています。
ここで、注意しなければならないことが結構あります。まずは、やはり数値化しておくと、その数値がきれいな流れになっているかどうかが気になってきます。いわゆる「重量フロー」ですね!
「重量フロー」自体が間違っているということではなく、こだわりすぎることで、本来見なければならない部分を見落としがちということを申しあげたいのです。
ドライバーからパターまで数値がきれいに並んでいると、気持ちのいいものですから、ついつい、そこにこだわってしまうことがあります。ところが、上記しましたように、重さは長さによって適正な値が変わるものです。
一般的には、一番長いドライバーが一番軽くて、一番短いパターが一番重いとなりますが、それがきれいに並んでいなくてはならないというものではありません。
というのも、振り感というのは、総重量だけではわからないというのが実情です。
それこそ、同じ総重量でも、バランスが違ったら振り感は違いますよね? なので、総重量だけを見て、一喜一憂するのは非常に危険、と申し上げさせてください。
一方で、例えば、では、その総重量をきれいに並べるために、どのようなことをされていますか?
重くしたり軽くしたりすることをされると思うのですが、一番簡単なのは鉛を貼って調整することでしょう。
その鉛を貼る場所によっては、振り感は大きく変わってきます。
その際に、基本的にこれは重くする方向での調整となることが多いかと思います。
軽くしたい時には、ヘッドを削ったりしなければならないので、ご自宅でやるのは、なかなか難しいですよね!
ウエイトが外せるモデルだったりすれば、いろいろと可能かもしれませんが、これはヘッドのウエイトのみの変更です。
シャフトを替えたい場合にはなかなかそこまで工具がそろっている方は少ないでしょう。
そうなるとなかなか簡単にできることではありません。
そのため、フローから外れていると考えた場合、重くする方向のみでやられる方が多いと思います。
実際には軽いものの方が振りやすい場合も多く、フローにこだわったが故に、重くて振りにくくなるものにそろってしまう、ということもあり得る話です。
効果的なのは実はあまり細かくこだわらない!
では、それをどのように管理していったらよいか?となるのですが、実は、あまりこだわらないことをオススメします。
重要なのは、振った時に感じる重さ、ですから、総重量はある程度把握しておけばよい、くらいにしてみましょう。
もし、どうしても、こだわって管理したいということであれば、パターを中心にやってみましょう。
パターの重さは、本当に重要です。
よく、「パターは重い方が良い」は間違っていないのですが、重すぎてもダメです。重いとどうなるかというと、手が動かなくなるんですね!
なぜかというと、ゴルフスイングでは始動がスムーズにいくかどうかはそのスイングの成否にかなり影響します。
特にパッティングストロークというのは、非常に短い時間ですから、ストローク中に何か小細工することは不可能に近いです。
ドライバーなどのスイングでは、スイング中の時間が少しありますから、「あ、ちょっと違う?」と感じると、何か変更することは、結果がどうなるかは別ですが、スイング中に補正をすることが可能と言えば可能です。
ですが、パッティングは一度始動してしまうとほぼ打つまでフィーリングは変えられないと考えてください。
そうなると、話が戻りますが、始動、が一番重要です。
その「始動」が最もスムーズにいく重量を探してみましょう。
その際に、是非とも、幅広く試してみることをお勧めします。
例えば一番簡単な方法は、今お持ちのパター以外のクラブでパッティングストロークをしてみ見ることです。
サンドウェッジやショートアイアンアなどは長さ的にもやりやすいかもしれませんね!
でも、いろいろとやっていくと、実は7番アイアンくらいの重さが良かったりする方もいらっしゃいます。
そうなると、相当軽い方が良いということがわかると思います。
今、パターの総重量というと、500gをはるかに超えて560g以上のものも増えてきています。
ここまで重くして始動がスムーズにいく人は少ないのでは?と考えていますので、上記しましたように、ウェッジやショートアイアンの重さが良いフィーリングと感じる方は、若しかしたら、総重量は450gくらいでも良いいかもしれません。
つまりは、パターの重さは約100gくらいの幅でいろいろと試すべき、ということになってきます。
そして、ここで、総重量で一番気を付けて欲しいのは、お使いのサンドウェッジよりは重くしましょう~というものです。
「パターは重い方が良い」は、ご自身のセッティングの中で一番重ければよい、ということを端的に言ったものだとご理解いただければ嬉しいです。
パターはドライバーとの「つながり」も考える
なぜ、ここまで軽いものを試すべきかというのには、もう一つ理由があります。
グリーン上でパッティングをした後に、次に打つクラブは何ですか?
それは、次のティショットで打つドライバーになる方が大多数でしょう。(PAR4やPAR5の場合)
そうなると、その時の重量差を考えた方が良いです。
パターをすごく重くして置いて、パッティングが良くなったとしても、超軽量のドライバーをすぐに打てるかどうかは、かなりその方の運動神経によるところが大きいです。
一般的には、かなりの違和感になる方がほとんどでしょう。
これらを総合的に考えてみると、パターはセッティングの中では一番重い方が良いが、全体のクラブの重量からかけ離れたものにしない方が良い、となります。
これは同様にドライバーの重さにも関わってきます。
あまりにも軽いものにしてしまうと、パターをいくら軽くして言っても、違和感が小さくないです。
その上、パターをドライバーに近づけようとして、軽くしすぎてしまうと、これこそ違和感の塊でしょう。
つまりは、単体での総重量のこだわりは重要ではありますが、全体でのつながり=違和感のない重さの範囲というものを見つけることが大事になってくるわけです。
そして、全体としても同様に、違和感のない範囲でフローさせていくのが良いでしょう。
ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。




