ダブルペリア部門の優勝者もアメリカでの本戦に出場。「作文ポイント」も
大会はストロークプレーで争われる「トーナメント部門」と、ダブルペリア方式の「チャレンジ部門」があり、それぞれの優勝者が7月にアメリカ・ノースカロライナ州で開催される本戦の出場資格を得ました。
さらに吉田は選手たちが書いた作文の全てに目を通し、優秀者は「作文ポイント」として1ストロークの“ボーナス”が得られるシステムが採用されました。
またUSLPGAが提唱する「5E」(Empower=自信を持つ、Enrich=質を高める、Engage=関りを持つ、Energize=活動的になる、Exercise=運動する)にちなんだ体験型のアクティビティには選手と共に吉田も参加。
試合後にはトークセッションも行われ、ひとつひとつの質問に丁寧に答えました
「風対策で低い球を打つことはしない」 聞いてなるほど、の理由とは
この日は強めの風が吹いていたとあって、ひとり目のジュニアからの質問は「風の中でのプレーのマネジメントを教えてください」でした。
アメリカLPGAツアーで活躍する吉田の口からは「低い球を打つ」「風と“ケンカ”させる」といった言葉が出てくることを予想したのかもしれません。
ですが答えは「番手を上げたり下げたりするだけで、同じ球を打つようにしています」という意外な?ものでした。
「低い球を打つためにボールを潰すと18ホール持たない」というのがその理由。
さらに「フック回転をかけずに、縦回転をかけることを意識するといいと思います」とトッププロならではのアドバイスをしていました。
人工芝マットで打つ日本の練習環境でアイアンを上達させるには
いつもどういう練習をしているのか?という質問は、その内容を知って参考にしたいジュニアならではといえるでしょう。
それに対して「私はアイアンが下手だと思っています」と吉田は答えました。
アメリカでの練習では、芝から打てる環境を活かして入射角などを入念にチェックしているそうです。
日本では人工芝マットでも練習が主流ですが、その際は「“刃”の入れ方を試行錯誤してほしい」とのことです。
自身もジュニア時代に悩まされた腰痛を解消できた理由は
背中に痛みを抱えているジュニアからの相談には「私も15~16歳の時に腰が痛かったけど、筋トレで体が強くなったらなくなった」との経験談を語りました。
一方で「今のうちに治さないと、もしプロになれてもその時が大変。早めに対応した方がいい」とも話していました。「練習ではいいけど、試合になるとミスが出てしまうんです…」とは、参加したジュニアだけではなく、全てのゴルファーが聞きたいことでしょう。
これには「私もそうですよ」と言った上で「皆ミスはするから、ぐらいの気持ちでやるといいと思う。練習でできるんだから、コースでもできると思って!」と気負わず前向きにポジティブシンキングすることが大事、とエールを送りました。
「せっかくだから全員に!」とジュニアの声に耳を傾ける
上記は本来なら最後の質問だったのですが、4人が手を挙げると「せっかくだから全員に」と吉田自らが提案する神対応です。
その上で「狭くて立ちにくいようなホールでは『嫌だ』と考えるネガティブな時間を減らすためにすぐ打つようにしています」
やはりプレー中にネガティブになりがちだという質問には「気持ちが“下”に行かないように、ボギーを打っても『パーの気持ち』で。バーディーだけを加点する意識を試してみたらいいと思います」と、ポジティブになることだけを考えることを勧めます。
食事するのに時間がかかってしまうことを相談したジュニアには「ちゃんと食べる時間がないような時はプロテインを取るとかすれば」と無理に急ぐよりも補食でカバーすることを勧めました。
「東大出身のプロゴルファーになりたい!」と言った子も
バリバリのLPGAプレーヤーの名を冠した大会とあって参加者はエリートジュニアばかりかと思いきや、作文には「東大出身のプロゴルファーになりたい」と書いてきた子もいたそうです。
通常のジュニア大会とはひと味違う“交流”ができたことで「背負うものが増えた気がして、その重さがすごくプラスになる気がします。皆から得たパワーでバーディーパットがコロンと入ってくれたらうれしいですね」と、15日に渡米し、19日開幕の「フォーティネット・ファウンダーズ・カップ」から再開するLPGAツアーでの戦いに向けて大いに英気を養った様子でした。
(取材・文・写真/森伊知郎)


