ドライバーシャフトは硬め? 軟らかめ? 飛ぶのはどっち?
吉本巧のゴルフギア教室 第103回
ドライバーのシャフトは「硬め」と「軟らかめ」、果たしてどちらが飛ぶのだろうか。飛距離アップにつながるかどうかは、スイングのタイプやダウンスイングの軌道によって大きく変わる。プロコーチ・吉本巧がちょっと硬め・ちょっと軟らかめのシャフトがそれぞれスイングや弾道にどんな影響を与えるのかを整理し、シャフト選びのヒントを解説する。
ちょっと硬め・ちょっと軟らかめの前提整理
ちょっと硬めとちょっと軟らかめ、あなたにとってどちらのシャフトが飛ぶのか。ここではドライバーを例に話していきますが、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンも基本は同じです。また、「ちょっと硬い(軟らかい)」の先には、「硬い(軟らかい)」「硬すぎる(柔らかすぎる)」といったレベルもありますが、それらはまた別の傾向になります。今回はあくまで“ちょっと”硬い(軟らかい)シャフトについての話です。
ちょっと硬めのシャフトはヘッドスピードを引き出す
まずはちょっと硬めのシャフトについてです。しなりやねじれが少なく、シャフト自体の動きが少なくなります。そのためプレーヤーは「硬い」と感じます。硬く感じることで無意識に振れるようになり、結果としてヘッドスピードが上がります。数字的には1〜3m/sほど上がるケースも珍しくありません。
そのため、ヘッドスピード不足が原因で飛距離が伸びない人が、ちょっと硬めのシャフトを使うと、飛距離アップにつながることがあります。ただし、これはダウンスイング時のヘッド軌道や打点が、ある程度安定していることが前提です。軌道が不安定だったり、極端なアウトサイドイン軌道の人には当てはまりません。
一方でデメリットもあります。振れるようになることで、ダウンスイングでクラブがアウトサイドから下りやすくなる傾向があります。もともとアウトサイドイン軌道の人は、それがさらに助長され、打球が大きく曲がって逆に飛ばなくなる可能性があります。ただし、打点の安定だけを考えれば、シャフトの動きが少ないちょっと硬めのほうが有利な場合もあります。
アイアンのシャフトはスチールとカーボン、どっちがいいの? 「重さ・しなり・ねじり・飛距離・ブレ幅」を比較
アイアンのシャフトはスチールとカーボンで性能が大きく異なります。重さ・しなり・ねじれ・飛距離・ブレ幅といった特徴を比...
モーダス105と950ネオはどっちが硬い? どっちがしなる? 吉本巧がわかりやすく解説!
人気のスチールシャフト「N.S.PRO MODUS3 TOUR 105(以下モーダス105)」と「N.S.PRO 950GH neo(以下950ネオ)」。どちらも“...
ちょっと軟らかめは軌道を安定させやすい
次にちょっと軟らかめのシャフトです。こちらはしなりやねじれが大きく、シャフト自体がよく動くため、軟らかく感じます。ダウンスイングではヘッドがやや遅れて下りてくるイメージになり、クラブがインサイドから入りやすくなります。
その結果、アウトサイドイン軌道になりづらく、カット打ちで右に飛ぶ人は、軌道が安定して曲がりが減り、直進性が高まります。アウトサイドインの度合いが軽減されることで、結果的に飛距離アップが期待できるケースもあります。
ただし、デメリットとして、シャフトの動きが大きいため、無意識にタイミングを合わせにいく「当てにいくスイング」になりやすく、ヘッドスピードが落ちやすい点が挙げられます。柔らかすぎる練習用クラブでボールを打つときのように、ヘッドを待つ動きが生まれ、スピードロスにつながることがあります。すでに良い軌道で振れている人が軟らかめにすると、単純に飛距離が落ちる可能性があります。
自分のスイングで選ぶのが正解
では、ちょっと硬めとちょっと軟らかめ、どちらがアマチュアゴルファーに適しているのでしょうか。答えは「その人のスイング次第」です。
ダウンスイングのヘッド軌道が不安定な場合は、軌道が安定しやすく、曲がり幅が抑えられるちょっと軟らかめのシャフトがおすすめです。一方で、ヘッド軌道が安定している人は、ちょっと硬めにすることでヘッドスピードアップの恩恵を受け、飛距離を伸ばすことができます。
統計的に見ると、アマチュアゴルファーの約8割は方向性の不安定さが飛距離ロスの原因です。そのため、多くの初中級者は、ちょっと軟らかめのシャフトが合いやすいと言えます。例えば、18ホールで14回ドライバーを使い、そのうち半分はフェアウェイキープできるものの、残りでOBが2〜3回出るようであれば、シャフトを少し軟らかめにする価値は十分にあります。
モーダス105と120はどこがどう違う? どんなゴルファーに合うの?
アイアン用スチールシャフトの定番、日本シャフトの「N.S.PRO MODUS3(モーダス3)」シリーズ。その中心的存在である「ツアー...
ヘッドスピード40m/sならシャフトは50グラム台がベスト! 適正重量の見極め方を解説
ドライバーのシャフトは「軽ければ振りやすい」「重ければ安定する」と言われるが、実際に自分に合う重量を見極めるのは容易...
ヘッドスピード40m/sの人が一番飛ぶドライバーのロフト角は? HS別適合ロフトを解説
飛距離に大きく影響するドライバーのロフト角。思ったほど飛ばない人や打球が曲がる人は、ロフト角が合っていない可能性があ...
吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。