R400とS200の決定的な違いは“バット径”にある
トゥルーテンパーのダイナミックゴールド(以下DG)といえば1980年代から長きにわたって多くのゴルファーから支持を集めているスチールシャフトの代名詞のような存在です。フレックスはR200※、R300、R400※、S200、S300、S400、X100の7種類(※現在、R200/400は販売終了しており、在庫残のみの希少スペック)。
そんな中、違いが微妙で、どんな特徴があるのか、どんな人に合うのかがわかりづらいのがR400とS200。ということで、今回はその違いを解説します。
その前にDG全体の特徴を確認しておくと、キックポイントは基本的には元調子です。しなり方も全体的に似ていて、手元が軟らかくて先が硬いメリハリのある、いわゆる“粘り系”のシャフト。先が動いてヘッドが走るつかまり系の先調子とは対極に位置します。重量については最も軟らかいR200でもカット前の重量が125グラム、S400になると同様に132グラムもあって、全体的に重い重量系スチールの部類になります。
“重さは同じ”でもフィーリングが変わる理由
さて、本題のR400とS200についてですが、カット前の重量はともに129グラム、カット後はR400が117グラム、S200が118グラムと1グラムしか違わないので重量的には同じと考えていいですが、硬さと振動数についてはS200の方がともに上で硬めです。
他メーカーのスチールシャフトと比べると、R400はN.S.プロ950のSより少し硬い。N.S.プロは先調子なので単純には比較できませんが、振動数だけを見るとS400の方が硬くなっています。ちなみにN.S.プロはR300より硬く、R400より軟らかいといったポジション。例えばS200を使っていて、重さ的には丁度いいけれど、ちょっと硬いと感じるならR400の方がいいという感じになります。
RシリーズとSシリーズではシャフトのグリップ側の太さであるバット径が違っていて、Rは0.58インチ(14.7mm)、Sは0.6インチ(15.25mm)となっています。わずかな違いですが、これがヘッドの返り方にかなり影響します。すなわちバット径が細いほど小さな力でヘッドを返せるためRシリーズの方が球はつかまりやすく、それに比べるとSはつかまりづらいと言えます。同時にRはシャフトのしなりを感じやすく、Sは感じづらいとも言えます。先側の太さであるティップ径が同じ0.335インチ(9.00mm)なので、この違いは比較的わかりやすいと思います。
おそらくこのあたりの違いがR400かS200か、どちらが合うかの分かれ目になります。例えば手が小さい人は、バット径が細めのR400を使った方がフェースローテーションをしやすくなります。動きも幾分大きめなのでシャフトが仕事をしてくれるという一面もあります。それが暴れるという見方になるとメリットばかりとは言えませんが、S200を使っていて球が上がりづらい、つかまらない、しなりを感じない、といった問題があればR400にするといいでしょう。
というのも、日本では純正シャフトにDGが入ったアイアンの場合S200が多いからです。もちろん違和感がなければそのままS200を使って構いませんが、R400に換えてガラッと変わる人もいると思います。ともに粘り系で重量もほぼ同じですから移行しやすいでしょう。余談ですが日本ではS200が定番ですがアメリカではS300が定番です。アメリカのショップで売っているアイアンにはS300が入っていることが多いので、並行輸入品のアイアンにはS300が入っているかもしれません。
R400でも重く感じ、もっと軽くして球をつかまえたければR300やR200、逆にS200に物足りなさを感じるなら重さはほぼ同じで硬めのS300(カット後119グラム)、もっと重い方がよければS400をセレクトする、といったように選択範囲が広いのもシリーズの特徴です。ちなみにS400はX100より重量的には重いですが、硬いのはX100なので、そこまで重くせずに硬さを残したいならX100でもいいかもしれません。ただ、いずれもカット後でも120グラム前後になるので、重めのスチールであることに変わりはありません。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。





