10KやMAXはトップでフェースが開こうとする
10KやMAX(以降10K)と言った大慣性モーメントヘッドはヘッドサイズが大きいだけではなく、シャフトの軸線からヘッドの重心までの距離が長くなります。テークバックからトップで、重力によって重心が地面の方向に押されるため、重心距離が短いヘッドに比べてフェースが開く方向にかかる力が大きくなります。

この時ヘッドの重心にかかる重力は一定ですが、10Kはシャフトから遠いところを押されるのでフェースを開こうとする力は大きくなります。

慣性モーメントが大きいと動かしにくくなる
10Kモデルはヘッドの慣性モーメントが大きいので、スイートスポットを外してインパクトしてもヘッドが回転しにくいので、方向安定性が高まります。同時にエネルギーロスも少なくなるので、ボール初速が低下しにくいこともメリットです。ところが「回転しにくい」ことがデメリットになることもあります。
スイング中のフェースローテーションが大きいと、慣性モーメントが小さいミニドラならばタイミングよくスクエアにインパクト出来ますが、10Kモデルだとなかなかフェースが戻らないとか、意識的に戻そうとすると戻り過ぎてしまうということが起こります。

これは「ネック軸周り慣性モーメント」の大小に起因するものですが、「ネック軸周り慣性モーメント」は、ヘッドの慣性モーメント+(重心距離・ヘッド重量)の2乗なので、10Kモデルは「ネック軸周り慣性モーメント」が大きく、ミニドラは小さくなります。10Kドライバーで方向が安定しないという人は、スイング中のフェースローテーションが大きいと見ていいでしょう。
フェースローテーションを抑えることが10Kを使いこなすコツ
フェースローテーションを抑えようと思っても、フェースローテーションの量を意識しながらスイングしている人はほとんどいないと思います。それでもフェースローテーションを抑えるコツがあります。
手首のコックが大きいとフェースローテーションが大きくなりやすいので、ノーコックでスイングすることがフェースローテーションを抑えるコツになります。


ハンドアップに構えてノーコック
ノーコックでスイングすればフェースローテーションを抑えられますが、ノーコックで振るには、ハンドアップなアドレスでなるべく左腕とシャフトを一直線に構えることがポイントです。このアドレスから手首を親指方向に折る動作が入らなければノーコックで振ることができます。

ハンドアップなアドレスからノーコックのスイングと言えば、古くはモー・ノーマンがあげられます。飛距離は出ないけれど世界一のボールストライカーとして知られています。7時間ボールを打ち続け、1540球打ったすべての球が30ヤードの幅に収まったという逸話の持ち主です。曲がらなくても、飛ばないのはいやだなあと思う方がいるかも知れませんが、ハンドアップでも飛ばせます。
ブライソン・デシャンボーもハンドアップなアドレスです。ハンドアップのアドレスからノーコックでフェースローテーションを抑えて振ることが2人の共通点です。デシャンボーは身体を鍛えて、ブレないスイングにスピードを与えているところが差ということです。

ハンドアップなアドレスからノーコックで振れば10Kモデルの良さは存分に引き出すことができます。試してみてください。
解説/高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。ツアーにチャレンジする傍ら、多くのゴルフメディアでクラブの試打を行って来たベテランテスター。DSPEゴルフスタジオ、ヘッドコーチ。






