ヘッドスピード40 m/s以上、飛距離140ヤード以上が最低条件

昨今すっかり目にすることが少なくなった5番アイアン(以下5I)。女子プロの多くが5Iを抜いてユーティリティ(以下UT)を入れ、男子プロもUTを採用する時代ですから無理もありません。でもアマチュアゴルファーの場合、どんな人が5Iを抜き、どんな人なら5Iを入れた方がいいのか、モヤモヤしたままの人も多いと思います。そこで今回は5Iを入れられるかどうかの目安となるポイントを2つ紹介したいと思います。

1つめの目安はドライバーのヘッドスピードです。これは5Iを打つに足るパワーがあるかどうか、ということになりますが、ヘッドスピードが30m/s台か40台m/sかが分水嶺になります。ドライバーのヘッドスピードが30m/s台ならアイアンは6番(以下7I)から、40m/s台なら5Iから入れてもいいということ。細かく分けると下のようになります。

ロフトが立っている5Iは40m/s以上のヘッドスピードがないと当たり負けします。そうなるとボールに十分なスピンがかからないので打球が上がらず、いわゆる“お辞儀”をしたような球になって飛びません。
結果、6Iと飛距離が変わらない、あるいは6Iの方が飛ぶといった逆転現象まで起こるので、最低でも40 m/s台のヘッドスピードが必要なのです。もちろんヘッドスピードがあっても安心を優先するなら5I入れず6Iからにした方がいいでしょう。これはあくまでパワーに限定した場合の目安でミート率は抜きの話です。

36~37m/s=6Iから入れるのがおすすめ
38~39m/s=ギリギリのライン。調子がよければ5Iもあり
40~41m/s=5IはOKだが調子が悪いと怖い
42m/s以上= 5IはOK

もう1つの目安は7番アイアン(以下7I)の飛距離です。ヘッドスピードがパワー面の判断基準なら、こちらはスイングが基準。ミート率を拠り所に5Iが打てるかどうかを見極めます。この場合の分水嶺になるのは130ヤードと140ヤード。7Iのキャリーが130ヤード台以下なら6Iから、140ヤード以上なら5Iからが適切。7Iでしっかり140ヤード打てるスイングでないと5Iは厳しいということになります。ちなみにこれは「ヘッドスピード×ミート率=飛距離」の公式に基づいて割り出したものです。もう少し細かく分けると以下のようになります。

120ヤード以下=6Iから入れるのがおすすめ
130ヤード台=相当調子がよくないと5Iは難しい
140ヤード以上=安定してこの距離が打てれば5IはOK

ただ、例外もあります。ストロングロフトや、いわゆる飛び系アイアンの場合です。これらのモデルは以前より飛ぶようになっていて6Iが5Iに取って代わる存在になっていますから、この類のアイアンを使っている人は、あえて5Iを入れる必要はありません。以下が7Iのロフトと5Iの関係になるので参考にしてください。

29度以下=Iを入れる必要なし
29~31度=6IからでOK
31~33度=5Iから入れてもいい

もちろんここで紹介したデータには関係なく、好みやフィーリング重視で5Iを入れてもいいですし、「使わないけどカッコいいから入れておく」でも悪いとまでは言いません。
しかし、それで1番手分が無駄になっているならUTに頼った方がいい。ウッド型UTが好みでなければきでなければアイアン型もあるので、その道を探ってみることをおすすめします。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。