スコッティ・キャメロン 最新「Phantom」9モデルが登場。史上最も“柔らかい”打感になった!?
アクシネットジャパンインクは2026年1月21日、スコッティ・キャメロン「NEW Phantom」シリーズを発表しました。発売日は2026年2月27日。ツアープロからのフィードバックによる改良が加えられたヘッド形状は9モデル。フェース面にインサートされたスタジオ・カーボンスチール(SCS)についてもレポートします。
ツアープロたちから「柔らかい打感」の要望が高まる
PGAツアーでプレーする選手たちからは近年「打感が柔らかいパターを使いたい」との声が高まってきているそうです。それを製品にフィードバックして、今回の「Phantom」シリーズで採用されたのがSCS(スタジオ・カーボン・スチール)をフェース面にインサートする構造でした。
打感が柔らかい、といってもあくまで感覚的なものでは? と思うかもしれません。
この柔らかさは「振動吸収性能」という数値でも証明されています。この数値が大きいほど柔らかく感じるのですが、スコッティ・キャメロンのパターで使われることでおなじみの「303ステンレス」が1.6なのに対してSCSはなんと6.4となっています。
やはりインサートで使われている「トレリウム」も5.6なので、最大級の柔らかさということがわかります。
打感が柔らかいメリットは、インパクトが緩まないことです。パッティングのミスで多いのが、ストローク中に「強い」と感じて手元のスピードを緩めることですが、これをやるとヘッドはかえって加速することになり、あらぬ方向を向いてインパクトすることにつながってしまいます。これでは、どんなに正しくラインが読めてもカップインの可能性は極めて低くなります。
打感が柔らかいことでしっかり打てて緩まない。そのことで距離感が安定し、パットの精度、確率を高めるのに大きく貢献することになるのです。
ただしフェース面をSCSにするだけではボディ(パターヘッド)の剛性もやや柔らかくなることで打音が変わり、フィーリングに影響を与えます。
そのためボディのキャビティ内には軽量トラス構造を組み込むことで補強。より静かで心地良い打感を実現しています。
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ツアーの声を反映して、フェースは高くなり、丸みを増した
SCSがインサートされたフェースは、センターを頂点にして丸みを帯びたデザインになりました。そのため前作(2024年モデル)のPhantomと比べると0.19センチ高さが増しています。これもツアープロたちからのフィードバックを基にしたものです。
グリーンには傾斜がありますから、パットのアドレスではそれに応じて手の位置が微妙に変わることがあります。その時にパターを垂直方向に対して傾いた状態で構えると、フェース上部が直線的な形状では、傾いているのが視覚的に分かりやすくなります。
これが「アライメントは正しいか」「左を向いてしまっていないか?」といった気持ち悪さを抱かせることになり、不安を持ったままストロークすることにもなりかねません。
丸みを帯びたデザインにすることにより、傾いて構えても視覚的に目立たなくなり、安心してストロークできるようになりました。
優勝がかかったパットは傾斜のラインで、アドレスでパターの傾きが気になってしまう…というのはプレッシャーと不安を増幅させます。それを払拭するための改良は、常にトッププロたちの声をフィードバックさせるスコッティ・キャメロンらしいといえるでしょう。
またフェースの高さが増したことで、インパクトが上にズレた場合に“当たり負け”してしまう傾向があったのを、縦方向の許容性が高まるという進化をしました。
さすがにトッププロは打点が上下にズレるということはほとんどないので、これはアマチュアにより恩恵がある改良点ですね。
ジャスティン・トーマスからのフィードバックでソールデザインが新しくなった
PGAツアーの選手の中で「Phantom」を使う代表格がジャスティン・トーマスです。そのトーマスは、前作まではソールの窪みの部分を“埋めて”フラットな自分仕様にしていました。
「NEW Phantom」ではJTの意見が反映されてソールがよりフラットになっています。
これは劇的な変化をもたらすものではありませんが、アドレスでパターをグリーン面に置いた際の「座り」が良くなり、構えやすくなりました。
トーマスの2025年シーズンの1ラウンドでの平均パット数は27.86でPGAツアーでは3位でした。これが仮に「1」増えるとランキングは一気に79位にまで下降してしまいます。
まさに1ストローク、ひとつのパットにしのぎを削り、明暗が分かれる世界でパット巧者として君臨するトーマスの仕様に合わせたものとなれば、使うだけでパット数が減らせそうです。
気になる2026年モデルの詳細は
2026年モデルの「NEW Phantom」では、ショートネックタイプのモデルでネックの前傾角度が和らぐという変更がありました。これもやはりツアーからのフィードバックが理由で、傾きが強いことにより「構えにくい」「アライメントがしにくい」との声に対応したものです。
ただしショートネックを使用する選手は、ストロークで弧を描くようなイメージを持つことが多いので、ネックの高さを調整することでフィーリングを損なわないようにしています。
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ブレードからでも移行しやすくツアーでも人気のコンパクトな「5」にはロートルクも!
前作(写真下)に比べて、ソールの窪みが減った新しい「5.5」。
今回リリースされたのは9モデル。スコッティ・キャメロンのマレットタイプで最もコンパクトで、ツアーでもマーケットでも人気があるのが「5」です。
ネックの形状違いで「5」「5.2」「5.5」がラインアップされるのに加えて、注目はロートルクの「OC」が加わることです。「OC」は「Onset Center」を意味します。
昨年のアメリカ市場ではロートルクパターのシェアが金額ベースで30%を超える人気になっています。日本国内でも25%ぐらいまで拡大していることから、ニーズに応える形となりました。
ストレートな軌道で打ちたい人向けの「7」 丸みを帯びたシェイプの「9」
シャープな角ばったウイングバックが人気で、ストレートな軌道で打ちたい人と相性のいいい「7」は3種類。スコッティ・キャメロンでは珍しいダブルベンドシャフトの「7」。
プラミングネックの「7.2」。ショートネックの「7.5」というラインアップになっています。
「5」(写真上)と「7」(写真下)のアドレスルック。
「9」は「9R」と「9.2R」の2種類。Rはラウンド、の意味で、フェース上部だけでなく周りの輪郭も丸みを帯びたデザインになりました。このことで傾斜などで構えた時も違和感なくアドレスし、ストロークできる効果があります。
またゴルファーによっては、輪郭が鋭い形状だとパターが引っかかって見えることがあるのを緩和します。
「9.2R」はブレードタイプのパターを使っているゴルファーにも受け入れられやすい設計です。過去の「9.2R」が開発されたきっかけはジャスティン・トーマスが当時使っていたブレードタイプの「009」と全く同じようにストロークできるマレット型のパターが欲しい、というリクエストでした。
キャメロン氏はこれに応えるべく、シャフトの軸とオフセットをクラシックなブレードタイプに合わせて配置しました。
このことで同じ目線と手の位置でストロークすることができ、かつ直進性に優れたマレットデザインのメリットも得ることができるという欲張りなパターです。
さらにサイトラインが1本になっているのも、ブレードタイプのようにトップブレードを強調したいことが理由となっています。
ツアーでも高い使用率 キャメロン氏は「契約外の選手に使ってもらうことに意味がある」
ツアーでのスコッティ・キャメロン使用率を見ると、日本男子ツアーの「大ンロップフェニックス」ではデッセイに次ぐ2位。女子ツアーでも「エリエールレディスオープン」がありました。
契約外の選手に使われることも多く、昨シーズンも申ジエ、永峰咲希、脇元華といった選手がスコッティ・キャメロンのパターで優勝しています。こうした傾向にキャメロン氏は「契約外の選手に使ってもらうことに意味がある」と言っているそうです。
使ってもらうだけでなく、勝利という結果を出しているのが何よりの性能の証だといえるでしょう。
「パターはブレードしか使わない」という人も“二刀流”のメリットが
ゴルファーの中には「パターはブレードしか使わない」と決めている人もいます。
それでも「Phantom」シリーズのように、あえて真逆のマレット型パターを使ってみると、“エース”の良さを再認識できることもあります。
またブレードとマレットの“二刀流”にして、「ショートパットの調子が悪い」と感じた時はマレット型に。「タッチ(距離感)に自信がない…」という時はブレードタイプにする、という使い分けをするのもありでしょう。
PGAツアーでも「Phantom」などマレット型とブレードタイプの使用比率は6対4ほどになっているそうです。ブレードタイプにこだわりがある人も、手に取ってみることで新たな発見やスキルアップがあろかもしれませんね。
(取材・文/森伊知郎)
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