7Wが入るとFW2本体制の考え方が変わる

フェアウェイウッドを2本体制で考えるとき、意外に重要な存在になるのが7番ウッド(以下7W)です。3Wや5Wとどう組み合わせるかによって、ロングショットのやさしさも役割分担も大きく変わってきます。まずは7Wがどんなクラブで、ユーティリティと比べてどんな強みを持っているのかを整理しておきましょう。

メーカーやブランドにもよりますが、フェアウェイウッド(以下FW)は、3、4、5、7番の4本が定番になりつつあります。9番も存在しますがポピュラーではないので、7番はもっとも短いFWとして認識されているといっていいでしょう。アマチュアの方の場合、最初に3番や5番をセットで揃えることが多いので、7Wはイマイチ馴染みがないかもしれませんが、実のところ滅茶苦茶ポテンシャルの高いクラブです。

7Wのロフト角は20~22度。21度あたりがもっとも多く、アイアンだとおおむね3、4番アイアンに相当します。アマチュアゴルファーがロングアイアンを使うのが現実的ではなくなった今、ユーティリティ(以下UT)とともに注目を浴びていますが、まずは同ロフトで同じシャフトを装着した7WとUTでは何が違うのかを明確にしておきましょう。

実戦的なのは「5W&7W」 飛距離重視なら「3W&7W」

結論から言うと7Wの方が高弾道の球が出て、しかも同じロフトのUTより楽に上がります。なぜロフトが同じなのに7Wの方がボールが上がるのかというと、インパクトロフトが大きいから。インパクトでは、お尻側が下がる感じでヘッドが傾きます。UTも同様ですが、ウッド型ヘッドの7Wの方が重心がヘッドの深い位置にある(重心深度が深い)ため、インパクトロフトが1~2度大きくなります。つまり物理的な理由でボールが上がりやすいというわけ。これにより7Wには次の3つのメリットが生まれます。

① 打ち出し角が高い

② 打球の頂点が高い

③ グリーンで止まりやすい

ということで、UTだと球が上がらず距離が出ない人にはもってこい。わずかながら芯も広いですから断然おすすめです。石川遼プロが使ったのはお試し的な一面もあったと思いますが、ドライビングアイアンを使っていたプロが7Wを試すのは、明らかに楽なクラブにシフトしようとしていた証拠。アマチュアが試さない手はないのです。

さて、これは人にもよりますが、7Wを入れた場合にクラブ本数が14本を超えて1本抜かなければならないかもしれません。そんな場合、例えばドライバーの下に3Wと5Wを入れているなら、3Wを抜いて7Wを入れ、5Wと7Wにする。あるいは5Wを抜いて7Wを入れ、3Wと7Wの2本体制にする。といった手が考えられます。基本的に3Wは打球が上がらず、地面から打つのが難しいクラブなのでおすすめは前者です。5Wは球が上がりやすくミートしやすいクラブで、ライがよければ地面からも楽に打てます。ちょっとライが悪ければ7Wを使えばいいわけで適材適所になります。何より3Wがなければ致命的なミスは出ようがありませんから安心ですよね。

付け加えておくと、私が考えるFWの最強セッティングは、4Wと7Wの2本体制です。なぜ4Wかといえば、3Wよりボールが上がりやすく、5Wより飛ぶからです。とはいえ、5Wほどは打ちやすくないですから、4Wはおもにティショットやライのいいところでの使用に限定し、地面からのショットは7Wに任せます。

7W相当のロフトのクラブをUTで賄っている人も多いと思いますが、前述したようにロフト21度のUTとなると簡単ではなく、7Wの方がはるかに楽です。また、このようにセッティングすることで各番手の役割が明確になりプレーが組み立てやすくなります。それもこれも7Wはショットの再現性が高く安定したクラブだからです。

フェアウェイウッドを2本体制で考えたとき、「3W&7W」と「5W&7W」のどちらがいいかは、自分のプレースタイルとミート率次第です。3Wをしっかり打てるなら「3W&7W」で飛距離と高さの両立が可能になりますが、3Wが不安定なら無理に入れる必要はありません。実戦的に考えれば、地面から打ちやすく再現性の高い「5W&7W」の方がスコアはまとまりやすいでしょう。7Wが入ることでロングショットの難易度は大きく下がります。だからこそ、飛ばすか、やさしく運ぶか。その優先順位を明確にして選ぶことが、最適なセッティングにつながります。

吉本巧(よしもと・たくみ)

ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。