指定された位置にきちんと置くのがリプレース

何らかの理由でボールを動かした(拾い上げた)あと、ボールを地面に戻すときの方法として、ドロップ、プレース、リプレースの3つがあるというのは、多くのゴルファーがご存じのはず。このうち、ヒザの高さからボールを落とすドロップはほとんどの人が理解しているようですが、ボールを地面に置くプレースとリプレースの違いがよく分らないというゴルファーも多いようです。果たして、この2つはどう違うのか?

一般的には、プレースは「元の位置とは違うところに球を置く行為」、リプレースは「球が元々あった位置に球を置く行為」と思われているようですが、これでは完璧な正解とは言えません。ルール上は、プレースは「指定された範囲のどこかに球を置く行為」、リプレースは「指定された位置に球を置く行為」となっているからです。

「ん? 認識と完璧な正解のどこが違うの?」という人もいるでしょうが、注目して欲しいのは、リプレースの定義。リプレースは必ずしも“元の位置”に戻すのではなく、“指定された位置”に置くこと。もし、リプレースが「元の位置に戻す行為」をいうのであれば、「元の位置にリプレース」というのはおかしな日本語になってしまいますよね。

もっとも、リプレースで指定される位置というのは、“元の位置”が多いので、間違って覚えていたとしても大きなミスにはならないと思いますが、ルールは正しく理解しておきましょう。

では具体的に、どんなときにプレースをして、どんなときにリプレースするかを紹介しましょう。

【プレースで再開するケース】

「ドロップした球が救済エリア内に止まらなかった場合」

ドロップした球が救済エリア内に2度止まらなかった場合などは、球が最初に触れた救済エリアの地点に球をプレース。

「他のプレーヤーの打った球が当たって動いた場合」

他のプレーヤーの打った球が自分の球に当たって動いた場合は、その球が元あったであろう位置にプレース。

「グリーン上で救済を受ける場合」

風で球が動いた場合や他のプレーヤーよって球の方向を変えられた場合。また、グリーンの芝の状態が悪く、救済を受ける場合など。

【リプレースで再開するケース】

「球をマークして拾い上げたとき」

グリーン上で球をマークするときや、豪雨や雷でプレーを中断しなければいけないようなとき。

「プレー中、球を交換する場合」

プレー中、球が損傷して交換する際、新しい球を以前の球があった場所にリプレースしてプレーを再開。

「球の確認のために球を拾った場合」

自分の球かどうかを確認するために球を拾い上げた場合、確認後、元の位置にリプレース。余談だが、拾った球が他のプレーヤーの球だった場合、そのプレーヤーにリプレースさせるのではなく、拾い上げた本人が球をリプレースする。間違えた場合は1罰打。

「プレースした球が動いた場合」

救済を受けてプレースの処置をした球が、傾斜などの影響で止まらずに動いてしまった場合、その球をプレースした位置にリプレース。球が再び動き出す可能性がある場合は、元の位置からホールに近づかず球が止まる最も近い位置でプレースとなる。

もう一つ覚えておきたいのは、リプレースで球を元に戻すときは、ボールを拾い上げた人が元の位置に戻さなければいけないということ。他のプレーヤーが拾い上げて球の持ち主がリプレースしてプレーを再開すると、リプレースした人は1打罰が科せられます。例えばキャディがグリーン上で球を拾い上げ、その球をプレーヤーに渡してしまい、プレーヤー本人がリプレースしたらアウトということです。ただし、打つ前に間違いに気づいて正しい処置方法に訂正すれば無罰です。

また、原則として、プレースは球を取り替えることができますが、リプレースは取り替えることができないという違いがあることも覚えておいた方がいいでしょう。

文・真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。

ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。