その140ヤード、本当に“狙いどき”ですか?

先日ゴルフ友達とラウンドしている時にこんな話になりました。ゴルフ友達から「前のミドルホールのセカンドはいつも残り140ヤードぐらいの池越えになる。100ヤードは自信があるけど、150ヤードだと成功率はまだ五分五分ぐらい。140ヤードなら大丈夫かと思って打つと、グリーンを外したり、最悪はダフッと池ポチャ。成功率を上げるにはどうしたらいいと思う?」と聞かれました。私は「難しいシチュエーションだね。グリーンオンするのが成功なのか、池ポチャせずにスコアを守るのが成功なのかによっても答えは変わるかな」と一旦答えました。ゴルフ友達から「せっかく残り140ヤードからセカンドショットが打てるから、できるだけ良いスコアでホールアウトしたい。どうしたらいい?」とさらに聞かれました。私は「ボールのライによっても選択肢は変わるけど、基本はグリーンセンターから奥狙い。ライが悪ければ、得意距離にレイアップかな」と答えました。

みなさんは、残り140ヤードの池越えでどのように攻めますか?一般的な飛距離の方なら7番アイアンまたは8番アイアンで打つ距離なので、残り距離だけ考えれば何も考えずにピンを狙いたくなります。でも、実際のラウンドで池ポチャを経験された方は非常に多いと思います。今回は残り140ヤードの池越えをどのように攻めるかを説明させていただきます。

なぜ140ヤードの池越えはミスが増えるのか

残り140ヤードの池越えは、アマチュアゴルファーにとってとても迷いやすい場面です。100ヤードならいつもの距離として打てても、140ヤードになると急に難しく感じる方は多いと思います。実際、私もラウンドしていて感じるのは、140ヤード前後は届かない距離ではないけれど、絶対に安心とも言えない距離だということです。この中途半端さが、池越えの難しさを一段上げています。

特に問題なのは、140ヤードならいけそうと思えてしまうことです。150ヤードだと難しいと自覚できるのに、140ヤードだと少し前向きな判断をしやすくなります。ですが、池越えではこの感覚が曲者です。なぜなら、普段の140ヤードと池越えの140ヤードでは、求められるショットの質が違うからです。普段の140ヤードなら、少し手前でも花道に乗ったり、ランで前に進んだりすることがあります。しかし池越えではランは使えません。必要なのは、キャリーで安全圏まで運ぶことです。つまり、140ヤード打てるかどうかではなく、少し芯を外しても、少し当たりが薄くても、池を越えるキャリーが出るかどうかが本当の基準になります。

さらに、池が目に入ることでスイングそのものも変わりやすくなります。多くのアマチュアゴルファーは、池越えでしっかり届かせたいと思うほど、逆に動きが不自然になります。例えば、届かせたい気持ちが強くなって力んだり、逆に池を意識して当てにいってしまったり、インパクトで緩んだりします。本人はいつも通り振っているつもりでも、実際にはテンポや力感が少し変わっていて、それがショートやトップ、引っかけの原因になります。しかも、ここでやっかいなのは、グリーンに乗せたいという気持ちです。池越えでは本来、まず優先すべきなのは池を安全に越えることです。それなのに、頭の中が乗せたい、できればピンに近づけたいという方向に傾くと、番手選びも狙いどころもナイスショット前提になりやすくなります。その結果、良い当たりなら乗るけれど、少しズレたら池という一番危ないラインを選んでしまいます。140ヤードの池越えでミスが増えるのは、単に距離が難しいからではありません。届きそうな距離であること、池のプレッシャーがあること、そして乗せたいという欲が入りやすいこと。この3つが重なって、成功率が思った以上に下がってしまいます。

池越えは“二択”じゃない 4つの攻略ルートを持つ

こういう場面で大事なのは、行くか、行かないかの二択で考えないことです。残り140ヤードの池越えというと、ついキャリーで狙うか、刻むかの二択に見えますが、実際にはその中間も含めていくつかの攻略ルートがあります。これを整理しておくと、ラウンド中に冷静な判断がしやすくなります。まず1つ目は、グリーンオン狙いで直接キャリーさせるルートです。これは一番わかりやすい攻め方で、池をしっかり越えるキャリーを出して、グリーン面に乗せにいく選択です。うまくいけばパーの可能性も高まりますし、見た目としても気持ちの良い攻め方です。ただし当然ながら、必要なのはナイスショットではなく、再現性のあるキャリーです。少しミスしただけで池のリスクがあるなら、このルートは見た目ほど簡単ではありません。

2つ目は、グリーン中央から奥の安全地帯を使ってキャリーさせるルートです。私はアマチュアゴルファーにとって、実戦的なのはこちらだと思っています。ピンを直接狙うのではなく、グリーンの一番広い場所、あるいは奥に外しても次がやさしい場所に狙いを置くことで、ショートのミスを減らしやすくなります。池越えで一番避けたいのは、手前の池に落としてしまうことです。だからこそ、ピン位置が手前でも、攻める場所は中央からやや奥という考え方の方が現実的です。3つ目は、グリーン横や奥の安全地帯に逃がすルートです。コースによっては、グリーン右サイドや奥が広く、安全に外せる場所があることがあります。そういう時は、無理にピン方向へ打たず、乗らなくても次が簡単な場所へ運ぶ考え方が有効です。これも立派な攻め方です。スコアを崩す原因はグリーンを外すことではなく、池に入れてしまうことだからです。

そして4つ目が、池の手前に刻んで得意距離を残すルートです。今回の前提のように100ヤードに自信があるなら、この選択はかなり強いです。アマチュアゴルファーはどうしても、届くなら狙いたいと思いやすいですが、スコアメイクの視点で見ると、140ヤードの池越えを五分五分で打つより、確実に刻んで100ヤードを残した方が、トータルでは良い結果になりやすいです。特に、池越えでショートして1打罰を払うと、そのホールは一気に苦しくなります。一方で、刻んで3打目を得意距離から打てれば、ボギーオンして2パットという流れも十分に作れます。これは守りではなく、再現性の高い攻めです。つまりこの場面には、単純に行く・行かないではなく、直接乗せる、安全な場所へ乗せる、安全に外す、得意距離を残すという4つのルートがあります。まずこの選択肢を頭の中で持っておくだけでも、判断はかなりクリアになります。

最終判断は距離ではなく“ライと再現性”で決める

では、最終的にどのルートを選ぶべきか。ここで大事なのが、距離だけで決めないことです。

同じ残り140ヤードでも、フェアウェイの良いライなのか、軽いラフなのか、深いラフなのか、傾斜なのかで、成功率はかなり変わります。私はこのテーマで一番読者に伝えたいのは、140ヤードを打てるかどうかではなく、そのライから池を越えるキャリーを再現できるかどうかで決めるべき、という点です。たとえばフェアウェイの良いライなら、キャリーを計算しやすく、フェースにもきちんと乗せやすいので、4つのルートの中では2つ目のグリーン中央から奥の安全地帯を狙うルートが第一候補になりやすいです。ピンを直接狙うよりも少し安全寄りですが、それでも十分に前向きな攻めです。ライが良く、池を越える必要キャリーにも余裕があり、奥にも逃げ場があるなら、キャリーで攻める価値はあります。

一方で、軽いラフになると話は変わります。軽いラフでも、芝が少し噛むだけで飛距離やスピン量の読みがズレることがあります。普段なら届く距離でも、池越えではそのわずかなズレが大きな差になります。この場合は、グリーン中央狙いにして安全度を上げるか、場合によっては安全地帯へ逃がすルートに切り替える方が現実的です。さらに深いラフや沈んだライなら、基本的には刻みの価値が一気に上がります。芝の抵抗でヘッドスピードが落ちたり、フェースの向きがブレたり、球が上がらなかったりすると、池越えとの相性はかなり悪くなります。ここで無理にグリーンオンを狙うのは、アマチュアゴルファーにとってはリターンよりリスクの方が大きいです。左足下がりやつま先下がりのような傾斜地も同じで、球が上がりにくい、芯に当たりにくい、方向がズレやすいなど、池越えで嫌な要素が重なります。こういうライでは、打てるかもしれないではなく、ミスしても池を越えるかどうかで考えた方が安全です。

結局のところ、この場面の判断をシンプルにするとこうなります。フェアウェイの良いライなら、安全なグリーン狙いを考える。ライが少しでも悪くなるほど、安全地帯か刻みの優先順位を上げる。そして、100ヤードに自信があるなら、その武器を使える刻みはかなり強い選択肢です。アマチュアゴルファーは、とかくせっかく届きそうだから行きたいと考えがちですが、実際のラウンドでは、行けるかどうかより、その選択を何回再現できるかの方がスコアに直結します。私自身も、こういう場面で無理に乗せにいって池に入れるより、得意距離を残して3打目勝負にした方が、結果的にスコアがまとまることが多いです。池越えで本当に大事なのは、勇気を出して攻めることではなく、自分の成功率が一番高いルートを選ぶことです。140ヤードという数字に引っ張られず、ライとキャリーの再現性まで含めて判断できるようになると、この場面のミスはかなり減らせると思います。

それでは、引き続きアマチュアゴルファー目線で役立つ記事を投稿できればと思っていますので、次回の投稿を楽しみにお待ちください。

もう少しでシングル(ペンネーム)
東京都内在住の40代のサラリーマンゴルファー。2011年にゴルフを始め、現在のJGAハンディキャップは5.1。2020年にはヘッドスピードアップにチャレンジし、42.4m/sからスタートし、61.0m/sまでアップ。2020年からシングルプレーヤーになる過程を記録するために、ブログ「シングルプレーヤーへの道は遠い?」を運営。