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「残り150ヤード=7番アイアン」が正解じゃない時がある!? プロも大切にする“感覚”の正体とは

今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【34】

2026/01/17 ゴルフサプリ編集部

ラウンド中、残り距離と自分の番手の飛距離が合っているのに、「あ、なんかこれピン狙っちゃだめだな」と直感的に感じる瞬間はないだろうか? その感覚に従って安全策をとった結果、大怪我をせずに済んだという経験を持つゴルファーもいるはずだ。実はこの「なんとなく嫌な予感」、プロゴルファーも非常に大切にしている感覚だという。今回は、数値化できない「プロの勘所」の正体について、今野一哉プロに掘り下げてもらった。

「計算」と「直感」がケンカする時

サプリ 先日、感覚的に「あ、なんかこれピン狙っちゃだめだな」っていう瞬間があったんです。で、グリーンの真ん中を狙って打って、結果的に外してないから、たまたま真ん中に行っただけかもしれないですけど(笑)。そういう「虫の知らせ」みたいな経験や感覚って、プロでもあるものですか?
今野 ありますよ。その感覚の正体は、自分の中の「理論的なもの」と「経験則」、そして「感覚的なもの」が合致していない時に起こるんです。
サプリ 合致していない時、ですか。
今野 ええ。例えば、残り150ヤードだと言われた時に、自分の7番アイアンが150ヤード飛ぶとします。数式的には完全に合っていますよね。理論のパズルとしては正解なわけです。
だけど、現場では何かが違う。風なのか、手前のマウンドが気になるのか、グリーン面が見えないからなのか……。例えば「グリーンが奥に下る逆目になっていて、7番じゃ止まらなくて奥のラフまで行っちゃうだろうな」みたいな予測が働くわけです。
サプリ なるほど。
今野 単純な数式が当てはまらない、別の要因が重なっていて、「このパズルは綺麗にハマらないぞ」という予感を、過去の経験則が察知して拒絶反応を起こしている状態ですね。「150ヤード=7番」という公式が成立していないんですよ。それは往々にしてあります。
サプリ へえ! プロでも計算と感覚がズレることがあるんですね。そういう時、具体的にはどういう風に感じるんですか?
今野 大体そういう時っていうのは、ボールの前に立って素振りをした時に、「球がグリーンに落ちて、転がって、ここにピタッと止まります」というところまでイメージができないんです。
サプリ 止まる所まで、ですか。
今野 そうです。ボールの最後の収束が読める状態というのは、現実的にそれが可能だということです。だけど、そのイメージが湧かないというのは、自分が生み出す放物線がピンに絡む状況にないということを、何かが察知しているんでしょうね。物理的に多分不可能だ、と。

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サプリ その察知する能力の正体は何だったりしたんですか?
今野 なんだろうな……。ゴルフって調子が悪くなってくると、意識が自分の内側(体)に来て、調子がいい時って意識が遠く(ターゲット)にあるんですよ。
今言った通り、150ヤード先、200ヤード先、300ヤード先にボールがランディングして止まるというイメージが湧いている時というのは、まず「あそこに止める」という目的が先にあります。そこに行くプロセスとしてこの弾道がある。その弾道を達成するためにこの番手で、こういうインパクトをする。そのインパクトをさせるためにこのスイングをする……という順番なんです。
サプリ 目的から逆算しているわけですね。
今野 そう。目的から見るとスイングってすごい「手段」でしかなくて、すごく遠い位置にあるんですよ。フォーカスすべき部分は、もっと先の「弾道が止まるところ」にある。これがゴルフの絶対的な原点です。
サプリ 確かにそうですね。でも、我々アマチュアはどうしてもスイングの方に意識がいってしまいます。
今野 そうなんです。レッスンなどを受けていると、意識のほとんどを体とかヒジとか手首とか、そういう細かいところにフォーカスしがちで、弾道どころではなくなってくる。本来、ボールをあそこに運ぶことに集中しなければいけないのに、その意識が完全に無くなって、動作にばかり集中力が削がれている状態というのは、調子が悪い時にある状態なんですよ。
サプリ 耳が痛いです(笑)。では、プロが「イメージが湧かない」となった時はどうするんですか?
今野 別の策を考えます。ライナー系で行くのか、番手を上げてアッパーブローに入れて高さを出して止めていくのか、色々工夫するんですけど、「やばい、どうしてもイメージが湧かない」となった時は、イメージが湧くようなマネジメントにずらしちゃいます。
サプリ それが冒頭の、私が体験した「センター狙い」のようなことですね。
今野 そうです。もうピンは狙わないで、センターに乗せておこうと。ピン方向を狙わなくしたら、その手前にあるバンカーが気にならなくなったり、手前の花道も使えるようになったりする。そうすると、第2希望のルートなら明確なイメージが湧いてくるんです。
サプリ なるほど。
今野 アマチュアの方でよくあるのが、林の中から「残り100ヤードだから」と言って、枝が生い茂っているにも関わらずピッチングウェッジを持ってきてズカーンと当ててしまうケース。いやいや、下を通さなきゃいけないから5番アイアンとかでしょ? という話なんだけど、「でも距離は100ヤードだから」と言い張る(笑)。
サプリ 数字に縛られて、現実が見えていない状態ですね。
今野 そういうことです。数字も大事ですが、「弾道がイメージできるかどうか」という自分の感覚は、それ以上に正しいことが多いんですよ。

今野一哉(こんの・かずや)
JGTOツアープレーヤー。18GOLFプロデュース / キッズゴルフ代表。アマチュアゴルファーの指導やジュニアゴルファーの育成に力を注ぎながら、各ゴルフメディアで活躍中。蝶ネクタイスタイルはゴルファーへ「サービスし、尽くす」と言う意味を表す。


今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション

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