アイアン、番手通り飛ばすならハンドファーストは必須です! 練習するならクロスハンドドリルがイチ押し!
オジサンだって、まだまだ飛ばしたい!【人気コーチ・大西翔太のFW&UTアイアンの飛距離アップレッスン!】
ドライバーだけでなくフェアウェイウッドやユーティリティ、アイアンもしっかり飛ばしたい! そんなシニア世代のゴルファーたちに大西翔太コーチが飛ばしのコツをアドバイスするシリーズ。第18回はアイアンが飛ばないと悩むゴルファーにとっておきの練習法を教えてもらった。早速やってみよう。
構成/三代 崇 写真/相田克己 協力/船橋カントリークラブ
クロスハンドドリルは強制的にハンドファーストに打てるようになる練習法
両手を反対にして持つと、インパクトエリアの手首の無駄な動きを封じ込める
これまで何度かお話したように、アイアンショットがロフト角どおりのキャリーが出ないという人はボールをハンドファーストにとらえられていません。
「きちんと当てよう」とか「ボールを上げよう」といった意識はインパクトで手をこねる動きにつながります。スイングを崩してしまう要因となりますから、そうした意識は捨てましょう。
ハンドファーストインパクトで打ちたいけど、それがなかなか身につかないならクロスハンドドリルを試してみてください。
両手を反対にして持ち、ボールを打つ練習です。バックスイングはあまり大きくとらなくてもいいです。右胸か右肩くらいの高さまでクラブを上げて、そのままダウンスイング。実際にやってみるとわかりますが、両手を逆に持つとインパクトで手首が折れにくくなります。手首をこねやすい人でも、手首の無駄な動きをシャットアウトできてしまうのです。
クラブをクロスハンドに持つと左腕とクラブは一直線となり、小文字の「y字」型のアドレスとなります。スイング中も「y字」をキープしやすいから、ダウンスイングではクラブが緩やかダウンブローに下りてきてインパクトも「y字」の体勢でボールをヒットできます。
つまり強制的にハンドファーストに打てるようになるのがクロスハンドドリルのメリットというわけです。
ダウンスイングで左肩が浮かないから、左足体重でしっかり振り抜ける
クロスハンドドリルの説明をもう少し続けましょう。両手を逆に持つということはノーマルのグリップと違って左肩を低くキープする感覚となります。
するとダウンスイングからインパクトにかけて左肩が浮きにくいのでクラブの入射角が揃いやすいのです。
左肩を低くキープすれば体重が左足にスムーズに移動し、フォロースルーではボールの先のターフを薄く取るようなイメージでクラブヘッドが低く出て行きます。
ですからダウンスイングで上体が起きてフェースが開いて当たるとか、体重が左足に乗らないで右足体重になってしまうといった症状も強制的に直すことができます。
ただしフォロースルーで上体が目標方向に流れてはいけません。クロスハンドドリルではフィニッシュまで振り抜かないで左胸くらいの高さで止めますが、ハンドファーストにインパクトした後もカラダの軸をその位置のままキープし、胸を左に回転してクラブを低く振り抜くようにしましょう。
アイアンが苦手だったのにクロスハンドドリルに励んだお陰で一気に上達した人は大勢いますし、ツアープロたちもスイングを整える練習として取り入れています。
大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。