パー4をドライバーでワンオン!
「伊藤園レディス」の17番ホールは2024、2025年の大会2日目にパー3としてはツアー史上最長となる225ヤードに設定されました。
左サイドには池が広がり、96人がプレーしてダブルボギーが9人!
平均スコアは3.3333でこの日の難易度は18ホールでトップでした。
このホールで2年続けてワンオンに成功させるという“離れ業”を披露したのが堀琴音です。
使ったクラブは2年ともドライバー。となれば、その安定感の秘訣をぜひとも知りたいところです。
そこで本人を直撃しました。
「ドライバーしか選択肢がない」と言いながらも教えてくれた秘訣は
「ドライバーしか選択肢がないです。スプーン(3W)だと届かないんで…」。
2025年シーズンのドライビングディスタンスは230.17ヤードで78位の堀はこう言ってドライバーを使った理由を説明してくれました。
とはいえ、届かないならグリーン手前に運んで確実にパーを狙うという「選択肢」もあるはず。
それを、グリーンを狙うクラブはドライバーしかない、というのはよほど、いや絶体的な自信がないと選択できないことです。
17番のティショットにあたって堀の頭にあったのは「奥を広く使える」「左には行かない自信がある」でした。
グリーンの奥行きは40ヤード。ピンはフロントエッジから10ヤードだったので、単純計算で30ヤードまではオーバーしてもグリーンに止まることになります。
さらにフェードが持ち球なので左の池に入れることない、という自信があったとうことです。
堀の2025年シーズンのフェアウェイキープ率は80.7212%で1位でした。
シーズンのフェアウェイキープ率が80%を超えたのは酒井美紀(2022と2020~21年の2度)に続いて、日本女子ツアーでは2人しかいないという快挙です。
その堀も「ドローにこだわっていた自分がいました」という時期があったそうです。
求めたのは飛距離。ですが持ち前の正確性が失われ「一発すごい右に曲げた時に、もうフェードを打とうと思ったんです。(ドローは)もう無理かな、と思って」ということをきっかけにフェードに戻しました。
多くのアマチュアと同様に「今でもドローへの憧れはあります」と打ち明けます。
それでも森守洋コーチが「フェードでいいんじゃない、と言ってくれているので」(堀)との言葉もあってフェード打ちを徹底させています。
「日本女子オープン」でも安定感を発揮 “非飛ばし屋”では初の栄冠
その真価が発揮されたのが昨年10月の「日本女子オープン」でした。
4日間のフェアウェイキープ率は85.7%で全体の5位。
フェアウェイからグリーンを狙えたことでパーオン率も86.1%の2位。
この好スタッツのおかげで自身初の国内メジャー制覇を達成しました。
日本女子ツアーでドライビングディスタンスが計測されるようになった2017年以降の優勝者を見ると、竹田麗央と原英莉花はそのシーズンのドライビングディスタンスでも1位など、堀以外の全員がトップ10(日本女子ツアーを主戦場としない畑岡奈紗とユ・ソヨンはランキング対象外)に入っています。
まさに正確性が飛距離を制した勝利でした。
「狭い林間コースの方が得意」
堀は「林間コースの方が得意」と言います。
一般的には「狭い」と敬遠されそうですが「ターゲットが狭い方が、それしかない。極端に、ここに打つしかない。ここしか選択肢がないっていう方が逆に集中できていい感じですね」という感覚なのだそうです。
逆にフェアウェイの幅が広いホールでは、狙いがボヤけてしまわないように、あえて小さなターゲットを見つけてそこを狙うようにしています。
ドローか、フェードか。自分に合った持ち球をはっきりさせる。
ターゲットを絞って、そこを狙うようにする。
堀の真似をして意識するようにすれば、フェアウェイキープ率とともにスコアもアップするかもしれませんね。
(取材・文/森伊知郎)




