プロゴルファー 尾崎将司氏が逝去 「さようならジャンボさん、ありがとうジャンボさん」
写真/2023年のジャンボ尾崎アカデミーセレクションにて
日本ゴルフ界に計り知れない足跡を残したプロゴルファー、尾崎将司氏が、2025年12月23日午後3時21分、S状結腸がん(ステージ4)のため死去した。享年78。
圧倒的な勝負強さとカリスマ性で時代を築き、“ジャンボ”の愛称で親しまれたその存在は、単なる名選手にとどまらず、日本ゴルフそのものを象徴する存在だった。
日本ゴルフ界を変えたスーパースター。前人未到の勝利数と、時代を動かした存在感
尾崎将司氏は、1947年徳島県生まれ。1970年代から90年代にかけて日本ツアーを牽引し続けた。
特に1980年代は“ジャンボ尾崎の時代”とも言われ、賞金王を何度も獲得。その圧倒的な飛距離、勝負どころでの集中力、そして一切妥協しない姿勢は、多くのゴルファーに強烈な影響を与えた。
海外メジャーへの挑戦と後進への道標
尾崎氏は国内ツアーにとどまらず、世界の舞台にも積極的に挑戦した。海外メジャー大会に出場し、日本人ゴルファーが世界と戦う道を切り拓いた存在でもある。
その背中を追って、後の世代の選手たちは海外志向を強め、日本ゴルフは確実に国際化への歩みを進めていった。
また、晩年に至るまでトレーニングや自己管理を怠らず、“プロとは何か”を体現し続けた姿勢は、今なお多くの選手やファンの記憶に深く刻まれている。
静かな闘病と、残された言葉なきメッセージ
訃報によれば、尾崎氏は約1年前に病を診断されて以降も、本人の強い意志により自宅療養を続けていたという。最期まで自分らしく生き抜こうとする姿勢は、まさに“ジャンボ尾崎”そのものだった。
葬儀は故人の遺志により近親者のみの家族葬として執り行われ、後日あらためてお別れの会が予定されている。
その存在は、これからも語り継がれる
尾崎将司氏が残したものは、数えきれない勝利や記録だけではない。
ゴルフに対する厳しさ、勝つことへの執念、そしてプロとしての生き様――それらすべてが、日本ゴルフ界の礎となっている。
“ジャンボ”が築いた道は、これからも多くのゴルファーに受け継がれ、語り継がれていくことだろう。
心よりご冥福をお祈りするとともに、その偉大な功績に深く敬意を表したい。