林の中から70ヤードのバンカー越えが難しい理由は?
先日ゴルフ友達とラウンドしている時にこんな話になりました。ゴルフ友達から「前のミドルホールでティーショットは飛んだけど林の中。ピンまで残り70ヤードのバンカー越えだけど、ボールは土の上。グリーンを狙ったら、木の枝に当たって林の中のまま。3打目で林から出したけど、4打目がグリーン手前のバンカーに。どうマネジメントすればよかったのかな?」と聞かれました。私は「あれはやってはいけないミスの連続だったよね。木の枝に当たりそうなら無理せず林から脱出することを最優先にするのが正解だと思う」と答えました。ゴルフ友達は「残り70ヤードでもグリーンを狙わないの?」とさらに聞かれました。私は「もちろん狙える条件がそろっていればグリーンを狙うけど、無理して大叩きするのは避けたいシチューエーションだと思うよ」と答えました。
林の中からピンまで70ヤードと聞くと、距離だけ見れば何とか寄せられそうに感じる方は多いと思います。ですが、実際にはかなり難しい状況です。なぜなら、これは単純な70ヤードのアプローチではなく、林の中、土の上のライ、さらにグリーン手前にバンカーがあるという、難しい条件がいくつも重なったショットだからです。100切り前後のアマチュアゴルファーがこの場面で失敗しやすいのは、技術不足というより、見た目の距離に引っ張られて状況の難しさを軽く見てしまうからです。まず大切なのは、ピンまでの数字ではなく、今どんな条件で打たなければいけないのかを冷静に整理することです。特に難しくする要素が、林の中という環境です。木が近いと、枝や幹が視界に入り、無意識にスイングが小さくなったり、途中で緩んだりしやすくなります。本来なら普通に振ればよい距離でも、木が気になることで打ち出し方向やフォローが不自然になり、ダフリやトップが出やすくなります。さらに今回は、ボールが芝の上ではなく土の上にあります。土の上はフェアウェイからのアプローチのようにヘッドをきれいに入れにくく、少しでも手前に入ると強いダフリになりやすいです。逆に地面を嫌がると薄く当たりやすくなり、今度はトップが出ます。つまり、林の中というだけでも難しいのに、ライの悪さがその難しさをさらに大きくしているわけです。そこへグリーン手前のバンカーが加わると、プレッシャーはさらに強くなります。バンカーがなければ、多少低い球でも前に運んでグリーン周りへ持っていく発想ができますが、手前にバンカーがあると、ある程度のキャリーと高さが必要になります。すると今度は、距離だけでなく、球の高さまで同時に求められます。林の中から、土の上のライで、木を避けながら、バンカーを越える球を打つ。これを100切りレベルのアマチュアゴルファーが高い再現性で行うのは、かなり難しいです。だからこそこの場面では、70ヤードをどう打つかではなく、今の条件で何ができて何ができないかを先に見極めることが大切です。数字だけを見ると攻めたくなりますが、実際には立て直しのショットとして考える方が、スコアは安定しやすくなります。
やってはいけないミスと許容できるミスは?
この場面で最初に決めたいのは、ナイスショットの形ではなく、どのミスを絶対に避けるべきかです。100切り前後のゴルファーにとって、林の中からのリカバリーショットで一番大切なのは、一打で帳消しにしようとしないことです。特にやってはいけないミスの筆頭は、枝や幹に当てて、また林の中に残ってしまうことです。これは一打使ったのに状況がほとんど改善せず、次もまた木が邪魔で、ライも悪く、グリーンも狙いにくいままになります。しかも、当たり方によっては横や後ろに跳ねて、さらに状況が悪化することもあります。林からの一打は、まず完全に脱出できることが大前提であり、それを外すと一気にダボやトリプルの流れに入りやすくなります。その次に避けたいのが、バンカーに届かず手前に落とすミス、あるいはバンカーに入れてしまうミスです。今回はグリーン手前にバンカーがある設定なので、ショート系のミスは基本的に重いミスだと考えてよいです。土の上のライから無理に球を上げようとすると、ヘッドが手前に入り、距離が足りずにバンカー手前やバンカーインになりやすくなります。これも次打が難しくなるという意味で大きなマイナスです。ただ、優先順位でいえば、林に残るミスの方がさらに悪いです。バンカーならまだ林からは出られていて、次の一打を打つ環境は少し改善されていますが、林に残ると、次もまず脱出から考えなければなりません。この順番を頭に入れておくと、ラウンド中の判断がぶれにくくなります。
一方で、許容できるミスもあります。代表的なのは、ピンに寄らなくても、バンカーを越えてグリーン手前、カラー、奥ラフなどの安全地帯に行くミスです。奥がOBや急傾斜でない限り、手前バンカーよりは奥の方が圧倒的に次がやさしくなります。つまりこの場面では、ショート厳禁、少し大きめは許容という考え方が基本になります。さらに、直接乗らなくても、横や斜め前の安全地帯に出して、次に30〜50ヤードの打ちやすいアプローチを残せるなら、それも十分成功です。100切り前後のゴルファーなら、この一打で寄せることより、次で普通に乗せられる場所に持っていく方が現実的です。ナイスショットを狙うより、最悪のミスを消して、許容できるミスの幅を広く持つ。この考え方が、林からのマネジメントではとても大切です。
直接狙うべき条件と脱出を選ぶべき条件は?
では、どんな時に直接グリーンを狙ってよく、どんな時に脱出を選ぶべきなのでしょうか?ここは感覚で決めるのではなく、条件で整理した方が失敗しにくくなります。
まず直接狙ってよい条件の一つ目は、林からの出口がはっきり見えていることです。枝や幹に当たる不安が少なく、最初の打ち出し方向が明確に確保できていることが大前提です。
二つ目は、バンカーを越えるだけの高さを無理なく出せることです。今回はグリーン手前にバンカーがあるので、低く出して逃がすだけでは成立しません。普通に打てば必要な高さが出るかどうかが大事です。
三つ目は、ライと足場が極端に悪くないことです。土の上でも、ヘッドが入る余地があり、スタンスが取れて、普段に近い振り方ができるなら、直接狙う選択肢は出てきます。
加えて、直接狙う場合は狙いどころの設定も重要です。ここでピンを刺しにいく発想になると、難易度が一気に上がります。狙うのはあくまでグリーン中央、もしくは少し奥寄りの安全地帯です。バンカーを確実に越えた先に広い受け皿があり、多少オーバーしても大きな問題にならないなら、直接狙いはマネジメントとして成立しやすいです。逆に言えば、奥がすぐOB、急な下り傾斜、深いラフなど、大きいミスも危険な状況なら、直接狙う価値はかなり下がります。ショートもダメ、オーバーもダメという状況なら、攻める条件が整っていないと考えた方が自然です。直接狙うのは、成功した時の見返りが大きいからではなく、失敗の幅がある程度コントロールできる時だけに絞るべきです。
一方で、少しでも怪しい要素があるなら、脱出を選ぶ方が正解です。たとえば、枝が視界に入る、振り幅が取りづらい、土が硬くてヘッドが弾かれそう、足場が悪い、奥も危険。こうした条件があれば、無理に70ヤードを直接狙うのは期待値が下がります。100切り前後のゴルファーなら、ここで大事なのは一打で取り返すことではなく、ボギーやダボで止めることです。脱出を選ぶのは弱気ではなく、次の一打を簡単にするための前向きな判断です。木に当てずに前へ出せるか、バンカーを越える高さが出せるか、クリーンヒットのイメージがあるか、少し大きくても安全か。この4つを順番に確認し、どれか一つでも強い不安があるなら迷わず脱出。この基準を持っておくと、実戦でかなり判断しやすくなります。
林から出すならどこが正解?
脱出を選ぶと決めた時に大事なのは、とにかく前へ出すことではありません。正解は、次に一番やさしいアプローチが打てる場所へ出すことです。ここを間違えると、林からは出られても、次打がまた難しいままになってしまいます。たとえば、グリーンには少し近づくけれど深いラフに入る場所や、傾斜の強い場所、まだ木が視界に入る場所に出してしまうと、結局次も難しいショットが残ります。逆に、グリーンまで少し距離が残っても、平らなライで木の影響がなく、普通のアプローチが打てる場所なら、スコアはかなりまとめやすくなります。
トラブルショットでは、グリーンへの近さより、次打の打ちやすさを優先するのが基本です。具体的には、30〜50ヤード前後の打ちやすい距離を残せる場所が理想です。この距離なら、100切り前後のゴルファーでも振り幅をイメージしやすく、極端なミスが出にくくなります。しかも、林から直接70ヤードのバンカー越えを狙うより、フェアウェイや花道、薄いラフの平らなライから打つ30〜50ヤードの方が、再現性はずっと高くなります。ここで大切なのは、単に残り距離を短くすることではなく、自分が次に普通のアプローチを打てる場所を選ぶことです。残り20ヤードでも深いラフや下り傾斜なら難しくなりますし、残り40ヤードでも平らなフェアウェイならかなり楽になります。だから脱出先は、何ヤード残るかだけでなく、どんなライで、どんな球を打つことになるかまで想像して決めたいところです。
さらに、可能であれば次打でバンカーの幅が薄く見える角度へ出すのも有効です。今いる場所からだとバンカーが広く見えても、少し横へ出すだけで、次はバンカーの端を越えればよい角度になることがあります。こうなると、必要なキャリーも減り、高さのプレッシャーも小さくなります。100切りを目指すゴルファーにとっては、1打で全部解決するより、2打でやさしく解決する方が結果は安定します。この場面での理想は、林から確実に脱出し、次は木の邪魔がなく、平らなライから、バンカー越えの難易度が下がったアプローチを打つことです。言い換えると、林から出す正解は、グリーンに近い場所ではなく、次の成功率が一番高い場所です。この考え方が持てると、難しい場面でも無理をせず、スコアを大きく崩しにくくなります。
それでは、引き続きアマチュアゴルファー目線で役立つ記事を投稿できればと思っていますので、次回の投稿を楽しみにお待ちください。
もう少しでシングル(ペンネーム)
東京都内在住の40代のサラリーマンゴルファー。2011年にゴルフを始め、現在のJGAハンディキャップは5.1。2020年にはヘッドスピードアップにチャレンジし、42.4m/sからスタートし、61.0m/sまでアップ。2020年からシングルプレーヤーになる過程を記録するために、ブログ「シングルプレーヤーへの道は遠い?」を運営。




